北村匠海（26）が、アニメ映画「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」（8月9日公開）にゲスト声優として出演することが19日、分かった。子どもの頃から家族で見に行くほど大好きな作品の上、自らをイメージしたキャラを作ったとつづられた、佐々木忍監督の直筆の手紙に「感動しました」と出演を快諾。また、お笑いコンビ「オズワルド」が声優に初挑戦。ただ、伊藤俊介（34）が畠中悠（36）との、せりふの量の差に「ギャラ同じだったらブチギレますよ」とボヤくなど、公開前から嵐の予感が漂い始めた。
北村にとって「クレヨンしんちゃん」は「映画が公開されると家族で観に行っていて、自分の家族像と（しんのすけの）野原家が近いのですごく安心感があり、子どもの時から大好きな作品でした」と語る、家族の定番映画だった。過去作では、03年の「－嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード」がお気に入りだという。
劇中で演じるビリーは、野原家の愛犬シロがカスカベの河原で出会った小さな恐竜ナナの秘密をめぐり、しんのすけらカスカベ防衛隊と行動をともにする、恐竜が大好きな生物学の研究者だ。佐々木監督が、柔らかく爽やかで優しい北村の雰囲気を参考に、同い年くらいの心優しい青年をイメージして作り上げ、直筆の手紙でオファーした。
北村は「お話をいただいた際に監督さんからお手紙をいただいて『ビリーという人物は北村匠海という人間を想いながら作ってくれたキャラクターだ』と直筆で書いてあって、すごく感動しました」とオファー当時の心境を明かした。アフレコを振り返り「『今、しんちゃんと会話してる！』というワクワクもありながら、自分なりにできることを試行錯誤して頑張ったので、達成感もありすごく楽しく演じさせていただきました」と、憧れだったしんちゃんと“会話”できた喜びを、改めてかみしめた。
一方、声優初挑戦のオズワルドは、伊藤がカスカベ防衛隊と臨時隊員・酢乙女あいちゃんが訪れるテーマパーク「ディノズアイランド」の運営＆システム管理者のアンモナー伊藤、畠中がスタッフのチュウを、それぞれ演じる。伊藤は「年1回の映画のゲストで出させてもらうポジションを、わざわざ我々にオファーしてくださったのはすごくうれしいですね。初めて『もしかしたら売れてんのかな？』って思った瞬間です」と出演を喜んだ。
畠中は「何で僕らなんだろう？ と思ったんですけど、監督にお話を聞いたらお笑いが好きだということで」と、佐々木監督がお笑い好きだったことがオファーにつながったと明かした。そして「そういうご縁があって仕事をさせてもらっているんだなと思ったら、普段の漫才とかも、しっかりサボらずにやらないとなって思いましたね」と、本業の漫才あっての芸能活動だと気を引き締めた。
「クレヨンしんちゃん」について、伊藤は「『クレヨンしんちゃん』って、子ども向けのアニメだと思って見ている方が多いかと思うんですけど、実は大人が見ても楽しめる作品。毎年、大ヒットしていて、これだけずっと人気なので、もちろん本作も面白かった」と評した。畠中も「親子で見に行くことを想定して作られてると思うんですけど、絶対子どもが分からないようなシーンとかありますよね。僕らでもギリギリ分かるか分からないかぐらいのドラマのオマージュが入ったりして」と分析。「今、小学生ぐらいのお子さんがいるお父さんお母さんが一緒に見に行っても楽しめるところがすごいところだなと思いますね」と評した。
ただ、伊藤はアフレコ中に、ディノズアイランドの運営、システム管理者を演じた自分と、スタッフを演じた畠中では役どころの立場の違いから「ずっと『僕はこのアンモナーの役をやるんだな』って思いながら見ていて、途中で『畠中は誰をやるんだ？』と。あとで正解を聞きましたが、ものすごくセリフの量に差があって…」と首を傾げた。そして「これ、ギャラ同じだったらブチギレますよ。本当に」と笑いながらツッコんだ。
◆「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」 夏休みが始まろうとしていたある日、現代に恐竜をよみがえらせた一大テーマパーク「ディノズアイランド」が東京にオープンという世界中が驚くビッグニュースが飛び込んできた。「すごいゾ！ オラも行きた～い！！」という、しんのすけ（声・小林由美子）の念願がかないカスカベ防衛隊はディノズアイランドに特別招待された。世間で恐竜の大ブームが巻きおこっていたころ、しんのすけの愛犬シロ（声・真柴摩利）がカスカベの河原で小さな恐竜ナナと出会う。ナナには大きな秘密があった。
