アニメ映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション（デデデデ）」前章・後章一挙上映イベントが19日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。この日は、3月22日公開の前章に加え、24日公開の後章が日本最速で上映された。大葉圭太役の入野自由、小比類巻健一役の内山昂輝、田井沼マコト役の白石涼子は、小山門出役を演じた幾田りら（23）と、門出の親友“おんたん”こと中川凰蘭を演じた、あのを絶賛した。
「デデデデ」は、14年から「週刊ビッグコミックスピリッツ」（小学館）で連載を開始し、22年に全12集で完結を迎えた、浅野いにお氏の漫画の初アニメ化作品。東京上空に突如、巨大な宇宙船“母艦”が襲来し、絶望的に思えた異常事態も次第に日常へと溶け込んでゆく世界で、日々の青春を謳歌（おうか）する少女たちの物語。担任教師の渡良瀬に思いを寄せる女子高生、小山門出を幾田、門出と小学校以来の親友で、戦争ゲームオタクで寝不足の女子高生“おんたん”こと中川凰蘭を、あのが演じた。
入野は、あのとのアフレコについて聞かれ「結構、長い時間、収録したので、同じ時間も多かった。あのちゃんとは一緒に撮った。告白のシーンは1回、テストをやって本番の時にディレクションが入った」と振り返った。白石が「みんなに見られて恥ずかしそうだったのが、やった時の吐息感…めっちゃ、かわいくて」と、あのの声の演技を絶賛すれば、入野も「スタジオの体温自体が上がった」とたたえた。
黒川智之アニメーションディレクターは、あのが“おんたん”と大葉のキスシーンをアドリブで演じる際、苦悩していたところに入野がアドバイスを送っていたと振り返った。「大葉が“おんたん”にキスする2回目。顔を赤らめて、ぐーっとなっているアドリブのお芝居を、あのちゃんが探りきれないでいた。その時に、入野さんがアドバイスした。一緒に撮ることの意味…コロナ禍で難しかったが、徐々に解除されていて、チームで作っているな、というのを感じた」と振り返った。入野は「（アフレコをスタッフ、共演者らから）見られていたんですね。後ろから見られているって、慣れないから困っちゃうじゃないですか？ あのちゃんは、素のしゃべりがピッタリだから『やっちゃえ、やっちゃえ、何も考えないで良いよ』とアドバイスした」と振り返った。
黒川氏は、幾田とあのについて「何も言うことがなくて、おふたりの中のものを表現すれば良かった」と評した。その上で「テストを聞いた時から、何回もやっちゃダメだ、本番に行く時の、ご本人の気持ちが薄まり、違うものになっていく。おふたりが本番で正解を出すぞ、という気概がすごかった」と、ふたりが発する、そのものを重視したと強調した。
入野が「内山さんは『幾田さんの声はいいな』と言っていた」と言えば、内山は「エディットしてない、素音（幾田の声）が、めっちゃきれい。表現力もすごいし、声優も頑張らないといけないなと思った」と幾田の声から刺激を受けたと認めた。白石は「あの量（のセリフ）いつ撮るんだろうと思ったら、いつのまにか終わっていた。すごいナチュラルで、すごいすてきでした」と絶賛した。
◆「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章 東京でハイテンション女子高生ライフを送る小山門出（幾田りら）と“おんたん”こと中川凰蘭（あの）が暮らす街の上空には、3年前の8月31日に突如、宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な母艦が浮かんでいた。非日常が日常に溶け込んでしまったある夜、仲良しクラスメートに悲劇が起こる。衝撃と哀しみに打ちのめされる中、凰蘭は不思議な少年に出会い「君は誰？」と問いかけられる。その途端、凰蘭の脳裏に、すっかり忘れていた門出との過去が一瞬にしてよみがえる。
◆「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」後章 入試に合格して、出元亜衣（島袋美由利）や平間凛（大木咲絵子）と同じ大学に通うことになった門出と凰蘭は、大学では竹本ふたば（和氣あず未）田井沼マコト（白石涼子）と意気投合、会長の尾城先輩がいるオカルト研究部に入部してキャンパスライフが始まった。一方、宇宙からの侵略者は東京のそこかしこで目撃され、自衛隊は無慈悲な駆除活動を粛々と実行。上空には、傾いて煙が立ち上る母艦、政府転覆を狙い侵略者狩りを続ける過激派グループ・青共闘の暗躍…世界の終わりに向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、またもあの不思議な少年・大葉圭太（入野自由）に遭遇する。
