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女性の8割以上が「夏に電気料金の上昇」を実感。料金を左右する「燃料費調整制度」「再エネ賦課金」とは



生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研は、このたび、「家庭の電気料金」をテーマにレポート。20~40代の女性を対象に、「家庭の電気料金」に関する意識・実態に迫った。

家庭の電気代、約6割が「ここ数年で上がっていると感じる」と回答
調査対象のうち「家庭における毎月の電気代をおおよそ把握している」人(342名)に、夏の電気料金について聞いたところ、84%が「夏は、他の季節に比べて、電気料金が高くなりやすいと思う」と回答した。
さらに、ここ数年の家庭の電気料金について「上がっていると感じる」と答えた人は、57%と約6割。また、「電気料金が家計の負担になっていると感じることはありますか?」の質問では、41%が「負担に感じることがある」、49%が「現在よりも料金があがると負担に感じる」と回答した。

重要なのに認知度が低い「燃料費調整制度」「再エネ賦課金」「第5次エネルギー基本計画」
電気料金には「燃料費調整制度」というものがあり、燃料価格が上昇すると、電気料金も自動的に上昇する。また、電力会社は再生可能エネルギーで発電された電気を、一定期間発電事業者から買い取ることが義務づけられているが、その費用は「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」として、企業や家庭といった電気の使用者が負担している。
今回の調査対象のうち、「燃料費調整制度」を知っていた人は、わずか全体の4人に1人(25%)。「再エネ賦課金」が徴収されている事実を知っていた人も、全体の5人に1人(20%)にとどまった。
また、2018年7月には生活者の電気料金にも大きくかかわる、新しい「エネルギー基本計画(第5次エネルギー基本計画)」が閣議決定されたが、この事実を知っていた人はさらに少なく、わずか7%となった。

日本のエネルギー問題解決には「エネルギーミックス」が重要
日本のエネルギー分野に詳しい、東京工業大学「先進エネルギー国際研究センター」センター長・特命教授の柏木孝夫氏によると、「燃料費調整制度」や「再エネ賦課金」は、今後この額はますます増加していく見込みだという。
「第5次エネルギー基本計画」は、2015年に定めた「エネルギーミックス(電源構成)」を前提として、その実現に向けた課題を整理した内容になっている。この「エネルギーミックス」は、再生可能エネルギー、火力、原子力など、特定の電源に過度に依存することなく、さまざまな発電方法をミックスした比率。これにより、燃料価格が上昇しても別のエネルギーにシフトしたり、逆に下落すればそちらを買っておくなどの調整がしやすくなる。「再エネ賦課金」の問題についても、コストの安いエネルギーと組み合わせることが、負担をおさえるうえで重要な要素になると言える。

そして、「第5次エネルギー基本計画」において注目されているのが、「脱炭素」という考え方だ。地球温暖化の原因となるCO2などの排出を防ぐために、石油や石炭などの化石燃料から脱却する「脱炭素」化の流れが世界的に進んでいる中、「第5次エネルギー基本計画」では「再生可能エネルギー」と「原子力」の位置付けを明確にしており、原子力は将来にわたる重要なベースロード電源として、2030年時点での電源構成比率を20~22%としている。また、2050年に向けての対応の中でも、「実用段階にある脱炭素化の選択肢」と位置づけられている。

最も重要なのは、私たち一般の生活者が「電気が安定的に供給されるのは、決して当たり前のことではない」という認識を持つこと。その上で国民ひとりひとりがエネルギー問題のために何ができるか、他人事ではなく自分事としてしっかりと考えていきたい。

【参考】
※トレンド総研
http://www.trendsoken.com/

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