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健康の鍵は「口の中」にあり!健康寿命を延ばす「オーラルフレイル」とは?


「人生100年時代」と言われる現代。
とくに日本では医療の進歩により平均寿命が長く、男性は世界2位、女性は世界1位の長生き大国として知られている。

しかし、せっかく長生きするなら「健康」でありたいもの。
事実、平均寿命と健康寿命の差は課題となっており、平均して男性が9年、女性が12年寝たきり状態になってしまうと言われている。

このような平均寿命と健康寿命のギャップを減らすべく、5月30日に開催されたのが、日本ヘルスケア協会 生き活きライフ部会によるオンラインラウンドテーブル。
「全身の健康は口から!健康寿命を延ばす口腔ケアとは」と題して、要介護の一歩手前の「フレイル」といわれる状態を予防することの重要性について、健康と口腔ケアの観点から講義が行われた。

80歳以上の3人に1人が「フレイル状態」の現在
「フレイル」とは、加齢とともに心身の機能が衰え、健康な状態から要支援・要介護へ移行する中間の段階のこと。
超高齢化社会の重要課題のひとつで、運動や栄養、社会参加などによって生活機能の維持・向上が可能だと言われている。

日本ヘルスケア協会が65歳以上の高齢者を対象とした調査によると、フレイル有症率は65歳〜69歳で5.6%であるのに対し、80歳以上では34.9%にまで上昇。
その数は年々増加しており、予備軍まで含めると2025年には約44%(1620万人)もの高齢者がフレイル状態になることが予測されているという。

知っておきたい!フレイル進行における3つのステージ
フレイルの進行は大きく分けて3ステップ。
一般的に、以下のように進行していくのだと生き活きライフ部会の又平氏は語る。
<フレイル進行における3つのステージ>
第1の扉 オーラルフレイル:食事ができない
第2の扉 身体フレイル:膝が痛く靴下が履けない
第3の扉 認知フレイル:物忘れがひどくなる

その後待ち受けているのは、車椅子や介護ベッドなどで心身の自由が効かなくなる要介護状態。
こうならないためにも、初期段階の「オーラルフレイル」で気付き、早めの予防対策を行うことが重要だ。

健康寿命を伸ばす鍵は「オーラルフレイル」の予防にあり!
では、第1の扉である「オーラルフレイル」とは具体的にどのような症状が見られるのだろうか?
ドライマウス研究会 代表の斎藤一郎医師によると、主な症状はこちら。口腔周りでこのような変化がある場合は、オーラルフレイルかもしれない。
<オーラルフレイルが疑われる主な症状>
・滑舌が悪くなり、発音がはっきりしない
・食事中に食べこぼしをしてしまう
・ささいなことでむせる
・噛めない食べ物が増える

「人は、口から老いる」という言葉もあるように、実は口腔機能の衰えは老化のサイン。
オーラルフレイルの症状が悪化すると、歯周病や低栄養、感染症や誤嚥性肺炎、さらには認知症のリスクまで高まることが明らかとなっている。

つまり、口腔機能の低下は全身の健康損失に繋がっているのだ。

オーラルフレイルと密接な関わりをもつ「唾液」の分泌
口腔の健康を保つために意識してほしいと斎藤先生が言うのが、「唾液」。
唾液には抗菌作用、粘膜保護作用、消化作用、成長因子増加など全身の機能を維持するために欠かせないさまざまな役割がある。

しかし、加齢に伴って唾液の分泌量は低下。米国歯科医師会誌によると、65歳以上になると3人に1人(人口の17〜29%)が唾液分泌障害=ドライマウスの症状を抱えているのが現状だ。
また、日本でも「口腔内が常時乾燥していると感じる人」は、年代が上がるほど増加傾向にあると斎藤先生は言う。

その理由の一つとして、加齢とともに酸化ストレス(活性酸素の量に対して抗酸化力が少ない状態)が蓄積することが分かっており、酸化ストレスが高いと唾液分泌量が少ないことが報告されている。

また、唾液腺は交感神経と副交感神経に支配されているため、ストレスが高いと交感神経が優位になり、唾液分泌が抑制されてしまうことが分かっている。
そんな唾液の分泌を増やす方法として斎藤先生がおすすめするのが、カラオケなど歌を歌うこと。
意外な方法だが、歌うと唾液分泌量が増加するのだそう。

また、同時に嚥下能力が亢進し、咬合力も増加、免疫力まで強化されることが分かっているという。
ここには好き嫌いや上手く歌えたかは関係なく、単純に歌うことを楽しむことでストレスが減少し、ポジティブな感情の促進にも繋がるとのこと。

また、斎藤先生の研究で唾液分泌量を改善することが示された「還元型コエンザイムQ10」も効果的だそう。唾液の分泌に必要な、細胞のエネルギー産生と抗酸化を助けるはたらきをもっているが、加齢やストレスによって減少してしまうという。
サプリメントで簡単に摂取することが可能であるため試してみてはいかがだろうか。

みなさんもぜひ、元気で楽しく長生きするための参考にしてみてほしい。

【参考】
※日本ヘルスケア協会 生き活きライフ部会
https://jahi.jp/
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