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【帰ってきたアイドル親衛隊】出待ちのファンに「今日もありがとう」と言っていた田原俊彦。さすがトップアイドルと感心させられた瞬間


 アイドルの登竜門といえば、ドラマは欠かせないジャンルである。1979年にスタートした『3年B組金八先生』(TBS系)は、たのきんトリオ(田原俊彦・野村義男・近藤真彦)を筆頭に、多くのアイドルを輩出した。以降『3年B組金八先生』はシリーズ化され、2011年まで32年に渡り放送された。

 そんな金八シリーズの最初にブレークを果たしたのが田原俊彦である。中学3年生という設定のドラマなのだが、その中に18歳の田原がいて、最初は違和感を覚える感じだったが、ドラマには欠かせない中心人物であり、番組終了すると同時に歌手デビューを果たすことになった。80年6月21日に『哀愁でいと』でデビューをすることになった。同期には松田聖子・河合奈保子・柏原よしえなどのライバルがいた。同期ということで、松田聖子と共演することも多かったが、2人が並ぶだけで双方のファンから罵声が飛んだり、大きな嫉妬を受けることも珍しくなかった。

 この当時の私はというと『ザ・ベストテン』(TBS系)の出待ちを頻繁にしていたのだが、この出待ちでは一度も田原と遭遇することはなかった。『ザ・ベストテン』の出演者のほとんどは出入り口が同じところだったのだが、田原はそこから出ることは一度もなく、おそらく『ザ・ベストテン』の出待ちではファンと遭遇することは無かったのではないかと思う。

 田原と会う機会がないまま数年の月日が経ってしまった。そんな田原と会える機会が、83年2月にやって来た。『たのきん全力投球』(TBS系)の公開収録を観に行けることになったのだ。この日の出演者はレギュラーのたのきんトリオはもちろんのこと、ゲストには西城秀樹・石川秀美・大沢逸美などが出演していた。自分の主目的は石川秀美だったが、初めて生で観るたのきんトリオも楽しみだった。番組ではゲストを交えてコントやクイズが行われていたのだが、歌のコーナーで田原は『ピエロ』を歌った。私は「おー本物のトシちゃんだよ」と心の中で呟いていた。30分の番組の収録だったが、2時間近く収録に時間がかかり、その間は撮影が自由だったので、ひたすらシャッターを切りまくっていた。今では考えられないことである。

 番組が終了すると、会場だった日本青年館の駐車場前には、大勢の女性ファンが出待ちをしていた。その後方から覗き込むようにして私も出待ちをすることにした。次々と車に乗った出演者が出てきて、田原も同じように車に乗って出てきた。ここで驚いたのが座っていたところの窓を開けて、田原はファンに「今日もありがとう」と言っているのだ。さすがトップアイドルと感心させられた瞬間である。

 以降も人気を保っていた田原は、88年に『教師びんびん物語』(フジテレビ系)に主演。ドラマとともに主題歌の『抱きしめてTONIGHT』も大ヒットとなり、田原の人気は不動となりつつあった。しかし94年に長女出産記者会見で「僕はビッグ」発言があり、これをキッカケに芸能界での活動が激減したと言われている。それから数年間はテレビで田原を見ることがほとんど無くなってしまった。個人的な見解で申し訳ないが、会見の中で「ビッグ」という言葉は使っていたが、話しの流れの中で出た田原ならではのジョークのようにも感じた。

 その田原とは2013年に再会することができた。ある映画のPRイベントに田原が出演していたのである。その時の囲み取材に私も参加して、当時の長女出産記者会見のことが脳裏を過ぎったが、この会見でもしっかり説明をしてジョークも飛ばして楽しい田原を見せてくれた。今でも田原のオーラはすごく、私の良く知っているスターそのものの存在感を出してるので、これからもスーパースター・田原俊彦として突き進んで欲しい。今でも私の中ではトップスターですから。

(ブレーメン大島=毎週土曜日に掲載)

【ブレーメン大島】小学生の頃からアイドル現場に通い、高校時代は『夕やけニャンニャン』に素人ながらレギュラーで出演。同番組の「夕ニャン大相撲」では元レスリング部のテクニックを駆使して、暴れまわった。高校卒業後は芸人、プロレスのリングアナウンサー、放送作家として活動。現在は「プロのアイドルヲタク」としてアイドルをメインに取材するほか、かつて広島カープの応援団にも所属していたほどの熱狂的ファンとしての顔や、自称日本で唯一の盆踊りヲタとしての顔を持つことから、全国を飛び回る生活を送っている。最近、気になるアイドルはNMB48の三田麻央。

【記事提供:リアルライブ】
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