第40回すばる文学賞佳作を受賞、ndjc:若手映画作家育成プロジェクトに選出され、期待の新鋭ふくだももこ監督の最新作は、さまざまな愛がテーマの映画『おいしい家族』だ。主人公が帰省すると「父さん、みんなで家族になろうと思う」と、実家では父が亡き母の服を着て美味しいご飯を作って待っていた、という人も気候も穏やかな島を舞台に、好きなものを好きと素直に言える世界を描いた愛のドラマ。その主人公・橙花役の松本穂香と、弟・翠役の笠松将に、映画『おいしい家族』にまつわる話を聞いた。

●愛がテーマの素敵な作品でしたが、 観た感想は率直にいかがでしたか?

松本:登場人物全員が愛らしく、かわいらしくて、そう映るということは、監督の愛が深いということなんですよね。監督が愛を持って作ってくれたからこそで、演じるわたしたちにもそれが伝わって、優しくなれたと思います。

笠松:基本的には登場人物はみんな、個性的な人たちばかりなんですよね(笑)。でもそれでいいと思えるし、ちゃんと自分に自信もっていいのかなと思わせてくれる。松本さんと同じく、優しい作品だなと思いました。

●演じるキャラクターについては、どのように理解をして演じましたか?

松本:自分より年上の設定で、結婚など自分の経験がないこともありましたが、上手くいかないもやもやを抱えたところから彼女の物語が始まるので自分が過去経験したもののなかから、ちょっとずつ探して重ねました。

笠松:僕のキャラクターは一番普通でしたが、それだけに学びも多かったです。流されても悪くないというか、受け入れるってすごいことだなと。その大切さを知りました。私生活での考え方までも変わった気がします。

松本:家族だからこそ甘えられる感じもあったというか、東京ではあんなにツンツンしていなかったと思うんです。そのテンションの差は、家族だからこそできること。そこは理解がしやすかったです。

●ところで初共演だそうですが、お互いの感想は?

笠松:たぶん…同じ感想かなと(笑)。

松本:最終日くらいに「松本さん、心の壁がずっとあった」と言われて(笑)。

笠松:言いましたね(笑)。

松本:「え、いま言う?」みたいになりました。

笠松:松本さんのプロフェッショナル魂がかっこよくて男前すぎて、僕ら男性陣は……。

松本:「僕ら」って言った(笑)。

笠松:もう、男性陣を代表して言いますけど(笑)、みんなどんどん距離
が縮まっていったので、松本さんにもその輪に加わってほしかったんです
。作品としてはいいかもしれないけれど、楽しい思い出として残ったらい
いなと。

●スタンスの違いはあると思いますよ。

笠松:みんなで松本さんの心を開こうとしましたが、全員玉砕しました。
松本:嘘ですよ(笑)。開いていました。

●現場にスマホも持ってこなかったほどのストイックぶりだったそうで。

松本:それは……忘れただけです(笑)。
でも、そういうつもりはなく、やっぱり経験もなかったですし、主演という立場での長編映画初めてで、役も役だったので、そう見えただけで。わたしは普通に話していたつもりでした……むしろわたしの方から話しかけてたくらいかなと思います(笑)。

笠松:男って、そういう妄想もしがちなもので、すみません!(笑)。

●今日はありがとうございました。映画を待っている方にメッセージをお願いします!

笠松:僕は性格が悪いので、価値観を押し付けるなみたいな感想もよくわかります(笑)。ただ、もしこの作品を観て嫌な気持ちになったとしたら、ちょっとでも監督のことを調べて知ってほしいです。そうすることで、邪気もなくなるはず。みんながハッピーになる作品はないと思いますが、この作品はひとりでも多くの人に愛や優しさが届くはず。これ監督の強制ではなく提案なので、ぜひそのメッセージ受け取ってみてください、

松本:少し視点を変えると見えてくることってたくさんあると思うんです。お父さんが母親のかっこうをして、何それ気持ち悪いって最初は受け入れられなくても、実は本当のその意味は気持ち悪いことではなく、自分が望んでいた愛の結果の形だったり。いま、たくさん苦しんでいる人もいるかと思いますが、少し視点を変えれば見えてくることもあると思う。自分だけが間違っていることもないと思いますし、受け入れてくれる優しさがたくさんつまっている映画だと思うので、少しでも観る人の心が軽くなればいいなあと思います。

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(執筆者: ときたたかし) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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情報提供元:ガジェット通信
記事名:「松本穂香&笠松将インタビュー:「少しでも観る人の心が軽くなれば」映画『おいしい家族』