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「富士そば」のBGMが演歌のままでいい理由と、それでも女性客が来る理由


出典:「名代 富士そば」公式サイトより


ブログを「日記」ではなく「意思表明・本音を語れる場」として捉える意識高い系な方々たちのための提言型ニュースサイトであるそうな『BLOGOS』が、『富士そばと対女性マーケティング』なるタイトルのコラムを配信していた。とある不動産投資コンサルタントの男性が書いたもので、まあ論点をざっくりまとめてみると、



 



・  富士そばは演歌をBGMとしている時点で女性客を意識していない



 



・  女性を狙いたければジャズを流すべき



 



・  どんなビジネスでも「女性客対策」をしっかりすべき



 



……みたいな感じである。



 



近年、富士そばや吉野家で若い女性の一人客を見かけることが多い。その要因は同コラム内で筆者も指摘しているが、「若い世代の価値観の変質に加え、店舗の内外装や清潔感、デザイン性などがともに大きく向上したから」にほかならず、私もここには一切の異論もない。まごうことなきの「正解」だろう。ところが、同筆者はコレだけじゃあまだまだ、富士そばに関しては不満であるらしく、



 




しかし、事業者側は強い意志をもって、女性客を呼び込む努力を真剣にしているかは疑問です。



それは、店で流れるBGMから分かります。



富士そばでは未だに演歌だけが流れます。それも確か、社長が作詞したど演歌だったと・・・。



それでも女性客が増えている。味とコストパフォーマンスが良いからでしょう。



(中略)私は、毎回店に行く度に、「この店にスタバや上島珈琲のようにジャズを流したらもっと女性客が増えるのではないだろうか?」と素人ながら単純に思うのです。




 



……と、口調(文調?)こそ丁寧ではあるものの、なかなかに過激な提言をなされている(「提言型ニュースサイト」なだけに?)。



 



う〜ん……どうなんでしょうね。けっこう、とんちんかんなこと言ってません? このコンサルさん。



 



まず、「女性客狙い=なんでもかんでもジャズ」ってロジックが私には理解できない。スタバや上島珈琲のような「カフェ」、すなわち欧米スタイルをコンセプトの一環としている店舗ならまだわかる。ジャズをBGMにするのも一つの選択だろう。だが、「(富士)そば」は日本古来の食べ物、つまりコンセプトは「ジャパニーズスタイル」なのだ。ならば、米国生まれのジャズより、ど演歌のほうが全然マッチするではないか。「富士そばは、ど演歌が流れているから入りづらい」なんて女性客が、そんな多数潜在しているとも思えない。そこを「女性客対策」とするのは、ちょっと違うんじゃないか?



 



あと、経営系のコンサルのヒトたちは、やたら「現状を変えること→攻めの姿勢」を推進されるが、私は「変わらないこと」も、それはそれで立派な「攻めの姿勢」だと考える。味とコスパの良さを変えない、「ウチは耳にちっとも残らない無難なBGMは流さん!」と頑なに“ど演歌一本”を貫きとおす……その「ブレない」という“攻撃性”があるからこそ、我々は「今日は“いつも”の蕎麦を食いに行こうかな…」と、富士そばに引き寄せられるのではなかろうか?



 



ちなみに、同筆者は



 




今後更に人口が減って行くと、(富士そばは)BGMにハービー・ハンコックを流し、屋号も「Fuji蕎麦」になり、女性客を取り込んでいくと思います。




 



……ともおっしゃっている。まあ、百歩譲ってそういう実験店をいくつか展開してみるのはアリかもしれない。けれど、ハービー・ハンコックは絶対にやめたほうがいい。だって、ハービーのジャズって、じつのところかなりゴリゴリのアグレッシブ系なんで、『ヘッドハンターズ』のカメレオンとかがBGMに流れちゃった日にゃあ、逆に女性客が逃げちゃいますよー(笑)。 


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