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GWに登場した「お父さん預かり」サービスの衝撃と、お父さんたちが家から追い出される理由




■10連休、いくらなんでも長すぎた



 



平成の終焉、そして新しい時代、令和へ。そんな鳴り物入りで世間が突入した前代未聞のゴールデンウィーク10連休ではあったけれど、皆さんいかがお過ごしだっただろうか。



 



「いくらなんでも長い」



「そこまで長くなくていい」



「やることが尽きて飽きた」



「休み疲れた」



 



「えー、もっと休みでもよかったのに」とかなんとか無邪気なことを言うのは、未来があって瞳のキラキラしたコドモだけ。働き方改革の隙をついてでも働き続けるのが是、趣味は仕事、貧乏性が染み付いた顔色の悪い日本のオトナは、不慣れなロングバケーションなんてのをもらうとむしろ若干不安定になるのである。



 



休み慣れしていないので、休みがあると何をどうしていいのかわからない。じゃあ旅行だ、ディズニーだ、BBQだピクニックだ、とわかりやすく人に言えるようなイベント消費に走り、結局渋滞やら混雑やらクタクタに大疲れして、あとはコンコンと寝るだけ。さすがに10日もあると寝るのにも飽きて、「早く会社始まんないかな……」と心の隅でこっそり思っていたオトナは確実にいるはずだ。



 



ちなみに筆者は電車で多摩川を横切るのだが、毎年ゴールデンウィークになると多摩川の河川敷を埋め尽くすBBQのテントを忌々しく電車から見下ろしている。太陽さんさんアウトドア、春の乾燥で砂や埃や花粉が舞う中でテキトーな肉をテキトーに焼いてテキトーなアルコールをジョボジョボ流し込んで、日焼けしてこれ以上シミソバカスを増やして、何が楽しいのか。そんな肉の何が旨いというんだ、どいつもこいつも雨に降られてしまえと呪っていたら、今年のGWは何度か雨がしょぼしょぼ降って河川敷はスッキリ、実にせいせいした。



 



……いや、私の陰キャエピソードなどどうでもいいのだった。違います、ワタシそんな歪んだ人間じゃありません、いい人いい人。閑話休題。今年の10連休はとにかく長すぎた。「日本人は休み下手である。そんな国民のロンバケは大して何も生まない」という知見が今回の収穫だったのではないかと思う。



 



 



■「お父さん預かり」サービスに日本全国が震撼する



 



さて、その連休直前、日本列島を震撼させるニュースが轟いたのをご存知だっただろうか。「GW期間限定の「お父さん預かり」サービスが話題」と題されたウェブニュースが配信されると、SNSでは「切ない」「つらい」「不憫」と、預けられるお父さんへの同情の声が一斉に湧いた。



 



これは大阪難波で実施されたサービス。だが上記記事で詳細を読んでみると、わりと多くの人が「えっ、それならオレも/ワタシも預かって欲しかった」と思うような極楽サービス。さすが大阪人のユーモアセンスである。



 




今回のお父さん預かりは、ロッカーなどがすぐ埋まってしまう一大観光地のなんばで、空いている部屋を使って旅行用の荷物を預かるサービスを進化させたもの。



しかし、人間であるお父さんを預けるのはマズいのではないのか。そう思って調べると、筆者も預かってもらいたい気分になってしまった。



預け先の会議室は200平方メートルの広さ。その中にワークスペース、漫画コーナー、フットマッサージ、バランスボール、ごろごろできるマットなどか置かれる。Wi-Fiも飛ばし、携帯電話充電器も貸し出される。また、飲み物も準備され、200円で飲み放題のドリンクバーに缶ビール販売がある。



さらに別室にはゴルフシミュレーション体験を設け、旅行や観光で訪れながら漫画喫茶並みの癒しが手に入る。




 



案外、ええんちゃう? だが問題はやっぱり、そういう場をわざわざ設けないと休みの日に居場所がない、お父さんという存在の哀しさだ。



 



 



■なんで世のお父さんばかり居場所がないのか、お母さんじゃないのか?



 



あるアラフィフ男性(練馬区在住)は、こう訴える。



 



「この記事やSNSの反響からも感じ取れますが、どうも世間では『邪魔』とお父さんの旗色が悪すぎる。なぜ夫を邪険にするんでしょうか。なんで世のお父さんばかり居場所がないのか。お母さんじゃなくてお父さんなのはなぜか? ほんと納得がいかないですよ。あ、まだ帰らないでくださいよ! 3軒め行きましょ、3軒め! 僕まだ家帰れないんですよ!」



 



家に居場所がないから飲み歩くのか、飲み歩くから家に居場所がないのか、いずれにせよアナタの場合はその辺に原因が……とも考えさせられるが、それとは別に、ある40代の「お母さん」側から見た「お父さん」観もまた、真実を突いている。



 



「もちろん家にいるなとまでは言いませんよ。いてくれるならその方が私も子どもも断然助かるはずなんです、本来は。でもお父さんて、子守りしながら居眠りしたり、お教室に同伴するついでに待合室で居眠りしたり、公園で子供と遊ぶフリして居眠りしたり、してますよね? なんかねー、そんな感じだから、いてもあんまり役に立たないんですよね。世話をする相手が増えるだけ、用事が増えるだけなんです。だから外に出ていてくれるほうが、こっちの精神衛生上いいんですよね。子供を連れ出してくれるならなおよし、ってことで」



 



ううむ、お父さんは家庭に居場所がないわけではないのだった。家庭にとって、というかお母さんにとってお父さんが「役に立たない」「むしろを仕事を増やす」から、追い出されるのである。お母さんが家庭に居場所があるのは、「家庭内で、明確な役割があるから」だ。ということは、お父さんもちゃんと自分のことは自分でするとか、休みの日に何かしてあげられることはないかと自分から探すとか、役に立てばいいのではないだろうか。そういう「家庭内で役割を負う」努力、してる?



 



そもそも「役に立て」という言葉を投げかけられている時点で、相当なお荷物感である。あのさぁ、ゴルフに行ったあとのウェアの洗濯もゴルフバッグの宅配受け取りも、奥さんにしてもらってるでしょ? 帰宅後の食事も奥さんに用意してもらってるんでしょ(軽いのでいいよ、とか本人は気を遣ったつもりで)? 飲みに行ったあとの煙臭い服も下着も、奥さんが洗ってるんでしょ? なんなら軽く吐いたワイシャツも、「悪酔いしちゃってさぁ……やっぱりチャンポンが良くなかったな」とか言いわけしながら、そのまま渡してるでしょ?



 



食事とか洗濯とか掃除とか、40や50にもなってなんでもママンにおんぶに抱っこしてもらうなんてお子ちゃまもいいところ。「お父さん預かり所」へ突っ込まれないよう、世のお父さんたちはまず「自分のことは自分でできるようになれ」と、世の仕事や子育てや家事に忙しいお母さんたちを代弁して私は言おう。ゴルフや飲みに行くのはそれからだ!


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