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エンタテインメントのノウハウで世の中を変えていく セガ エックスディーのゲーミフィケーション


セガ エックスディーにおけるゲーミフィケーション

――本日は宜しくお願いします。

――株式会社セガ エックスディー様のミッションとして『「衝動」で課題を解決し、人々を幸せに』と掲げております。どのような思いからこのミッションを立ち上げたのでしょうか?

伊藤様(以下、伊藤と表記)経済が成熟し、情報化社会によって情報の取捨選択が難しくなる中で、人々のサービスに求める価値が機能的価値と同等、それ以上に情緒的な価値を求めるのが年々強まっている印象です。

伊藤その中で私としては、あらゆる事象で『合理的に解決できるはずだけど、解決できてないものが多い』と感じています。

伊藤例えば、健康診断でD判定が出て再診を受けたところ、『生活改善のために運動をしてください』と医者から言われたとしましょう。医者から提案された『運動をする』ことは自身の健康を考えた上では合理的で正論です。

伊藤ただ実際は、運動をしない人も少なからずいるのではと思います。(健康のために運動することが)合理的で正しいとわかっているにもかかわらず、です。

伊藤例に限らず、世の中には正論だけで解決できない問題が山積しています。その解決手段として人の心を突き動かすような、エンタテインメントがもつ『やりたくなる仕組み』が大きなカギであり、モノやサービスにもっと取り入れるべきだと考えています。

伊藤エンタテインメントが持つ人を魅了する仕掛けは、他のサービスに類を見ないほど特別で、歴史もあります。ただの娯楽ではなく、課題解決の手段としてのステージに来ています。私たちは、エンタテインメントが持つ人を突き動かす力を『衝動』と定義し、企業や自治体の課題に対してソリューションを提供しています。

――ありがとうございます。エンタテインメントで、人をある種の方向性に誘発していくことを研究されていらっしゃるのですね。

伊藤これまで先人たちがエンタテインメント市場の中で人の行動を変えうるものを沢山作っています。時には負の側面が強く出てしまい、ゲーム中毒や依存症などという形で社会問題になることも否定できません。

伊藤私たちが日々企業や自治体の皆さまと取り組む際は、そういった負の側面ではなく、ゲーム性やデザインを調整することで人々の生活が良い方向に向かう活用の仕方を模索しています。

「楽しく遊べるゲーム体験型防災訓練」における「2つの軸」

――神奈川県総合防災センターと連携して実施した『楽しく遊べるゲーム体験型防災訓練』がありますが、どのようなアプローチで取り組まれたのでしょうか?

伊藤まずは防災訓練のパーセプションを変える必要があります。例えば、『ゲームセンターはつまらないもの』という認識を持つ人は少ないですよね。一方で防災訓練に対しては『つまらない、でも大事なことなので仕方なくやらされる。』と心の中で思う人は少なからずいるのではないでしょうか。

伊藤『防災訓練がつまらない・やらされるもの』という認識を持たれ続けてしまうと、『やらないといけないのはわかってるけど、(楽しさを見出せないから)やらない』と、進んでやろうとしないという選択に繋がります。この認識のまま呼びかけても『防災訓練をやりましょう』という気持ちは生まれません。

伊藤防災訓練に限らず、人が行動を決めるにあたって『重要か・非重要なのか』という横軸と、『やりたいか・やりたくないか』という縦軸があり、『やりたくて重要』というのは必ず進んでやりますが、『重要だけどやりたくない』は大半の人はやりません。

伊藤その『重要性はわかっているのにやらないもの・やりたくないもの』に対して、モチベーションアップを促す部分は、ゲーミフィケーションの得意領域だと考えています。

――防災訓練に対してイメージを変える、というアプローチですが、実際にどのように行ったのでしょうか? 

伊藤避難訓練を周知するポスターは、SFパニック映画のようなビジュアルにしました。ポスターを通じて、防災訓練なのに、SF映画みたいな体験が出来るのなら楽しそう!という期待感をもってもらうことが狙いです。そうすることによって次の防災訓練に参加するか、しないかの検討の段階に入れてもらえるようになります。

伊藤これによって防災訓練なのに、まるで映画のようでエンタテインメントのような第一印象になり、防災訓練に行くか行かないかの検討に入るようにしました。

伊藤2つ目は、『作り上げる』体験づくりを意識して、避難訓練では参加者の皆さんが互いに協力して避難施設を作ってもらいました。サンドボックスゲーム(決まった目的や攻略手順がなく、プレイヤーが遊べる自由度が高いゲーム)に近いようなゲーム性です。

伊藤ただ座学を受ける、起震車で地震体験をすると受け身になり、やらされている感が強まってしまいます。段ボールベッドやテント、トイレなどを参加者同士で協力しあって避難所を完成するプロセスを体験してもらい、避難施設を作る達成感が得られるのもポイントです。

伊藤当日は100名が参加しました。楽しむ過程の中に有事の際になすべきことが体験できるため、活きた学びとして記憶されます。もし有事の際には避難施設作りの準備は大方わかりますし、避難して集まった人たちと連帯することもスムーズにできます。

――2つの軸でのアプローチによって、多くの方に重要な体験をしていただけたのですね。

――このような軸を生み出すにあたって、普段どういうことを意識していらっしゃるのでしょうか?

伊藤『言語化』と、色んな事を体験することも同等に大事ですね。自分の心の動きは正直ですし、わかりやすい。ポスターの着想は、映画のポスターを見てワクワクする自分がいたからですし、協力要素をいれたのは、文化祭の準備で皆で何か1つのものを作る過程が楽しかったという記憶や原体験があるからです。

伊藤自分の心の喜怒哀楽が何によってもたらされたか、心が大きく動いたのはどんな体験だったか、こうした自身の体験や感情の動きをきちんと言語化し、企画のストックとしておくことでアナロジー思考が養えます。あの時のワクワクした体験から掛け合わせられるものがあるのではないか、と企画するときは常に意識しています。

伊藤世の中に点在する画期的で面白いアイデアを、『天才の発想で生まれたもの』と片付けてしまうと再現性がなくなってしまいます。ですので、言語化・構造化は私たちのビジネスでは非常に大事にしています。」

――過去のワクワクした経験を分析し、物の見方を少し変えるだけでゲーミフィケーションにもなる。
――新しい発想を生むには、特殊な経験よりも如何に言語化し構造を理解できるかどうかが大切なのですね。


伊藤『面白い』を天才的に作れる人よりも、『面白い』を科学できる人の方が活躍できるフィールドだと思います。実際にセガ エックスディーにジョインするメンバーは非ゲーム・エンタテインメントの領域で活躍していたメンバーも多いです。

ベネッセ様との協業の「ゲーミフィケーション×英語学習アプリ」における取り組み

――『英語教育』にゲーミフィケーションを掛け合わせるというベネッセ様との取り組みにおいて、どのようなターゲットと目的を設定しているのでしょうか?

伊藤「英語教育において、英語の勉強を継続させるツールとしてアプリなどは既にいくつか存在しています。もしくは塾に行くなどもそうです。」

伊藤「しかし英語の勉強をする気がない・英語を勉強しなければならないが取り掛かることができない人もいます。」

伊藤Risdomは英語を学ぶモチベーションが上がらない人にとっての、学習の入口になるサービスです。極論、『英語を勉強するのは楽しい』と感じてもらえた時点で卒業してもらっていいと考えています。

伊藤当初はパズルゲームにしようという話もありましたが、プロジェクトの初期段階で、中学3年生から高校1年生の学生さんを中心にアンケートを実施したところ、リズムゲームがやりたいという意見が多く集まりました。英語の勉強法として洋楽を聞くのは昔からあります。音楽と英語の相性が良いイメージも掴め、採用しました。


伊藤学習カリキュラムはベネッセさんが監修しており、語学検定の上位レベルの合格や入試に通用するレベルなので、学生はもちろん、社会人の方でもスキマ時間気軽にできるような本格派です。」

――現時点で開発中とのことですが、テストプレイなどの反響はいかがでしょうか。

伊藤現在約7,000人の学生さんがLINEグループに参加していて、テストプレイをする中で様々なアドバイスをいただきながら、サービスのブラッシュアップを行っています。

伊藤テストプレイをした学生さんに、学習意欲向上のアンケートをとったところ、『学習意欲が上がった』という回答が96%程と、ポジティブな効果も出ています。

伊藤2024年春の利用開始を予定していますが、保護者の方の反応も良く、既に多くの事前予約をいただき、非常に好調な滑り出しです。

――とてもポジティブな結果になっていますね。

伊藤角川ドワンゴ学園にも協力いただき産学連携の取り組みになっています。8月にはゲームで実装されるコンテンツの原案を募るコンテストを行い、結果として3人が受賞しました。現在、(アプリ実装に向けて)鋭意制作中です。

伊藤学生さんの熱量の高さとアイデアに刺激を受け、開発チームも楽しみながらサービス開発に注力しています。

――非常に良い試みだと思います。未来の優秀なゲームクリエイターがそこに眠っているかもしれませんね。

ゲーミフィケーションの面白さや可能性

――2つの事例についてお伺いし、伊藤様ご自身が非常に様々な方向でゲーミフィケーションの導入に取り組んでいらっしゃるという印象を受けました。

――その中で感じたゲーミフィケーションの可能性や面白さについて教えていただけますでしょうか。


伊藤『これはダメ・あれはダメ』と自身の行動を制限されてしまうと、どこか息苦しいですよね。ギスギスしたり、閉塞感によって思考がネガティブになってしまいます。

伊藤自分が30年、40年後、仕事をリタイアした時にそんなギスギスした社会で生きるのかと考えると、ちょっと嫌だなと(苦笑)むしろ老後も、ワクワクしていたいです。」

伊藤そんな自分の未来のこと考えると、私は世の中の諸問題をゲームやエンタテインメントの持つ力で『やりたくなる・やりたい 』と物事の受け止め方をポジティブにさせたい。そうすることで、『これをやっていい・あれもしていい』とクリエイティブなアイデアが集まり、その結果、様々な人が生きやすい社会になるのではないかと考えています。

伊藤世の中をもっと面白くするというエンタテインメントがこれまで果たしてきた役割を、私は社会課題の解決まで広げていきたいです。

――世の中をギスギスよりもワクワクできるのがゲーミフィケーションの可能性なのですね。

――ゲーミフィケーション業界は一般的にまだまだ馴染みのない業界ですが、この業界で働く魅力や向いている人について教えてください。

伊藤まず、私のようにゲーム業界の方で『エンタテインメントを社会のために役立てたい』という志のある方はマインドセット・スキルセットもそのまま応用できます。

伊藤「次に非エンタメ業界でもコンサル会社やSI会社などで企業課題・社会課題の解決をビジネスとして取り組まれている方です。言語化・構造化などのソフトスキルや、プロジェクト推進の経験が強みになります。実際に同様の企業からの転職し、活躍する社員もいます。」

伊藤『ゲーミフィケーション』を専門性とした体験デザインができる人材は希少ですので、様々な企業様と取り組み、経験を重ねることで自身の市場価値を高められます。

伊藤お客様から評価をいただくことや、サービスを利用するユーザーの声が届くことをやりがいに感じる社員が多くいます。また、ゲームを遊ばない人にもサービスを通じて日々の暮らしを便利にしたり喜んでもらえるなどインパクトがあることも、この業界で働く魅力や面白さだと思います。」

――プロジェクトを進めていく上での大事にしていることはありますでしょうか。

伊藤企画力も大事ですが、面白さを言語化できることが求められます。ご相談いただく方は非ゲーム業界の方がメインですので、ゲーム業界同士なら伝わることや、暗黙知が伝わりません。

伊藤私も打合せをする際は、当社の提案する企画の面白さを共感してもらえるように具体的に説明し、丁寧に合意形成をはかるように心がけています。

伊藤またゲーム業界以上に再現性がある提案ができる方が求められています。ですので、奇抜なことを考えていく思考の人よりも、面白さを構造化して考えられる人が活躍できる領域だと思います。

――最後に、セガ エックスディー様での働き方について教えていただけますでしょうか。

伊藤部内のメンバーは市場に果敢に挑むチャレンジャーが多く、ベンチャー企業のような雰囲気がありますが、福利厚生などは親会社とほぼ同水準です。

伊藤労働時間の管理もグループ全体で行っており、必要に応じて業務量や時間の調整をしています。

伊藤社風や働く社員については当社が運用しているnoteやWantedlyで紹介していますので、ご覧ください。より詳しくということでしたら、カジュアル面談も行っていますで、お気軽にご連絡ください。」

伊藤チャレンジングな取り組みを出来る環境を準備しておりますので、ご自身のクリエイティブなアイデアを武器にキャリアを歩みたい挑戦者をお待ちしています。共にエンタテインメントを社会実装して、世界を良くする衝動を生み出しましょう!」

――本日はお時間いただきありがとうございました。

株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員 COO 伊藤 真人

ゲーミフィケーションデザイナー/株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員 COO
株式会社セガにゲームプランナーとして入社し複数タイトルのモバイルゲームディレクターを担当。 新規事業部門にてアドプラットフォーム事業を立ち上げ総ユーザー数1億超を達成。
その後メディア/ポイントプラットフォーム/コミュニティサービス等の幅広いデジタルサービスの立ち上げを担う。

2016年8月に株式会社セガ エックスディーを設立し「エンタテインメントの社会実装」を掲げ様々な企業・団体との共創を通じた価値創造を推進。

資格:HCD-Net認定 人間中心設計専門家/認定スクラムマスター(CSM)

株式会社セガ エックスディー 採用ページ

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