■元カレと再会して

 

再会した元カレとどっぷり恋にはまっているというのは、アキミさん(40歳)。前の会社の先輩である5歳年上の男性と結婚して7年たつ。夫は再婚で、すでに3人の子がいたことから、もう子どもはいらないとアキミさんに話していた。彼女自身、それでも彼と一緒にいたいからと結婚したが、本当は子どもがほしいと思うこともあったという。


「40歳を目前にしたころ、子どもをもたない人生なんだなと思ったら、なんだか急に虚しくなって。そんなときばったり元カレに再会したんです。20代の中頃から3年ほどつきあって、結婚も考えていたのに、なぜか急に私が怖くなって逃げ出してしまった。彼にしてみれば、何がなんだかわからなかったと思う」


再会した元カレと何度か会っているうちに、当時の話にもなった。彼にも今は家庭がある。だが、彼もずっと後悔しつづけていたという。


「もっとアキミをしっかりつかまえておけばよかった、オレがしっかりしていなかったんだとずっと思っていた、と。私は私で、彼と一緒にいると幸せすぎて怖かった。ちょうど仕事で大きなチャンスが舞い込んでいたから、不器用な私は結婚と仕事を両立させることもできないだろうと思ったし。彼に嫌われるくらいなら自分から逃げてしまおう。そんな感じだったんですよね」

 

お互いに嫌い合ったわけではない。むしろ、アキミさんは彼を好きすぎたのだ。そんな話をしているうちに、当時の感情が蘇っていく。ふたりは一気に恋に落ちた。

 

 

■互いの配偶者が離婚してくれない

 

少しでも一緒にいたいとふたりは望んだ。彼は時間的に不規則な仕事をしているので、彼女は彼に合わせて時間を作った。遅く帰っても、夫には残業だと言い張った。夫は何も言わない。


「彼と旅行もしました。一睡もせずに抱き合っていた。いっそこのままふたりでどこかへ行ってしまおうかという話までした。彼は、『貧乏暮らしになってもよければ、オレは離婚したい。妻とは最初から合わなかったんだ』と言い出して。私は子どもがいないから離婚はそんなにむずかしくないはずだと思ったんです」

 

彼は妻に、アキミさんは夫に離婚を切り出した。彼の妻は絶対に別れない、あなたに愛人がいてもいい、たまに帰ってきてくれればそれでいいと言い張った。アキミさんの夫は「オレは別れない」とひと言。


「愛情がないまま家庭生活を続けることに意味はない。彼と私はそう思ってる。でも互いの配偶者は、結婚という形が大事だと思っているようです。そんなふうに考え方が違うから、一緒にいても安らげないのに……」


彼との妻と、アキミさんの夫は連絡を取り合ってでもいるのではないかと思うほど、「離婚はしない」で一致していた。


「いっそ4人で会おうかと言ったんです。話し合えばわかってもらえるかもしれないと思って。約束の場所に、私の夫は来ませんでした。彼の奥さんは来たんですが、8歳になる娘を連れてきて……。話し合いにはなりませんでした」


ふたりが恋に落ちて約1年。今も頻繁に会っている。互いの配偶者も、そのことには触れない。


「うちの夫なんて、本当にごく普通に接してくるんです。それがかえってつらい。私の母の誕生日には例年と同じように、両親をレストランに連れていってくれて。そういう形は本当に大事にする人なんです。子どもはいらないと言う以外は、夫に非はない。だからこそ夫をこれ以上、傷つけたくないし巻き込みたくない。そう言っても夫は離婚という選択肢は自分にはないの一点張り」


それぞれが配偶者を傷つけていることを目の当たりにしながら、それでも恋をやめることができない。続けるも地獄、やめるも地獄という心理状態に陥っているとアキミさんはつぶやいた。

情報提供元:citrus
記事名:「偶然、元カレに再会…一気に恋に落ちて離婚を切り出した女性と、それを拒み続ける夫