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ブラック企業よりも根深い“ブラック社員”問題…社畜化しないための5つのルール




「働き方改革」が叫ばれる昨今、世間から“ブラック企業”と認知されてしまうことは、企業営者にとって命取りになりかねません。ただ、約20年間、人事や営業のコンサルタントとして、様々な企業の採用や社員教育に携わらせていただいた私から見て、日本社会には“ブラック企業”以上に深刻な問題があるように思います。それが“ブラック社員”問題です。



 



まず、日本は大手企業を中心に、高学歴の人材を雇用しているにも関わらず、その生産性は極めて低いことが知られています。事実、公益財団法人・日本生産性本部の調査結果によると、日本の労働生産性は、主要7ヶ国(G7)の中で最下位です。実は、調査を開始した1970年代から最下位を抜け出せたことが一度もないそうです。



 



また、世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米国ギャラップ社が、世界各国の企業を対象にした「従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査2016」によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかいないそうです。世界平均の13%、米国の32%と比べて圧倒的に低く、調査した139ヵ国中132位と、こちらも最下位クラスでした。



 



これらのデータからも、日本社会における“ブラック企業”を生み出している本当の原因は、経営者側だけでなく従業員側にもあるというのが私の見解です。



 



では、業績向上への貢献度が低い割に無駄な残業を行い、時間生産性の向上を阻害する“ブラック社員”にならないようにするためにはどのようにすれば良いのでしょうか。そのために従業員側で守るべきルールを5つご紹介したいと思います。



 



 



■何のために働くのか自覚する 



 



日本の企業人の大半が仕事に熱意を持てていないとすれば、それは「何のために働くか」という目的意識を大半の方が見つけられていないことを意味します。「生活のために」「世間体のために」といったこと以外に働く目的を見出せていない状態は、「何のために生きるのか」が見つけられていない状態とほぼ同じです。なぜなら、私たちの人生において、好む好まざるに関係なく、労働時間はそれくらい多くの時間を占めるからです。



 



働くことに対する目的意識は、特別に高尚なものである必要はありません。自分の中に必ず眠っている“青い炎(静かな情熱)”に、自分で気づいてあげられるかどうかがポイントです。まずは、常識や世間体に捉われず、自分の理想の人生を自由に具体的にイメージし、言語化するところから始めましょう。あなたは本来、その実現のために働いているのですから。



 



 



■退社時間を決める



 



自分の退社時間を自分で決めておくことが重要です。そして、その退社時間は自分がワクワクする時間に設定しましょう。時短で働くワーキングママのような社員ほど、時間生産性が高いことは明白です。彼女たちは、保育園のお迎えに間に合うための時間を退社時間として最初に設定し、そこから逆算して効率良く仕事をしています。その結果、他の従業員より高い時間生産性を生み出しているのです。あなたが心のどこかで「仕事が終わらなければ、自分が残業すればいいや」と思っているとすれば、その心こそがあなたを“ブラック社員”化させているのです。



 



 



■仕事を捨てる



 



一見、あなたの周りには「やったほうがいい仕事」や「やらなければならない仕事」が溢れています。が、「やったほうがいい仕事」の大半が「やらなくても大して影響の無い仕事」とも言えます。あなたが上司の立場であれば、そのような仕事を部下に投げてはいけませんし、部下の立場であるならば、上司に対してその仕事の目的を問い、納得してから着手すべきです。



 



また、「やらなければならない仕事」は「あなたでなければならない仕事」でしょうか。アシスタントに任せることはできないのでしょうか。お客様側でやっていただくようにはできない仕事なのでしょうか。自分の仕事を楽にしようと考えることを後ろめたく思う人もいるでしょう。ですが、与えられた役割の中で付加価値を提供している前提であれば、後ろめたく感じる必要はありません。あなたは仕事のプロだからこそ、あなたが価値提供できることに集中しなければならないのです。むしろ自分の仕事を楽にすることを最優先で考えることが、時間生産性向上のためのイノベーションを起こすきっかけになるのです。 



 



 



■人を捨てる



 



会社には、頼りになる信頼すべき上司も存在する一方、あなたのことを悪い方向に(しかも悪気無く)引きずり込む人もいます。あなたの夢や目標を否定する“ドリームキラー”や飲み会で仕事の愚痴や上司の悪口ばかり言う“ネガティブリーマン”などがその代表例です。控えめで謙虚な人ほど、このような人間関係に巻き込まれがちです。自分自身に謙虚であることは良いことですが、過度な謙遜は禁物です。



 



“謙虚”と“謙遜”は明確に異なります。“謙虚”は「自分の能力・地位などに驕ることなく、素直な態度で人に接すること」であり、“謙遜”は「自分の能力・価値などを低く評価すること」です。あなたが自分の能力や価値を信じなければ、あなたの周りにはそれ相応の人しか存在しなくなります。その負のスパイラルから抜け出すために、勇気をもって、そういった人との時間を断ち切りましょう。



 



 



■「重要だけど緊急ではないタスク」を優先する



 



これは、世界的ベストセラー『7つの習慣®』の時間管理メソッドとして紹介されている考え方です。「重要だけど緊急ではないタスク」とは、例えばプライベートであれば、ジムに行って体を鍛えたり、歯の定期メンテナンスを行うなどの「予防のタスク」、ビジネスであれば、お会いする相手のことを事前に調べたり、専門書を読んで勉強するような「準備のタスク」です。心技体を磨き、鍛えるこのような時間を確保できていれば、あなたが“ブラック社員”になることなどありえないでしょう。



 



自分の「時間」を会社に捧げることは、自分の「命」を会社に差し出しているのと同じです。自分の時間を提供することで何とか結果を出そうとする(もしくは、そもそも結果を出そうともしない)“ブラック社員”がいなくなり、労働者が自分の人生を歩み始めれば、労働者から支持されない“ブラック企業”は必ず淘汰されます。これこそが本当に目指すべき働き方改革なのではないでしょうか。



 



 



【関連図書】



仕事ができる人の最高の時間術』(明日香出版社)



 





 


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