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洋服のお着換えまで?! カフェで遭遇した、なんちゃって(?)インフルエンサーの呆れた実態に辟易…




 



先週の日曜日。銀座の少しはずれにある、某老舗カフェでインフルエンサー……らしき小集団に遭遇した。



 



年のころは20代前半くらいか? キャバ嬢風の派手めなファッション&茶髪の巻き髪を装った女子3人組で、私らが席に着いてホンの数分後、となりの席にやって来た。



 



このカフェはどうやら、色とりどりの鮮やかな外観の、いわゆる「映え」なフルーツ系スイーツが売りであるようで、店員さんが大皿に乗った複数のケーキやタルトを運んできて、自由にチョイスできるシステムだ。「可愛い〜」「むっちゃ美味しそう〜」……などと叫声をあげながら銘々がスマホで撮影をしている。



 



ちょっと写メタイム長すぎなのでは……とは一瞬思ったものの、ここまではまあ、よくありがちな……むしろ微笑ましいシーンだと言えなくもない。ところが! ここからまもなく、雲行きがいささか怪しくなり出すのであった。



 



彼女らがオーダーしたケーキが3種類、ドリンクとともにテーブルへと運ばれる。パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ……と永遠に続くのかのごとく止まることのない連続のシャッター音。3人が3人とも、ワンシャッターごとに座り・座り中腰・立ち中腰・立ち……を何度もリフレインしながら微妙にカメラ(=スマホ)の角度を変えている。次に、銘々が自撮りをはじめ、ブツブツ独り言をつぶやいている。おそらく動画撮影中なのであろう。 この段階でようやく私は察することができた。



 



「ああ! この子たちは今流行りの(?)インフルエンサーってヤツなのか…」



 



……と。彼女らのインフルエンサー(らしき)な動きは、ますますエスカレートしていく。次は、お互いにカメラ(=スマホ)を向け合っての撮影会。おのおのが“映えるスイーツ”を前に、必勝のポーズと貼り付いたみたいな笑顔をキメつつ、ワンシャッターごとに撮られた写真をチェックしては、「もっとこっちの角度から」「もっとケーキを大きめに」……とダメ出しを入れ、また再撮。ちなみに、インフルエンサーなるヒトたちは、まず動画をザックリ撮ってからインスタのストーリーで予告編的に投稿し、写真は精査と修正を重ねた“厳選作品”を、日またぎで自身のアカウントにアップする……のだそう。すでに30分以上は軽く経っている。私らはとっくにオーダーしたランチを食べ終えている。彼女らは、まだ一人もオーダーしたスイーツに手を付けていない……。



 



さらに、その約15分後。一人の女子がトイレへと立った。驚くべきことに、洋服をお着替えしている! 時間差でもう一人の女子も、そして、もう一人の女子も……。私らの逆となりにいる大学生風のカップルもその異様な光景にさすがに気づいたのか、戸惑いと失笑を隠せない。いっぽうの彼女らは、そんな周囲の好奇な眼差しなんぞどこ吹く風で、パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ……とシャッター音だけが、また淡々と店内に鳴り響く。まだ一人もオーダーしたスイーツには手を付けていない。一応は“主役”である被写体には最後の最後まで活躍してもらおうといった魂胆なんだろう。もはやスイーツたちはカピカピに干涸びている。



 



「インフルエンサー」とは、「世間に与える影響力が大きい行動を行う人のこと」を指し、その多くはインスタグラムをはじめとするSNSを利用して、その「影響力」を公へと発信する。最近は「著名人>マイクロインフルエンサー(1万人〜10万人のフォロワーを持つ)>ナノインフルエンサー(数千人〜1万人のフォロワーを持つ)」ってな感じのヒエラルキーも生まれている……との噂で、購買ターゲットや予算に応じてこれらのインフルエンサーと企業を結ぶ仲介業も実在すると聞く。



 



今回、私が銀座はずれの某カフェで遭遇した彼女らが、一体どのランクに所属するインフルエンサーなのかは知る由もないが、そこまでゆったりとしたレイアウトでもない店内で、私らのテーブルにドンドンと尻をぶつけながら侘びの一つもなく撮影に専念する、さらにはめまぐるしく動き回る彼女らは、けっこう迷惑で目障りでもあった。そういえば、とあるプレスツアーで偶然同行した若い女子インフルエンサー軍団も、私らをぐいぐい押しのけ「オススメ」とされる撮影スポットを長時間独占していたなぁ……。あと、彼女らって自己紹介のとき「インフルエンサーの○○です」なんて平気で言っちゃうんですよ。インフルエンサーって「職業的な肩書き」としてちゃんと成立しているのか?


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