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山手線の終電が30分も繰り上がるのは、全部「品川駅」のせい!?




JR東日本が3月16日に実施するダイヤ改正で、山手線内回り品川駅までの最終電車が今より27分も繰り上がることが、一部で話題になっている。以前から山手線の駅には変更を伝える張り紙が出ていたので、見た人がいるかもしれない。



 



30分近くも終電が繰り上がるというのはたしかに大きい。これも働き方改革の影響なのかと思った人がいるかもしれない。しかし内容をよく読むと、今まで品川行きだった最終電車がひとつ手前の大崎行きに変わるというのが実態で、終電が大きく繰り上がるのは品川駅だけ。大崎より手前の駅についてはほとんど変わらない。



 



実はこの終電繰り上げ、JRと京浜急行の品川駅で今後、大規模な工事が行われることと関係があるようだ。



まずJRのほうは、通勤通学時間帯の混雑緩和のために北側の通路の幅を広げ、バリアフリー対応でエレベーターを増設するとともに、線路やホームの配置を変え、山手線外回り(渋谷・新宿方面)と京浜東北線(大宮方面)を同じホームで対面乗り換えできるようにするための工事を行う。



 



一方の京浜急行は、現在は高架になっている品川駅をJRと同じ地上に移すという大工事を実施する。駅の場所も少し南側の、山手線ホームに隣接した場所に移るとともに、これまで3番線までしかなかったホームを4番線に増やすことで混雑緩和に図る見込みだ。



 



特に京浜急行の計画では線路が1本増える分、用地の幅も横に広げなければならない。実はこの用地として、現在JR品川駅山手線ホームの脇にある留置線を活用するようだ。留置線というのは、その駅で折り返す列車を一時的に停めておく線路のこと。これがあるので従来は品川行きが存在できたのだが、なくなるとそれができなくなる。そこで大きな車両基地がある隣の大崎駅止まりとしたようだ。



 



 



■列車の目的地は「車両の置き場」で変わる!?



 



車両の置き場がなくなることで列車の行き先が変わることはよくある。同じ品川駅の北、田町駅との間にあった車両基地もそうだ。以前は東海道線の車両基地だったが、今は再開発の真っ最中で、命名の際に議論が巻き起こった山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」が作られることになった。



 



しかし再開発のためには、車両基地に置いてある車両を他に移動しなければいけない。この車両基地は東京駅止まりの東海道線車両が所属していた。そこでJRが考えたのは、上野から発着する高崎線や宇都宮線と東海道線を直通運転することだった。これが「上野東京ライン」で、上野〜東京間の山手線や京浜東北線の混雑を緩和する目的もあったが、東京止まりの列車をなくすことで、神奈川県の東海道線国府津駅や栃木県の宇都宮線小山駅近くにある車両基地に車両を移すことができた。つまり上野東京ラインと高輪ゲートウェイ駅誕生の裏には車両基地の統廃合があったわけで、駅の改良のあおりを受けて留置線が消滅する品川駅のパターンとはやや理由が異なるが、車両置き場の変更によって行き先が変わる点は同じだ。



 



バスでも同じことがある。少し前のコラムで取り上げた、筆者の自宅や事務所の近くを走る京王バスでは、2月のダイヤ改正で、JR中野駅から京王電鉄井の頭線永福町駅へ向かう系統の、21時以降に中野駅を発車するバスが、途中の交差点で永福町駅とは逆方向に曲がっていくという、珍事と呼びたくなる運行が始まった。行き先も永福寺駅ではなく、峰という漢字一文字。たぶん地元の人でなければ場所が分からないからだろう、オフィシャルサイトの時刻表にはカッコ付きで(方南町駅東)と説明が添えてある。



 



京王バスはこの近辺では、永福町と中野に車庫を持っている。今回のダイヤ改正では中野駅と永福町駅を結ぶ系統の受け持ちが永福町から中野に変わったので、運行後は中野車庫に戻すことになった。よって本来右折するはずの交差点を逆に左折して別のバス停に向かう運行に変わったようだ。

 



車庫のある近くにある駅やバス停は始発が多いというのはよく知られている話だ。しかしその車庫も、さまざまな事情で離合集散を繰り返す。すでに引っ越しシーズンは終わりに近づいてはいるけれど、これから引っ越しを考えていて、毎日鉄道やバスで通勤する人は、車庫事情にも精通していたほうがいいかもしれない。


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