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情状酌量の余地なし…! 部下に有給を取らせない上司の呆れたブラック魂




さて。問題です。



 



Q.以下の 駅で 売上の高い順に並び替えてください。



 




  1.    新宿

  2.    原宿

  3.    渋谷

  4.    恵比寿

  5.    品川

  6.    浜松町

  7.    新橋

  8.    有楽町

  9.    東京

  10.   神田

  11.   上野

  12.   西日暮里

  13.   鶯谷

  14.   池袋

  15.   新宿



 



う〜ん、上位5位は「新宿」「東京」「渋谷」「品川」「池袋」……ってところか? いやいや、ちょっと待て!「上野」もけっこう侮れないぞ。若者に人気のスポット「恵比寿」や「原宿」は何位くらいなんだろ? 高齢化社会を考えれば案外10位以下だったりするのか……? とりあえず最下位は、日本一のソープランド街を有するとはいえ「鶯谷」で決まりでしょ! ん? なんで「新宿」が二つ入ってるの!? 巧妙な引っ掛け? それとも単なる打ち間違え?「問題」の文章も日本語的には微妙におかしいし……。



 



……なんて、脳天気に頭を悩ませている場合ではない。この“クイズ”、高感度なアンテナを持つのcitrus読者諸兄ならすでにご存じであろう。サントリーグループの子会社『ジャパンビバレッジ』の支店長が2016年に「全問正解で有休チャンス」なる但し書き付きで従業員に送ったとされる、れっきとした“ビジネスメール”なのだ。



 



『ねとらぼ』によると、この「有休チャンスクイズ」メールの画像は、ブラック企業ユニオン(総合サポートユニオン)のTwitterアカウントが8月17日にツイートしたもので、驚くことに「有休は取れないのが当たり前という空気のなか、それでも有休を取りたいから、みんな真剣に答えていた」……らしい。そして、その後日にまた送られてきた「Re:有休チャンス 回答です」というメールでは、「残念ながら全員はずれでした。よかった。よかった」と従業員たちの鬱屈した心情を逆なでする、火に油を注ぐようなメッセージが添えられていたという。



 



当然のことながらネット上では



 




「有休チャンスとかいうパワーワード」



「従業員はおもちゃじゃない」



「労働基準監督署に訴えたら一発でアウト」




 



……ほか多数、批判の声が殺到。ジャパンビバレッジサイドは



 




「当該支店長へのヒアリングを含めた調査を実施したところ、当人がおおむね事実と認めたため、厳重注意を行うととともに、今後、会社規定にのっとり適切に処分いたします」




 



……と『ねとらぼ』の取材に回答している。



 



いくら偏ったテーマでも「完璧な白黒」をジャッジしづらい、賛否両論の「非」の意見が必ず数%は生じてくる昨今のネット社会において、コイツはさすがにどう頑張っても“被告側”を擁護する“反論”を捻り出すことができない、「100%アンタ(ら)が悪い!」と断じるしかない、ある意味“稀”な案件だと言えよう。つまり、ネット住民たちにとっては、際限なくけちょんけちょんに叩ける“ガス抜き”には最適な案件でもあり、こういうケースでは私も“炎上”などを気にせず、安心して筆(パソコン)を進めることができるわけだが、なんで「部下に有休を取らせないこと」に対し、微塵とも「申し訳ない…」という気持ちを抱かずにいられるのか、そこが不思議でたまらない。しかも「全員不正解でよかったよかった」などと“茶化し”までかませる、その強靱すぎるメンタルには、もはや「呆れ」を通り越して感動すら覚えてしまう。



 



いまだ数あるブラック企業には、ブラック企業なりの「ブラックにならざるを得ない」のっぴきならない理由があるのだろうけど、「ウチはウチ!」と開き直れないご時世ゆえ、その劣悪な労働条件を恥じ、徹底的な情報管理のもとでひた隠すくらいの“小心さ”は持ち合わせていたいものである。


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