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2018年は「ビール新時代」の幕開け!? 個性的なビールの新製品が相次ぐワケ


出典:「グルメビア ジャパンプレミアムブリュー」公式サイトより


サッポロホールディングスのグループ企業であるジャパンプレミアムブリュー株式会社から「Innovative Brewer グルメビア」という一味違うビールが発売されました。パッケージには「調味料で味を調えたごちそうビール」「SALT・BLACK PEPPER」と書かれ、塩や黒胡椒を使って、香りではなく味を調整したものになっています。しかし、これを「ビール」と明記して販売できるようになったのは、2018年4月からということはご存知でしょうか?



 



 



■キッカケは法律の改正



 



昨年、酒税法が改正されて、今年の4月から順次施行されています。その最初の動きのひとつとして「ビールの副原料」の範囲が拡大されました。これまでは、ビールの副原料として認められていたのは、麦、米、とうもろこし(コウリャン)、ジャガイモ(ばれいしょ)、でん粉などに限定されていました。ビールの主原料と言えば、麦芽とホップですが、例えば、アサヒスーパードライ(表記はビール)にはその他に「米、コーン、スターチ(とうもろこし由来のでんぷん)」が使われています。逆の例で言うと、ベルギービールには、ハチミツやフルーツの入ったビールが数多くありますが、これまで日本で販売される時には「発泡酒」と表記されていました。今回の酒税法改正で、副原料の範囲が拡大したことによって、日本における(法律上の)「ビール」の定義が広がったと言えます。



 



具体的に拡大された副原料をいくつかピックアップしてみると、「果実」「胡椒・山椒などの香辛料」「バジル・レモングラスなどのハーブ」「食塩、味噌」「牡蠣、昆布、わかめ、鰹節」などがあります。



 



これらをいくらでも使用してよい訳ではなく、ビールの必須原料である麦芽の重量の5%を超えない範囲であれば、酒税法上「ビール」として認められることになります。これによって日本独自の基準から世界の基準に近くなり、さらに多様性は拡大していくでしょう。



 



 



■なぜ今、各社が新定義のビールに注力するのか



 



今後の改正では、ビール系飲料3種の税率を、20年、23年、26年の3段階に分けて、徐々にビールの税率を下げる一方、発泡酒と新ジャンルの税率を上げることで、最終的に同一の税率とすることが予定されています。このため現段階では発泡酒などに比べて税率は高くなってしまいますが、ビール大手各社はこれから先を見越したうえで多様な副原料を使用した新定義の「ビール」を次々とリリースして、クラフトビールブームに続く、新たな市場をつくり出そうとしているのです。



 



財務省による「酒税法等の改正」の書類には、今回のビールの定義の改正について「地域の特産品を使用した発泡酒をビールに位置付けることでビール市場の活性化を図っていく」という記述があります。地域名産のフルーツやハーブ、海産物を使ったビールを「発泡酒」だと敬遠していた人たちにも「ビール」であれば買ってもらえるのでは、という思惑があるようです。



 



現在、クラフトビールブームの中、表示は「発泡酒」ながら各地の名産品を使った高品質で支持を集めているビールがたくさんあります。そのふたつのブームの有り様を見ていると、何よりも美味しいことが大切であって、それを知る人は「ビール」や「発泡酒」というカテゴリーにはこだわらないのではないかと思います。果たして税法上の種別で消費者の認識が変わるのか、またそれは市場の活性化につながるのかは、個人的には微妙なところだと思いますが、多くの美味しいビールが生まれること、そして多くの人の喜びになることを願ってやみません。


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