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最近、テレビなどでよく耳にする「スマート家電」という言葉。でも実際のところ、「何のことかよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。ITや家電を中心にテクノロジー業界を長年取材してきた筆者も、実はその定義や全貌がまだまだ曖昧だと感じています。

スマート家電の"スマート"とは、いまや一般の人々の間でもすっかり市民権を得たスマートフォンの由来となったであろう「スリムでカッコいい」ではなく、「頭がいい、賢い」という意味合いから用いられていると思います。

スマート家電とは

仕組み的な観点から簡単に言うと、それまで単体で機能していた家電製品同士がインターネットにつながって連携することで実現する、「より"スマート(=賢く便利)"な暮らしということになるでしょう。そういう意味では、スマート家電とは、Wi-Fi(無線LAN)などによって「インターネットにつながることができる家電」というのが現時点での必須の条件であり、定義の1つと言うことができます。

2000年代初頭にもあった"ネット家電"

実は、2000年代初頭にもインターネットに接続できる"ネット家電"が注目を集めました。しかし、当時はまだネット回線自体の速度が不十分で、無線LANが今ほど普及しておらず、あまり実用的ではない機能が多かったことから次第に下火になってしまいました。

ところが、それから20年ほど経った現在、インターネット回線の高速化や常時接続化、無線LANやスマートフォンの普及など、再び"スマート家電"としてリバイバルの兆しを見せているのです。

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スマートフォンの普及もスマート家電を後押し

とはいえ、スマート家電、そしてその先にあるスマート社会の全体的な構想の実現に向けた現在の段階は、水道で言うと、水道管が行き渡ってきたレベル。あとは各家庭に給水・配水するための設備を各家庭に普及させて、水のような"便利な何か"を模索している段階です。

現状、家電製品において"スマート化"が進んでいるのは、エアコン、空気清浄機、ロボット掃除機、照明器具あたり。今年は各社からWi-Fi対応の洗濯機が発売され、家電業界では話題となっています。

現状、スマート家電は「リモコン代わり」レベル

しかし、消費者にとって重要なのはスマート化で「何ができるか」「どんなメリットがあるのか」というのが本筋だと思います。そういう視点で言うと、現状はまだまだ"リモコン代わり"といった機能が多いのが筆者の評価です。例えば、外出先から「エアコンの電源を切ったかな」と心配になった時に、スマホアプリでエアコンの状態を確認して操作ができたり、留守中にロボット掃除機を稼働させたり、照明のオン・オフをしたり、スマホアプリで検索したレシピから直接メニュー設定を電子レンジや電気鍋に送信したり、使ってみるとどれも大変便利な機能ではあります。

しかし、あれば便利だけど、なくてもそれほど困るわけではない機能であるというのも正直なところ。多くの人にとって生活に必要なアイテムや機能となるほどの革新性をもたらすほどではまだまだありません。

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パナソニック・エコソリューションズ社の"スマートホーム"構想。家電だけでなく、ドア・窓、宅配ボックスなどの住宅設備、電気自動車などがすべて連携。その中心となる同社の中継・連携機器「AiSEG2」は、現時点で20社33機器が対応

現在、電機メーカーが「今後は家電製品がインターネットにつながるのは当たり前の世界になる」と考えているのは確か。電気やガス、水道、テレビ放送の電波と同じように、インターネットというインフラが整い、受容装置の普及が進み、利用者が増えることで、人々が本当に欲している、必要なサービスや新たなソリューションがそう遠くはない未来に登場してくるのではないかと期待しています。

情報提供元:トクバイニュース
記事名:「スマート家電って? 何ができてどう便利になるのか、最新事情を解説