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平成元年と令和元年のF1、比べてみるとこんなにも違う…


平成元年の日本GP


令和の時代が始まったのをきっかけに、平成元年(1989年)と令和元年(2019年)のF1を比較してみよう。





F1は昭和63年(1988年)限りでターボエンジンが禁止になり、自然吸気エンジンに一本化された。ターボエンジンの最大排気量は1.5Lだったが、自然吸気エンジンの場合は3.5Lである。気筒数の規定はなく、自由だった。例えば、昭和63年にマクラーレンとのコンビで16戦15勝を挙げ、シーズンを支配したホンダは、高回転化と小型軽量化のバランスを重視し、V型10気筒を選択した。



 



平成元年のホンダV10エンジン




この時代、エンジンはまさに百花繚乱で、フェラーリとランボルギーニはV12を選択(Vバンク角はそれぞれ異なる)。ホンダと同様にルノーもV10を選択(72度のバンク角を選択したホンダに対し、ルノーは67度)した。フォード(コスワース)、ジャッド、ヤマハはV8を選択している。この年、フェラーリはステアリング裏にある2枚のパドルで変速操作を行うセミオートマチック・トランスミッションを初めて採用した。





セミATは現代のスタンダードだが、平成元年当時はまだ、フロアに生えたシフトレバーを操作して変速を行うのが標準だった。標準といえば、現代のF1はパワーステアリングが標準だが、この頃のF1には搭載されていない。



 



平成元年のイギリスGP。マクラーレン・ホンダのアラン・プロストが優勝




RA109Eと名づけられたホンダの3.5L・V10自然吸気エンジンを搭載したマクラーレンMP4/5には、前年と同様、アイルトン・セナとアラン・プロストが乗り込んだ。前年ほどの圧倒的な強さは影を潜めたが、それでもマクラーレン・ホンダが強いことに変わりはなかった。セナは第5戦アメリカGPでポールポジションを獲得し、前年から続く連続ポールポジション獲得数を「8」に伸ばした。と同時に、通算ポールポジション獲得数を「34」とし、ジム・クラークの記録を抜いて当時の歴代単独トップに立った。





ウイリアムズに移籍したセナは平成6年(1994年)、開幕から3戦連続でポールポジションを獲得し、記録を「65」に伸ばしてサンマリノGPに臨んだ。しかし5月1日に行われた決勝レースでコンクリートウォールに激突し、帰らぬ人となった。平成18年(2006年)にはミハエル・シューマッハがセナの持つポールポジション記録を抜き、歴代トップに立つ(通算68回)。そのシューマッハの記録は、平成29年(2017年)にルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)によって更新された。ハミルトンは平成31年(2019年)の開幕戦で84回目のポールポジションを獲得している。



 





■この30年で鈴鹿のラップタイムは10秒も短縮



 



令和元年のレッドブル・ホンダ




平成元年のF1といえば、第15戦日本GPのセナプロ決戦をご記憶の方も多いだろう。ふたりは確執を抱えたまま、鈴鹿サーキットを訪れていた。ポールポジションを獲得したのはセナ、2番手にプロストがつけた。スタートではプロストがセナをかわして先行。そのままレース(53周)は終盤に至り、47週目のシケインで事件は起きる。インに飛び込んだセナとプロストが接触し、両車もつれるようにしてストップ。プロストはそのままマシンを降りたが、セナはマーシャルの助けを借りて続行。レース後にシケイン不通過とされセナに失格の裁定が下り、プロストが3度目のタイトル獲得を決めた。マクラーレン・ホンダはこの年16戦10勝(セナ6勝、プロスト4勝)を挙げ、2年連続のコンストラクターズ・タイトルを獲得した。





手元にある平成元年日本GPの公式プログラムを広げて確認してみると(バナナで釘を打つオイルの広告が載っていて懐かしさがこみ上げる……)、エントリーリストには20チーム39名のマシンとドライバーが並んでいる。このうち決勝に進めるのは30台。直近の成績上位13チーム26台は予選進出が確定。残り4つの予選出走枠をかけて、予備予選が行われていた。鈴木亜久里(ザクスピード・ヤマハ)も予備予選組のひとりだった(予選進出ならず)。現在のラインアップは10チーム20台だ。予備予選はない(というか、必要ない)。





平成元年の日本GPでセナが記録したポールポジションのラップタイムは、1分38秒041だった。平成30年(2018年)の日本GPでポールポジションを獲得したのはハミルトンで、1分27秒760である。ざっと10秒速くなっている(コース改修により、全長は約52m短くなってはいる)。ホンダRA109Eの最高出力は650馬力だった。F1は平成26年(2014年)から1.6L・V6ターボエンジンを搭載する決まり。このエンジンに160馬力のモーターの出力が加わる。



 



2018年のホンダのパワーユニット。令和元年のパワーユニットはざっと1000馬力を発生




平成30年の断面では、エンジン単体で800馬力以上を発生している模様。これに160馬力のモーター出力が加わるわけだ。令和元年のF1のパワーユニットは、ざっと1000馬力級のパワーを発生している。この30年間の空力性能の進化も著しく、ラップタイム向上分のうち大きな割合を占めるのは間違いない。





平成元年のF1は全16戦が行われ、5月第1週の時点で第3戦までが終了していた。開幕戦はブラジル(リオデジャネイロ)、第2戦はサンマリノ(イタリア・イモラ)、第3戦はモナコで、現在とは開催地も開催順も異なる。平成31年・令和元年のF1は全21戦が予定されており、5月第1週までに4戦が終了。開幕戦はオーストラリア(メルボルン)、第2戦はバーレーン、第3戦は中国(上海)で第4戦はアゼルバイジャンだった。いずれも、平成元年のカレンダーには含まれておらず、様変わりが激しい。



 



2019年4月に開催されたアゼルバイジャンGP




平成元年と平成31年・令和元年のカレンダーで共通している開催地は、モナコ(令和元年は5月第4週に開催)、メキシコ(平成27年に23年ぶりに復帰。コースは大幅に改修)、カナダ(モントリオール)、フランス(ポール・リカール。同地での開催は平成30年に28ぶりに復帰。やはり大幅に改修)、イギリス(シルバーストン)、ドイツ(ホッケンハイム。コースレイアウトは異なる)、ハンガリー(ブダペスト)、ベルギー(スパ・フランコルシャン)、イタリア(モンツァ)、日本(鈴鹿)である。

 


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