ツナ缶を使って沖縄家庭料理「ソーメンチャンプルー」を作ろう!

手に入りやすく、常備しやすいツナ缶。今回も、管理栄養士で沖縄料理研究家の筆者が、簡単にできるツナ缶を使った沖縄料理を提案します。

海に囲まれた沖縄は台風が発生しやすく「台風の通り道」とも言われている

ツナ缶を使ったその他のレシピは「ツナ缶を使った沖縄料理『にんじんしりしり』免疫力や美肌にも!」でも紹介しています。

沖縄ではツナ缶を常備している家庭が多く、その理由は沖縄が太平洋の海水温度の高さにより台風が発生しやすく「台風の通り道」とも言われているからです。昔から、台風の時期にはツナ缶やそうめんなど長期保管できる食材をストックし、台風に備えてきました。そんな常備食材のツナ缶を使った沖縄の家庭料理「ソーメンチャンプルー」をご紹介します。

「ソーメンチャンプルー」と「ソーミンタシヤ—」

沖縄の方言でそうめんのことを「ソーミン」と呼びます。「チャンプルー」は「混ぜ合わせる」、「タシヤー」は「油でさっと炒める」を意味します。昔は「ソーミンタシヤ―」と呼ばれていましたが、現在は沖縄料理屋さんなどでも「ソーメンチャンプルー」として親しまれている沖縄家庭料理のひとつです。

沖縄では台風や急な来客用にとツナ缶に加え、そうめんも買い置きする習慣がありました。昔のソーメンチャンプルーはシンプルに青ネギとそうめんのみ。豚の油で炒め、塩とカツオだしで味を整えた簡単料理です。現在はもやしやニラを入れるのが定番ですが、今回は沖縄の島野菜ゴーヤーとツナ入りレシピをご紹介します。

紫外線にも負けない! 沖縄家庭料理「ゴーヤーとツナのソーメンチャンプルー」

ツナとゴーヤーのソーメンチャンプルー

今回は、ツナ缶とゴーヤーを使った「ソーメンチャンプルー」のレシピをご紹介します。

そうめん、ツナ、ゴーヤーと材料はシンプル

材料(作りやすい分量、2人分)

そうめん(乾麺) 2束(100g) / ゴーヤー1/2本 / ツナ缶1缶(70g) / 油 大さじ1 / 和風顆粒だし小さじ1 / わけぎ(青ネギ)2本(輪切り) / 塩少々

＊顆粒和風だしは、塩少々・かつお節1袋でも代用可。

作り方

1.  ゴーヤーは縦半分に切って、中のタネやワタを取り除き、半月の形に薄くスライスすし、塩少々かけ全体的に混ぜる。

2. 鍋にたっぷりの水を沸かし、そうめんを入れて茹でる。湯量はそうめん2束(100g)で約1リットルが目安。沸騰している熱湯で1分間、かために茹でるのがポイント。茹でた後は一気に水道水で冷やし、ざるなどに移して水気を切り、油(材料の油大さじ1)を回しかけ混ぜておく。

3．フライパンにツナ缶の油を入れて熱し、油が温まったら1のゴーヤーを加えて炒め、ツナを加えて炒め合わせる。

4.3のフライパンに2のそうめんを入れて、強火で手早く炒める。和風顆粒だしで味を調えて皿に盛り付け、小口切りにしたわけぎをトッピングして出来上がり。

おいしく作るためのポイント

そうめんを茹でる時間は、標準よりも半分の時間で茹でてかためにしましょう。ざるなどに移した後は流水で軽く揉み洗いして、しっかりと水気を切って油をまぶすのが美味しく仕上がるポイントです。

ゴーヤーポイント

ゴーヤーの苦味が苦手な人には、ゴーヤーを薄くスライスし、塩を少々かけると苦味が和らぎます。また、かつお節はゴーヤーの苦味を低減する作用があり、最後のトッピングに加えるのもオススメです。

意外とあっさりとしているソーメンチャンプルー

ゴーヤーとツナのソーメンチャンプルー　栄養価(1人分)

「ゴーヤーとツナのソーメンチャンプルー」1人当たりの栄養価＊文部科学省「日本食品標準成分表2015年版（七訂）」準拠　参照

エネルギー365Kcal / たんぱく質12.2g / 脂質16.5g / 炭水化物39.9ｇ / ビタミンC19㎎ / 食物繊維2.2g / 食塩相当量1.4g

沖縄の代表的な島野菜であるゴーヤーはビタミンCが豊富です。ビタミンCの主な働きは、老化予防・コラーゲンの生成・鉄の吸収を助ける、など。水に溶けやすい性質(水溶性ビタミン)なので多く摂取しても、尿として排泄してしまいます。これから紫外線が強くなる時期に積極的に摂取したいビタミンです。

アレンジレシピ

糖質オフ! チャンプルー

糖質が気になる人は、そうめんの量を少なくし、野菜や生モズクをたっぷり入れてみてはどうでしょうか。その名も「嬉しい糖質OFFソーメンチャンプルー」

作り方もシンプルです。そうめんを半量にして、もやし1袋、生モズク50gを加えましょう。ヘルシーですが量もあるので、おなかも満たされます。

ピリ辛キムチ入りチャンプルー

梅雨の不調時や5月病の予防に、食欲をアップさせる「キムチ」を入れてみませんか。材料はそうめん1~2束と、長ネギを1/2本、キムチ30g。味付けのコチジャンはお好みで加えてくださいね。

食欲がないときでも食べられそう

余談ですが「ソーメンプットゥルー」も沖縄ではよく食べられる料理のひとつ。「プットゥルー」とは方言で「歯ごたえがない柔らかな状態」意味し、炒めた「タシヤ―」よりも、より水分が多く柔らかい"炒め煮"を指します。お年寄りや小さな子どもに喜ばれる一品です。

ワンプレートごはんにもぴったり

そうめんとツナ缶さえあれば、おいしく簡単にできる沖縄家庭料理の「ソーメンチャンプルー」。作り方は同じでも、少し具や味付けを変えるだけで色々なアレンジが楽しめます。ぜひお試しください。