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斉藤壮馬「花江夏樹の表現はキレイな生々しさ」2人が最近体験した感動エピソードも! TVアニメ『ピアノの森』インタビュー



『モーニング』(講談社)にて2015年まで連載された傑作クラシック音楽漫画『ピアノの森』(一色まこと著)のTVアニメ第2シリーズがNHK総合テレビにて1月27日(日)深夜より放送中、本日2月10日は第15話が深夜24時10分より放送。


TVアニメ『ピアノの森』第1シリーズは2018年4月から7月にかけて放送され、第2シリーズはいよいよショパン・コンクールをメインにストーリーが展開します。そこで、メインキャラクターである一ノ瀬海(カイ)を演じる斉藤壮馬さん、雨宮修平を演じる花江夏樹さんにインタビュー。


第1シリーズを通しての変化やキャラクターへの向き合い方、最近気持ちが高揚したことなど、お話を伺いました。


お互いのシーンを自分だったらどう演じるのか考える


――第2シリーズ放送開始ということで、まずは第1シリーズを振り返っての感想をお願いします。


斉藤:長い期間、多くの方に愛されている作品の映像化ということで、放送前に「一ノ瀬海くんの声を務めさせてもらいます」と告知をしたら、いろんな方が連絡をくれて、「楽しみにしてる」と言ってくれました。第1シリーズは光の演出とピアノのシーンが描かれているところがとても特徴的だったと思うのですが、やはり元々原作が持っている物語自体の奥深さや面白さをより多くの方に感じてもらえているのかな、と感じました。第1シリーズは、作中では子供から青年になっているので長い時間が経っているんですけど、逆に第2シリーズはショパン・コンクールを中心に描くので、より密度の濃い心理劇をお届け出来るんじゃないかなと思っています。


花江:修平は登場時からカイへの執着と自分との闘いみたいなものがあり、これからどう自分を取り戻して自分のピアノを見つけるか、というところで第1シリーズは終わってしまったので、僕的には少しモヤッとした終わり方だったかなという感じはしたんですけど、ピアノという音楽を題材にしている作品なので、やっぱりアニメになって音がついたことが一番大きいと観ていて思いました。時間の都合上、物語を少し端折っている部分はありますが、音楽がつくことによって、よりキャラクターたちの考えていることが伝わってくるし、直感的にわかりやすくなっていて、やっぱり『ピアノの森』はいい作品だなと改めて感じました。


――アフレコ時はまだ画や演出などすべて付いたものではないと思いますが、放送されたものを観て、印象的だったシーンや驚いたシーンはありましたか?


斉藤:第1シリーズの第1話は青年Ver.のカイくんが冒頭だけ出てきているんですけど、確か第1話はアフレコの段階からほぼ映像は出来ていたような気がします。SEなどは入っていなかったんですけど、かなりキレイな映像になっていて。原作の表現で、ピアノを弾いていると光の粒子みたいなものが空気にのって聞き手に伝わるみたいな描写がすごく好きだったんですけど、それが本当に幻想的な映像演出になっていたので「すごいキレイだな」と感じましたし、“音が見える”みたいな演出がとても素敵だなと思いましたね。あと、特に序盤はそうだったんですけど、映像の演出が独特というか。例えば、阿字野先生と子供時代の雨宮が喋っているシーンが2人の影しか映っていないとか。そういう映像的なセンスも面白いなと思いました。



花江:
僕はカイの住んでいた廃墟みたいなところで、いじめられっこの子供と一緒にピアノを弾くシーンが印象に残っています。もちろん他のカイとのやり取りも印象深いんですけど、あのシーンは修平が久しぶりにピアノを弾けたということもあり、修平も涙を流しながらピアノを弾いていて、「なんかいいな」と思いました。自分が出ているシーンを客観的に観ることはあまり出来ないタイプなんですけど、オンエアを観ていて、ちょっと涙がホロリとしてしまいました。


斉藤:確かにあれは良いシーン。曲もすごく良いよね。


花江:曲も良いし、やっぱり漫画を読んでいるだけじゃ、「これはどういう曲なんだ?」と思っていたことも相まって印象に残っていますね。



――第2シリーズのアフレコが始まり、役に対する印象や向き合い方は変わりましたか?


斉藤:基本的な部分では変わらないかなと思いますね。カイくんは他人からは天才的な才能と称されることもあると思うんですけど、僕はカイくん本人は別にそう思っていないと思うんです。だから、僕がカイくんに対して、「あなたは天才だから」という歩み寄り方をしないようにしようと心がけています。単純にして難しいですが、カイくんが今何を見て聞いて、何を感じているのか、ということに寄り添うことが一番大事かなと思うので、何か明確にやり方を変えていることはないかなと思います。でも、第1シリーズはエピソードがどうしても飛び飛びにならざるを得なかったのですが、第2シリーズは割りと丹念に描いていけるので、より心の機微を丁寧に捉えることができればいいなとは思っています。


花江:修平の印象の変化に関しては、アニメが始まる前にオーディションを受けたときとアニメのアフレコが始まったときでけっこう変わっていて。最初にオーディションを受けた時は、修平はウジウジしているし、カイをいつまでも忘れられないし、自分のピアノがなくて、僕はそんなに好きな性格じゃないなって正直思っていたんですけど(笑)。オーディションに受かってキャラに寄り添うために、修平をいろいろ分析した結果、ちょっと僕が浅かったなと。修平はそんなんじゃないぞ、と。


あんなに学校でも悪ふざけせずにピアノにばかり打ち込んでいた少年の前に、ある日突然天才的なカイが現れて、傍から見たら「そんな簡単に弾かれても」と思うと思います。カイ本人は天才という自覚はおそらくないんでしょうけど、修平としては「そんな僕の努力は一体……」とひとつ挫折があって、それって本当にショックだと思うんです。そこから大人になるに連れて、よりそれが大きなものになっていく。この「どこにぶつければいいかわからない気持ち」みたいなものを抱えている彼を、僕は「一緒に頑張っていこうぜ」と応援する立場に、アフレコの段階で変化しました。



――斉藤さんは役が決まったときに、花江さんから「負けねーぞ」的なLINEのメッセージがきたとおっしゃっていましたが、実際に現場ではバチバチと闘志を燃やし合っている感じなのでしょうか。


花江:さすがに表には出していないですよ(笑)。


斉藤:あはは!


花江:でも、心の中では思いますよ。例えば、自分だったらこのカイのシーンはどう演じるかな、とか、そういうことは考えたりますね。


斉藤:確かに。僕も台本をチェックしているときに、「あ~、この雨宮の気持ちすごくわかるな。でもこれを音声にのせるのはすごく難しいだろう。花江くんならどうするのか」みたいなことは、すごく考えますね。でも、それは良い意味でなので、「くそ!」みたいなネガティブな気持ちではないです(笑)。


――お互いのシーンで、「このセリフこんな風に言うんだ!」など、すごいと感じたところはありますか?


花江:やっぱり「届いているか、阿字野」「聞こえるか、阿字野」と、阿字野へ思いを伝えるモノローグはすごく気持ちがこもっているなと感じて、「阿字野への想いは完敗だ」と思いましたね(笑)。


斉藤:僕は、テストで花江くんがやったものが「すごく良いな!」と思うんです。本番では、バランスのためにもう少し調整してくれと言われてしまうこともあるんですけど、やっぱり1回目ってすごく生々しい感情が出るというか、それがいつも聞いていてキレイな生々しさで、すごいなと思いますね。


――斉藤さんは第1シリーズ放送前の発表会で、「どちらかと言うと、花江さんがカイのような感性タイプで、自分は修平のように考えて作り込むタイプだと思う」とおっしゃっていましたが、実際に作品を収録してみてどう感じていますか?


斉藤:究極的にはどちらも必要なもので、感性100%で論理0%みたいなことはないと思うので、塩梅の問題かなとは思います。僕は、自分はあまり感覚的な人間ではないと思っていたんですけど、逆にこの『ピアノの森』や声優という仕事をやっていく中で、だいぶ感覚的な人間だなと思ってきました。だからといって、カイくんに対する歩み寄り方を大きく変えるわけじゃないんですけど、より“説明できないけどわかる”というやり方は見えてきたなと思います。それが見えてくると同時に、今まで花江くんが感覚的にアプローチしていると思っていたものが、実はすごく緻密に組まれていることがきっとあるだろうと思うようにはなりましたね。


花江:いや、僕は緻密ですよ(笑)!


――――私も花江さんは感覚的にアプローチされている印象もあったので、先程の修平への寄り添い方のお話が興味深かったです。


花江:僕もどちらかというとカイの方がオーディションを受けていた時はカッコイイなと思っていたんですけど、やっぱり修平の気持ちは痛いほどわかるんですよね。気持ちがわかるからこそ、同族嫌悪みたいな感じが少しあったんだと思うんですけど、修平を演じるにあたって、やっぱりその役のことを一番理解してあげなきゃいけないし、一番応援してあげなきゃいけないので、今ではこの作品の全部のキャラクターの中で修平が一番好きだし、“誰にも負けない”という気持ちでやらないといけないと思っています。だから本当に……緻密ですよね(笑)。


斉藤:あはは、「だから本当に」からの緻密な話の組み立て雑じゃない(笑)?


花江:結果、緻密になってしまいますよ(笑)。



――『ピアノの森』をアフレコしてきた中で自分の中で変わってきたことなどありますか?


花江:アフレコをしている中でそんなに変わることはないですけど、第2シリーズに入ってから、修平の気持ちが吹っ切れる瞬間があるので、そこからは演技的にもパッと変わったかなというのはありますね。重荷がとれたというか。そういう点では変わったかもしれないです。


――斉藤さんはいかがですか?


斉藤:カイくんは子供の頃からそういう印象なんですけど、人のことをとても考える人で。第2シリーズもセリフをよく見ていると、阿字野のことを想っていたり、修平のことを想っていたりすることが多いので、そういったカイくんの基本的な考え方は、こっちが考えて準備しなくても、「カイならそう思うだろう」と、より馴染むようになってきたかなと思います。



2人が最近気持ちが高揚したこととは?


――カイと修平にとって、気になる存在やライバルたちの魅力的なポイントは?


斉藤:カイ的にはパン・ウェイとレフ・シマノフスキ。なぜなら、パン・ウェイは阿字野壮介という自分の師匠のピアノをこれほど完璧に継承するピアノがあるなんてカイは思ってもみなかったわけで、まぁ衝撃を受けるんです。でもこれは阿字野のピアノなんだろうか?という思いもある。レフはピアノの演奏は素敵なんですけど、カイの行く先々で森の妖精のようにいろんなことを言って惑わせてくるというか、カイにとっては少しペースが崩される存在なので、この2人は雨宮以外で挙げるなら気になる存在なのかなと思います。



花江:修平はカロル・アダムスキに心を動かされて自分のピアノとは何なのかを見つけるための助言をもらい、第2シリーズも序盤はけっこうアダムスキとばかり会話をしています。彼の魅力というのは、自分のピアノはもちろんですけど、人を認められるというか、人の良さを見抜ける力があるところ。僕の想像ですけど、ショパンを求めて旅をしてきた中でさまざまな人生経験があって、いろいろなことを知っているのは、音楽にとても影響するところなのかなと思うんですよね。アダムスキは、自分を納得させて「本当にレフの演奏はよかった」とか、ちゃんと口に出して言える。もし思っていなくても口に出して言うことって悔しいと思うんですよ。大人として、「ここはまぁ、彼は良かったよ」と口に出すのは本当に悔しいと思うんです。そこをあえて、言えるっていうところ。そこがアダムスキの良さじゃないかなと思います。


――劇中では、素晴らしい演奏を聞いたみんなが「気持ちが高揚した」と表現することがありますが、お二人の気持ちが高揚したことを教えてください。


花江:昨日ちょうどありました、子供と会ったんですよ……!


斉藤:いや、もうちょっとわかりやすい言い方があるでしょ(笑)。


――どなたの子供ですか?


花江:僕は子供番組のMCを担当しているんですけど、その撮影で審査員のようなことをやる機会があって。複数の部屋でいろんな審査員が面接するんですけど、その休憩中に別の会場で面接を受けた子と廊下で出くわしたんです。そうしたら、その子が僕の朝の番組をよく見てくれていて「本物ですか!?」と言うから、「本物だよ」と握手をしたら、泣いたんですよ! 感動のあまり! それで、泣きながら「これからも応援してます」と言って帰って行ったんです。それは嬉しかったですね。


斉藤:それはすごい良い話だな~。


――素晴らしい交流ですね。


花江:ね!?



斉藤:
その子もちゃんと「本物ですか~?」って敬語で気持ちを伝えてくるのがいいね。


花江:そうだね、偉い。



斉藤:
そんな良い話に匹敵する話は、僕はないですけど……(笑)。



――感動話じゃなくても大丈夫ですよ(笑)。


斉藤:僕はありがたいことに父方も母方も祖父母が健在で、双方の祖父母と不定期ですが手紙のやり取りをここ半年くらいしているんです。僕が10月末に出版したエッセイ本を贈っていたら、たまたま同じタイミングで双方の祖父母から手紙が返ってきて、2組とも同じエピソードを読んですごく元気が出た、みたいなことが書いてあったんです。それも家族の話だったので、だからかな、と思ったんですけど、メールでもなく手書きの手紙でその感想を送ってくれて。昔からそういうことにあまり僕は心を動かされないタイプだと思っていたんですけど、なんかそれは家族を大事にしようと思う出来事でしたね。


――花江さんに匹敵するほど良い話でしたよ!


斉藤:それで、一緒にみかんをたくさん送ってくれたんだけど、半分くらい腐らせちゃったんだよね……。


花江:みかんは痛むから、仕舞ってある下の方から食べないといけないよ。


斉藤:1日6個くらい食べていたんだけど、(痛むスピードに)追いつけなかった(笑)。


――なかなか頑張りましたね(笑)。次は収録などに持って行って配りましょう!


斉藤:確かに! だから、みかん! 今日まさに、収録現場で中村悠一さんが僕にはお菓子を、花江くんにはみかんをくれたんですよ。


花江:なんで、みかんなんだろう?と言っていたんです。


斉藤:そうしたら、中村さんが「さっき、みかん配られたから、そのおすそ分けだ」とおっしゃっていて。なるほど、みかんの季節は配るものなんだね(笑)。



Blue-ray&DVD特典映像のピアノ演奏についても聞きました!


――発売中の第1シリーズBlue-ray&DVD BOXの特典映像でお二人はピアノ演奏に挑戦しているんですよね。これまでピアノの演奏の経験は?


斉藤:人前でピアノを弾くのは初めてです。


花江:ピアノは、もう記憶の片隅というか、覚えていないくらいの経験ですが、ショパンを弾くのは初ですね。


――今回は、劇中でも登場している「雨だれ」に挑戦されていますが、感想を教えてください。


斉藤:素人2人が頑張って挑戦させていただいたので、とても丁寧に教えていただいて、最終的に1つの曲を2人で連弾形式で弾かせていただいたんですけど、運指がすごく難しいというよりは、息を合わせることや、曲のメッセージを汲み取ることみたいなものが難しかったです。楽しいなと思いながらも、主に花江くんが担当してくれていた雨だれ部分を僕が1回弾いたらすごく難しかったので(笑)、やっぱり花江夏樹ってすごいなと思いました。


花江:ひとつの音で雨の音をポンポンと表現しなきゃいけなくて、ちょっとでも弱く弾きすぎると音が出ないし、強いと雨の音にならない。その強弱の付け方でピアノの奥の深さである、この1つの音だけなのに難しいというのを知りました。作中で聴いている人たちにはいろんな表現で具現化されるじゃないですか。例えば色だったり、龍がバーッと出てきたりとか。そういう表現を感じさせるような弾き方というのがあるんだな、と思うと、同じ人でも全然違うピアノになるんだなと、そこでちょっと分かったような気がします。


――弾く人によって音色が変わることはあると思うのですが、お互いの音を聴いて、その音から人間性など感じましたか?


花江:短い時間だったのであまり詳しくはわかりませんけど、(斉藤さんは)まぁ真面目だな、とは思いました。


斉藤:ふふふ。


花江:ひとつも音を外さないように、入念にチェックしながら、一音一音を大切に一歩ずつ前へ進んでいく、そんな感じがしました。彼の演奏から。


斉藤:花江くんは、やっぱりすごくアーティスティックだなと。まず、花江くんは楽器はギターとかは弾くんですけど、ピアノも顔で弾く、体で弾く。それはすごく大事なことで。指先だけが大事なのかというと、音楽ってそういうものではないと思うので、例えポーズであっても、それができるというのは僕は羨ましいです。ピアノの演奏だけじゃなくて、役者としても大胆に楽しむことができるというか、そういう点がすごく素敵だと思っているので、そこは映像で花江さんの笑顔を存分に観て欲しいなと思います。


花江:いやぁ、たぶん良い顔していたと思うよ(笑)。


斉藤:あはは! ハードルは上げていくものだから(笑)。



花江:
いや、ちゃんと顔で弾いていたと思う。


――注目ポイントですね! ありがとうございました!


TVアニメ『ピアノの森』はNHK総合テレビにて毎週(日)深夜24時10分より放送。本日2月10日は第15話の放送です。

※関西地方は24時50分からとなります。

※放送日時は変更になる場合がございます。


【第15話あらすじ】

「覚醒」

第2次予選2日目。いよいよ、修平の出番がくる。勝ち残った30名の内、ファイナルに進めるのはたった12名。

修平の父で自身もピアニストである雨宮洋一郎は、客席で祈るように見つめている。

修平は震える手を握りしめ、決意をもってステージへ。ただ一人、カイに聴かせるために魂を込めてピアノを奏ではじめた。


【第2シリーズ見逃し配信決定】

国内:Netflix(https://www.netflix.com/)にて同日27時00分より

中国:bilibili(https://www.bilibili.com/)にて同日27時00分より


TVアニメ公式サイト

http://piano-anime.jp


(C)一色まこと・講談社/ピアノの森アニメパートナーズ


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