11月14日、インターネットテレビ局のAbemaTVが平日毎夜に生配信するニュースチャンネル『Abema Prime』(21:00〜23:00)に出演させていただきました。ちなみにテーマは、まさかの「退職エントリ」! 一応、解説を加えておくならば「退職エントリ」とは、退職者が退職後に前職や転職のエピソードをブログやSNSに投稿する行為のことを指す。

 

 

なんで、企業にも所属せず事務所を法人化もしていない、社会的な身分としてはフリーターに近いフリーランスとして日々小銭を稼ぐ私のような者に、そんな依頼が迷い込んでしまったのか……っていうと、もう5年以上も前になる2014年に、このcitrusの前身となる『news dig』に「退職エントリは武士道に反するもっとも恥ずべき行為である!」なる過激なタイトルのコラムを寄稿し、それがたまたまAbema Primeのスタッフさんの目に留まったのがいきさつ……らしい。すみません。内容どころか執筆したことすらすっかり忘れておりましたm(_ _)m

 

おそらく、当時では大半を占めていた(記憶のある)「恨み辛みのみをダラダラと連ねた民度の低い退職エントリ」を読んで、武士道についてさほど明るくもないくせに、勢いだけで書きちぎってしまったのだろう。我ながら、まだカドが取れきっていない先鋭的で独りよがりな文面である。赤面。

 

 

で、今回の出演にあたって、とりあえずはここ数年でネット上に出回った退職エントリの最新バージョンをいくつかをチェックし直してみたのだけれど、5年前のそれらと比べてみると……総じて原稿のクオリティが劇的にレベルアップしているので驚いた。文字数が1万字以上におよぶ“大作”もざらで、前職場の「良かったところ」や、そこで自分が得たもの……などもきちんと認めながら、「悪かったところ」もわりと客観視して控えめに述べ、お世話になった人たちへの感謝の意も忘れない──そういった「読んでいてあまり嫌な気分にならない」玉稿“も”多かった。8割の褒め文句で2割の皮肉をよりマイルド化する、いわゆる「森で木を隠す」的な、なかなかにハイブローな手法である。

 

昨今の退職エントリは、インターネットをチクりの道具、“目安箱代わり”として活用するのではなく、「転職を機に改めて精密な自己分析を行う」といった、ある種のリセット的要素のほうが強いのかもしれない。しかし、その“自分探し”の手記を書くこと自体はポジティブでむしろ推奨したいが、公に晒すことに関しては「いかがなものか?」という私のスタンスに変わりはない。

 

私は「世のあらゆる事象は男女の仲に置き換えれば、大半がその関係性を単純化できる」との持論の持ち主なのだけれど、退職エントリを「男女の仲」に例えるなら、

 

「一度は相思相愛で結ばれた女性を、いざ付き合ってみたらなんか違う…とフッてしまい、さらには、その彼女についてネットにアレコレと書き込む」

 

……のと同じではないか、と思えてならないのだ。ただ、Abema Prime木曜日レギュラーであるフリーアナウンサーの柴田阿弥さん(26)は「(退職エントリが)はたから見たらむっちゃイイ彼氏なのに、じつはDVだった…みたいな事例に向けた警鐘の役割を担っているのでは?」とおっしゃっていた。なるほど、たしかにそれはそれで一理ある。実際「これからその会社に就職しようとしている人には、とても参考になる」といった街の声もあった。こういった発想がデジタルネイティブ世代、ひいてはスマホネイティブ世代の“常識”となりつつあるならば……いくら我々オッサンたちが武士道(笑)を懸命に説いたところで、退職エントリは今後ますますの“進化”を果たし、ポピュラー化していくに違いない。

情報提供元:citrus
記事名:「昨今の「退職エントリ」はクオリティが違う!? Abema Prime出演を機に知った、精密な"自分探し"の手記