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「家族は世帯主の付属物なの?」給付金10万円の使い道問題で明らかになった夫婦間の溝とは




■夫の考え方にびっくり





「10万円の話が出たとき、夫が『うちは40万円だな。エアコンを買おう』と言ったんです。確かにエアコンが壊れて困っているんですが、あのお金はひとり10万円。夫の口座に入ったとしても夫のお金でも家のお金でもない。4人それぞれに10万円なんです。夫がそのことをなかなかわかろうとしないのがちょっとした衝撃でした」





そう言うのは、クミさん(40歳)だ。結婚して10年、9歳と6歳の子がいる。上の子の体が弱かったのでクミさんは退職したが、下の子が3歳になったころから非正規ながら仕事を再開した。夫の収入だけに依存しているわけではないという気持ちがある。





「夫は『世帯主はオレだから。世帯主に払われるということはオレが代表で受け取るわけでしょ。家庭のために使おうとしているのに、どうしてキミは反対するわけ?』って。うーん、何かがズレているんですよね。夫には自分という概念と家族全部という概念しかない。家庭を構成しているのはひとりひとりだという意識がないんです。だから40万入る、エアコン買おうという発想になるわけで……」





だが、その感覚は夫にはわかってもらえない。世帯主のもとに家族はいると思い込んでいるのだ。





「家族は世帯主の付属物じゃないと言ったんです。すると夫は『誰も付属物だとは言ってない。だけど家族は世帯主の意向に沿って生きるものだ』って。『いや、付属物よりひどいでしょ、それ』。そんなやりとりがずっと続きました」



 



 



■頼られたい夫と自立したい妻





クミさんの夫は、決して家族に対して支配的な言動をとるわけではない。むしろやさしい人だという。





「ただ、夫は子どもを産んでから私がすごく強くなったとよく言っていたんですよね。子どもがいるのにヤワな女ではいられないですよ、守らなければならないんだから。夫は基本的には優しかったけど、私が『頼らない女』になっていったことで、自分自身の存在価値に自信をもてなくなっていったのかもしれない。夫とのやりとりのあと、ふとそう思いました」





結婚前は、のちに夫となる彼に頼ってばかりいたクミさん。ところが結婚して子どもができるたびに、彼女は強くなっていく。もちろん強くなるのは当然なのだが、それを夫はどこか寂しい思いで見ていたのではないだろうか。





「私は家族といえども、個人の集まりだと思っています。夫が妻や子どもを支配することはできない、逆も同じ。夫にはどうもそういう感覚が抜け落ちているような気がするんですよね。私の母の世代だったら、“一家の大黒柱”として立派かもしれないけど、私は夫にそういう男性像を望んでない。今回、時間をかけてそういうことを話し合いました。でも最終的に夫が言ったのは、『きみは強くて冷静で冷たい』って」





結局はわかりあうことはできなかった。だがクミさんはあきらめていない。彼女にとって夫は大事なパートナーだ。今からでも話し合って溝を埋めていくことはできるはず。そう信じているそうだ。


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