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大阪北部地震で改めて考える…「路面電車」が地震に強い理由




6月18日朝8時頃発生した、大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1の大地震は、死者5人、負傷者300人以上を出した。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたい。



 



今回の地震では再び、大都市の災害に対する弱さが浮き彫りとなった。モビリティにおいても例外ではなく、多くの人が帰宅の足を失い、テレビのニュースでは淀川に架かる長い橋を徒歩で渡る人の列が放映された。



 



でもこれは、ある程度は仕方ないとも思っている。関西圏や首都圏の都市鉄道は朝のラッシュ時には10両以上の列車が数分間隔で走る。1両のディーゼルカーが1時間に1本しか走らないローカル線と比べれば、止まった際に影響を受ける人の数が段違いになることは、多くの人が理解できるはずだ。



 



また今回は、月曜日の午前8時ぐらいという時間帯も影響した。多くの人が通勤途中だったり、すでに勤務先に到着していたりして、自宅にいなかった。2011年3月11日の東日本大震災も、地震が起きたのは14時46分だったので、やはり多くの人は勤め先におり、大通りの歩道は徒歩で家路に向かう人の列であふれ、バスやタクシーを待つ長蛇の列ができた。



 



もしこれが夜だったら、多くの人は自宅におり、明朝まで時間の余裕があるので会社は休業などの措置をとれたはずである。阪神淡路大震災は明け方だったので、ほとんどの人が自宅で寝ており、建物の倒壊や火災で多くの命が失われたものの、帰宅困難者はさほど問題にならなかったと記憶している。今後は大阪の会社も東京のように、臨時宿泊のための用意をするところが出てくるかもしれない。ただし前にも書いたように、多くの人が集まる大都市が災害に弱いのはある程度は仕方がないと思っている。



 



 



■軌道が強固で速度が遅い路面電車が有利



 



では地震に強いモビリティはなんだろうか。筆者は今回の大阪府北部地震と7年前の東日本大震災で、ともに路面電車の阪堺電車と東京都電がいち早く動き始めたことに注目している。他の鉄道が都市内を通過する際に用いる高架橋やトンネルは、地震が起きた後の点検に時間が掛かる。しかし路面電車はその名のとおり道路上を走っているから、被害が見つけやすく直しやすい。しかも自動車よりはるかに重い電車の走行を前提として軌道は固められているから、被害にも遭いにくい。ライトレールやLRTではなく、あえて路面電車と書いたのは、道路上を走っていることを強調したかったためもある。海外のライトレールは都心では地下を走っていたりもするので。



 



もうひとつ、路面電車はスピードが遅いことも有利だ。日本の路面電車は大正時代に公布された軌道法で最高速度が40km/hに制限されている。これについては時代錯誤だという意見も多々あるけれど、40km/hに抑えられているからこそ復旧が早まるという可能性はある。



 



もちろんバスやタクシーは路面電車より前に動き出しているが、1台で輸送できる人数に限りがあるうえに、道路が渋滞すると前に進めない。今回の大阪府北部地震でも各所で渋滞が発生したようだ。東日本大震災では筆者の妻が、普段は地下鉄で30分の距離をクルマで6時間以上要し、途中で動き始めた地下鉄に乗って帰ってきたというエピソードがある。



 



もうひとつ地震に強いモビリティとしては自転車がある。もちろん路面状況に注意しながらの走行が基本ではあるが、東日本大震災では一部の人がその場で自転車を購入。それ以降自転車通勤に切り替えたという人もいるようだ。



 



今回はソフトバンクグループの自転車シェアリング「ハローサイクリング」が、阪神地区で無料で自転車を貸し出して話題になった。収益的にはマイナスだが宣伝効果はあったはず。今後の大都市での地震の際に参考になる取り組みと言える。


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