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「天職」の見つけ方、知ってますか? 就職・転職に悩む人におすすめの本!


天職を見つける方法とは?


 誰もが「できれば自分の天職に就きたい」と願っているはずです。


 しかしほとんどの人にとってその言葉の定義は曖昧で、「いつか運命的に巡り合うもの」とか「天性の才能を持った一部の人しか得られないもの」ととらえているのではないでしょうか。


 「天職」という言葉を漠然ととらえてしまうと、そのように考えてしまうのも仕方ありません。


 しかし天職とは「自分の好きなことややりたいことで、自分の生まれ持った能力を最大限に生かし、成果を上げて成功できる仕事」と定義すれば、誰でも天職に就くことは可能です。


 そんな天職に就く方法を論理的に説明してくれるのが、『35歳までに読むキャリアの教科書』という本です。著者は「MyNewsJapan」の編集長である渡邉正裕さん。


 日経新聞記者、外資系コンサルタントを経て、32歳のときに自分の理想とする仕事は既存の会社にはないと考えて、独立・起業を決意。同ニュースサイトを立ち上げました。


 新卒で就職してすぐの頃に読んで非常に刺激を受けた本で、私はこの本をもとにキャリア戦略を練ってきたといっても過言ではありません。


 30歳を過ぎた今読み返してみても、キャリアプランに悩む人たちに有益な本だと感じたので紹介します。




35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)

35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)


天職=「やりたいこと」と「できること」の拡大・交差地点の仕事


 本書の要旨は、働く側にとって重要なキャリア目標、つまりハッピーキャリアの法則は、「コア動機」と「コア能力」、この2つを拡大・交差させた部分で「現実の仕事」を得ることであるということです。


 つまり以下の3つを合致させ、その面積を拡大していくことこそが、幸せなキャリアの目標であり、天職を得るための論理的な方法となります。



  • ①動機=Want=やりたいこと(夢・欲求)

  • ②能力=Can=できること(知識・技術)

  • ③現実の仕事=Must=やらなきゃいけないこと(仕事内容)


 本書では「天職」という言葉は使われていませんが、この定義に当てはまる職に就くことができれば、それは天職に就けていると言えるでしょう。


 「コア動機」とは、「やりたいこと」の中心にある個々人の価値観や欲求と結びついているもの。


 「コア能力」とは、「できること」の中心となる、生まれ持っての才能と結びついた能力のことです。15歳くらいまでに固まって以降は変化しないと言われる先天的な「才能」に紐づくものを、本書では「コア能力」と定義しています。


 誰もが何かしら生まれ持った才能を持っている分野があると同時に、才能を持っていない分野があります。どれだけ野球が好きでやりたいことでも、野球選手としてのコア能力がなければ、い努力を続けてもプロ野球選手として食べていくことはできません。


 才能のないところでいくら後天的な能力をアップさせようとしても効率が悪く、他者とのビジネス上の競争のなかでは、不利な戦いを強いられてしまうのです。


 社会人10年目までに、各自に眠る「動機」と「能力」を発見し、それぞれを拡大させ、両者が重なる部分で仕事を得ることが、誰もが天職に就くためのキャリアプランとなります。


 今のあなたは、次の3つの状況のうちどれに当てはまりますか?



  1. 今の仕事が「やりたいこと」でも「できること」でもない。

  2. 「やりたいこと」ではあるが、「できること」ではない。

  3. 「やりたいこと」ではないけれど、「できること」ではある。


1.今の仕事が「やりたいこと」でも

「できること」でもない


 今の仕事が「やりたいこと」でも「できることでもない」という場合。配属を決めた人事部門が無能だったり、本人のアピールが足りない場合に起こる最も不幸なパターンです。


 自分がこの状況にあると感じる人は、速やかに人事部に相談・交渉しましょう。半年以内に動けないなら、迷わず転職するべきです。


 なぜなら「コア能力」のない分野では、どれだけ我慢して地道な努力を続けても成功することはないからです。同じ努力をするのなら、「コア能力」のある自分の得意な分野に向けるべきです。


 自分のコア能力(強み)が何なのかわからない方は、「リクナビNEXT」「グッドポイント診断」を受けてみてください。無料の会員登録をするだけで、自分の強みを知るための本格的な診断サービスを受けることができます。


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 診断をスタートすると、AとBの2つの選択肢が次々と出てくるので、どちらに近いかを答えていきます。



 質問は第1部〜第3部まであり、合計293問の大ボリューム。時間もそれなりにかかる本格診断だけに、その結果はかなり的確で信憑性があります。


 私も受けてみましたが、自分の性格や行動の特徴を見事に言い当てられていました。



 転職を考えていない人でも無料で受けられるので、興味がある方はぜひ登録してみてください。(メールアドレスだけ登録すれば、細かいプロフィールを入力しなくても診断を受けることが可能です)


 尚、「リクナビNEXT」には、職務経歴や転職希望条件を匿名で登録しておけば、自分に興味を持ってくれた会社から直接オファーが届く「スカウトサービス」もあります。


 今すぐ転職は考えられなくても、とりあえず登録だけしてどんな求人があるのかをチェックしたり、「スカウトサービス」によって、自分はどんな会社からニーズがあるのかを知っておいたりすれば、転職をより現実的な手段をしてイメージできるようになるでしょう。


 すでに転職希望の業界が決まっている人であれば、「リクルートエージェント」などの転職エージェントを利用して、自分の市場価値(転職後の年収)がどれくらいあるのか、プロに相談してみてもよいと思います。


2.「やりたいこと」ではあるが

「できること」ではない


 やる気はあるものの、決定的に才能に欠けている場合です。


 同じ仕事をやっているのに、同年代の同期入社組と比べて、明らかに上達しないと感じたり、スキルアップが遅い、会社から評価されないといった状況の場合は、このパターンになります。


 たとえ才能がなくても、好きなことをやり続けていれば、いつか専門家になって、その道で食べられるうようになる…というのは幻想です。「コア能力」と「コア動機」が交差する地点で仕事を得て、努力している他者との競争に勝つことはできません。


 野球好きの少年が全員プロ野球選手になれるわけではないように、また音楽好きの人が全員プロの歌手になれるわけではないように、才能や資質のないところ、強みのない分野で戦って成功できるほど、世の中は甘くないのです。


 もちろん「成功できなくても、好きなことで最低限の生活ができるだけ稼げればいい」という人であれば問題ありません。しかし仕事で成功したいのであれば、「やりたいこと」は趣味として続けるにとどめ、自分の強みを活かせる分野に最大限の努力を向けた方がよいでしょう。


 強みがわからない方は、上述の「グッドポイント診断」を受けましょう。


3.「やりたいこと」ではないけれど、

「できること」ではある


 2とは逆に、「能力の適性はあるけど動機はない」という場合です。


 動機はなくても、才能があるために、そこそこ仕事ができてしまうというのが厄介なところ。


 というのも、会社はあなたが利益に貢献さえしてくれれば評価してくれるので、客観的には成功しているように見えるからです。そのため社内での居心地も悪くなく、辞めるという選択を考えづらくなります。


 「なぜ自分に才能のある分野で、しっかり結果を出せていて、会社からも評価され、給与や待遇も悪くなく、同僚との人間関係も良好なのに辞める必要があるのか?」ーーこう考えると、辞めるなんてもったいない、馬鹿げているという結論に至っても仕方ありません。


 しかし心の中では、常に「何かが違う」「このまま働き続けていていいのだろうか」「自分が本当に好きなことや、やりがいを感じることに挑戦するべきでは?」といった不安がつきまといます。


 こうした心理的ストレスを抱えたまま働き続けると、次第に仕事を苦痛に感じるようになります。


 できること、得意なこと、というのは他人から賞賛を浴びやすいため、勘違いが起こりやすい。だが、体は正直だ。やりたくない仕事をずっとやっていると澱(おり)のようにストレスが溜まってゆき、ある時点で無理が爆発して「燃え尽き症候群」に陥り、廃人的になってしまう可能性もある。(P.74)


 動機に基づかない仕事は長続きしません。そして当然ながら、「動機がない=やらされ仕事」をいくらやっても、魂の入らない仕事である以上、本当のプロにはなれません。


 「才能があって、やりたいことだから時間を忘れて没頭している」人に敵うわけがないからです。


 今の仕事が自分の動機に合わない、価値観にかすりもしないと思ったら、「自分にとって理想の仕事や働き方とは何か?」について、具体的に掘り下げて考えてみましょう。


 本書では、第4章「動機を顕在化するには」にて、動機知るための具体的な方法を教えてくれています。また診断ツールとして、「エニアグラム」「キャリアアンカー」などが紹介されています。


社会人10年目までに3つを一致させよう!


 著者は、日本国内で働くならば、20代後半までにコア動機を顕在化させ、30代前半までにコア能力を発見し、能力開発に勤しむべきだと説いています。


 というのも、若い人ほど人的資源のポテンシャルが高く、社内異動や転職といった路線変更をしても能力開発がしやすい一方で、30代半ばになると異動が困難になりはじめるからです。


 大卒ならば、社会に出て10年後、30代半ばまでに、「動機」「能力」「仕事内容」の3つを一致させることを目指しましょう。


 著者自身、この3つを合致させるのに、社会人になって約10年をかけたといいます。


まとめ


 本書は、著者自身によって6年間にわたって行われた平均3時間×300人強にわたる20代、30代のビジネスパーソンへのインタビュー取材に基づいているため、具体的な個人のストーリーや個別企業事例をふんだんに盛り込まれています。


 そのため読者が自分の境遇と重ね合わせ、リアルにキャリアプランをイメージしやすい内容となっています。


 どんな経歴・境遇の人が、何歳の時に、どんな悩みを持ち、それに対してどのような行動をとったか。それを知るだけでも、今後のキャリアプランを考える上で非常に参考になるでしょう。


 例えば第3章の終わりには、「筆者のキャリア(私大/文系/男性)」として、記者時代(23歳〜)、外資コンサル時代(27歳〜)、独立後(32歳〜)に、それぞれ何を考えて仕事を選び、どんな能力を磨いてきたのかについて紹介されています。


 新書でこれだけ密度濃く、キャリア戦略を立てる上で有効かつ具体的な指針を示してくれる本はそうありません。


 2010年発行の本ですが、今でもそのまま活用できる良書なので、キャリアプランについて悩んでいる人にはぜひ読んでみてください。




35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)

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