ピョンチャン五輪で見事な銅メダルを獲得したカーリング女子チーム。チャンスでもピンチでも、常に”笑顔”でプレイしたことも話題となった。他の国の選手は、緊迫したムードの時は険しい表情となり、失敗するとスティックをアイスに投げつけるなど怒りを爆発させる選手もいた。しかし、日本選手でそのような怒りを見せるシーンはほぼなかった。

昔は怒られたものだ

昭和の時代、真剣勝負の試合中や、そして日々の鍛錬となる練習中でも、笑顔は印象が悪かった。「真面目にやれ」「緊張感が足りない」「ふざけてんのか」「ヘラヘラすんな」、そんなふうに指摘され、叱られたりもしたものだ。スポーツは楽しくやるという概念は薄かった。今でも、そういう印象を持つ人は多い。

しかし、今や時代は変わった。「笑顔」はスポーツにおいて、良い相乗効果があることが科学的にわかっているそうだ。

エンドルフィンで脳が活性

私が、笑顔がスポーツでいい効果をもたらすと知ったのは、1999年4月のこと。松坂大輔(現・中日)投手がデビュー戦で打者の身体に近い球を投げ、あわや乱闘かというシーンがあったが、この時、チームメイトに声をかけられ笑顔を見せていた。

試合後のインタビューで、笑顔の理由を記者に聞かれ「笑ったほうが緊張しないそうなんで」と答えた。松坂投手は意図的に笑ったそうだ。つまり、少なくとも20年ほど前には、スポーツと笑顔の関係は情報として出ていたはずである。

笑顔になると脳にエンドルフィンという物質が分泌される。エンドルフィンが出ると、【ストレス軽減、集中力アップ、ハッピー度アップ】という相乗効果を生み出すそうだ。

特にスポーツの試合中という大舞台、緊張感あるシビアなシーンでは、笑顔を作ってリラックスさせることは大事だという。体力的にしんどい時、精神的につらい時、意図的に笑顔になればプラスアルファの効果が期待できる。笑顔で緊張をとき、そしてプレイに集中する、これがパフォーマンスを上げるひとつのルーティンといえそうだ。

必笑で大逆転!

2014年夏の高校野球・石川県大会決勝。9回裏0-8から大逆転勝ちして甲子園出場を手にした星稜高校。そのチームスローガンは、必勝ならぬ「必笑」だった。「笑うことでポジティブなイメージが湧くので、心身を落ち着け前向きに戦える」と話していた。

大量リードを許していても、内野手が集まったマウンド上でみんな笑顔をみせていた。いくらスローガンとはいえ、なかなか笑うのも切ない。しかし、彼らは笑顔で打線をつなぎ、最後に最高の笑顔を見せられたわけだ。

逆に、負けているのに笑っているチームは、相手から見て不気味だという。「あいつら負けてんのに、なんでヘラヘラ笑ってられんだ? 秘策でもあるのか? こっちの弱点でも握ってんのか?」そう思うと自分達からは笑顔が消えている。思わぬ心理作戦にもなっているという。

笑顔のチカラ

いつでもどこでも笑えばいいというわけではない。例えば、人が怒っているのに、それを笑ったら「なにがおかしいんだ」とトラブルになる。悲しい席で笑っていたらマナーのない人と思われる。一人で笑いながら歩いていたら違う意味でおかしな人だと思われる。まぁ、そのあたりはわかっているとは思うけれども…(笑)

笑顔の効果はスポーツだけなのかといえば、もちろんそんなはずはない。いわば、笑うことで悪くなる効果など何もないと言っていい。実は、笑うことで免疫力がアップ、自律神経のバランスも良くなるという研究結果もあるそうだ。

笑うことは認知症など脳にも良い、精神を病んでいる人にも効果が期待できる。初対面の相手が笑顔だと好印象のまま残りやすい。様々な仕事においても、笑顔で脳が活性化される。例えば、会議を行う際、最初にみんなで大笑いしてから始める企業もあると聞いた。

スポーツじゃなくても、大変な時、つらい時、どん底に落ち込んだ時、笑ってる場合じゃないとしても、ちょっとだけ笑顔を作ってみよう。もしかしたら、何か良い方向に変わるかもしれない。

情報提供元:マガジンサミット
記事名:「笑顔が一番!カーリング女子の笑顔は勝負の秘策でもあった