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ビジネスパーソンが「神輿」を担ぐべき3つの理由


日本の夏の風物詩といえば、祭り。そして祭りといえば、立ち並ぶ屋台と人混みの中、「わっしょい!」と駆け抜けていく「神輿」(みこし)の存在は欠かせない。



しかし、神輿を見たことはあっても、担いだことがある!という人はどれだけいるだろうか?


 


下北沢が祭り一色に染まる「北澤八幡神社例大祭」


2018年9月2日、東京・下北沢で北澤八幡神社例大祭がおこなわれた。


「北澤八幡秋祭り」とも呼ばれるこの祭のメインは神輿


20台近くの大きな神輿が、朝から晩まで下北沢中を練り歩く。


祭り装束に身を包んだ担ぎ手たちは100人以上。さらに、内外から大勢の観客が詰めかけ、道路は通行止め&屋台が立ち並び、下北沢中が祭りの空気一色に。


そして今回、縁あってBUSINESS LIFE編集部員も神輿を担がせてもらうことになった。



はじめての神輿体験を終えてみて、「これは、ビジネスパーソンこそ神輿を担ぐべきなのでは?」と思わされたので、その理由を列挙する。


 


理由1:気づけば2万歩! 楽しく過ごすだけで適度な運動に


今回、筆者が担ぎ手として本格的に参加したのは12時〜16時の約4時間。なかなかの長丁場だ。


しかし、非日常的な空気の中を練り歩くのはひたすら楽しく、「あれ、もう終わりなのか」と思わされるほどあっという間だった。


終了後、万歩計アプリを見てみると……




1日の歩数はなんと18768歩!


厚生労働省「健康日本21(身体活動・運動)」[*1]によると、身体活動量と死亡率などとの関連においては、「「1日1万歩」の歩数を確保することが理想と考えられる」とあるが、余裕でクリア。


 



気になるカロリー消費量は576kcal。だいたいラーメン1杯程度のカロリーを消費できたことになる。


 




担いだのは神輿のほんの一端だが、それでもかなりの重量があった(翌朝は肩が真っ赤に腫れていたほど!)。さらに集団とテンポを合わせ、掛け声を上げながら歩くのは結構な体力を使う。




しかし、神輿は基本交代制。ある程度担いだら周囲の人と交代できる上、複数回休憩が挟まれる。体力に自信のない筆者でも、4時間のあいだ楽しく練り歩くことができた。



「祭り」という非日常空間を楽しむだけでいつの間にか体を動かせているのは、かなりオトク感がある。


 



理由2:集団運動だから無心でがんばれる


単に歩いたり体を動かしたりしたいのであれば、ウォーキングやランニングで十分。


しかし、神輿の最大の魅力は、「集団」で行うことにある。




◆もはやマインドフルネス?



大勢の人とテンポをあわせ、声を出しながら必死に担ぎ歩いている最中は、考え事をする余裕などない。仕事のことや悩みごとが脳内から吹っ飛び、ただただ担ぐことに夢中だった。もはやマインドフルネス?な状態。



※マインドフルネス→「あれこれ考えず、ただ目の前のことに集中する姿勢」


(参考記事:「ストレスだらけの脳をリセットする「マインドフルネス」とは何か?その意味と体感方法とは?」「Q3.なぜストレッチやトレーニングをするのか? 瞑想だけではダメなのか?」)



ひとりでは得られない達成感&充実感



また、担ぐのがキツくなってきても、集団に組み込まれているからこそ、「あともう少し、あそこの角までは!」と担ぎ続けることができた。




なお、「個別で運動したときと集団で運動したときの心理状態の違い」についての研究[*2]を参考までに紹介すると、



  • 個別運動に比べて集団運動のほうが心理的満足感や充実感などが高い



  • 集団運動では他のことへ興味が移ることが少なかったため、集中して運動に取り組んでいると考えられる



  • 集団運動においてみられた「状況のコントロール感」の低下は、運動中に周囲と同様の行動を促し、運動を一定の状態に保つことにつながり、運動を継続させる力になる


などの可能性が示唆されている。


もちろんこれらがすべての集団運動にあてはまるとはいえないが、大勢で一斉に運動することで、多少キツイ負荷でも心地よく乗り越えられるし、自分ひとりでは得られない達成感&充実感を味わえる!というのは、大いに実感できた。


 


理由3:日本の伝統文化&地域交流を存分に楽しめる


神輿は、いわずとしれた日本の伝統文化。その起源はなんと奈良時代にまでさかのぼるという。


画像はイメージです

そもそも神輿とはなにかというと、文字通り「神様の輿(こし)=乗り物」のこと。


神社本庁公式サイト[*3]によると、祭りの日には、「神社にお鎮まりになっている神様が神輿や山車にお遷りになり、氏子の手により氏子地域を巡幸していく」ことで、「神と人とが一体となり、人々は祭りを通じて活力を取り戻し、神様もこうした人々の姿を見て喜び、渡御する地域の各家々に御神徳を与えて下さる」とある。


たしかに、「神輿」という目に見えて触れられる物体があることで、神様の存在をより身近に感じられた気がする。担いだときの一体感、肩に感じる重み、神輿を中心に集まる人々の熱気、宮入り(御輿が神社の境内に入ること)の際の緊張感と興奮など……神輿を通し、地域全体が盛り上がっていくさまを存分に体感できた。




また、神輿の担ぎ手同士で会話が生まれたり、休憩時間には地域の方が用意してくださった冷や麦やカレーをいただいたり、自然な交流ができたのもうれしかった。



 


日本の夏の風物詩・神輿、一度担いでみて損なし!



近頃不眠気味だった筆者だが、帰宅後は5秒で爆睡! 深い眠りとすっきりした目覚めを久しぶりに味わった。


大声を出して体を動かしながら、日本の夏の風物詩を存分に味わうことができる神輿担ぎ。日本に住んでいるならば、一度参加してみて損はない。


気になる参加方法は、参加経験のある知人から紹介を受ける、街に掲示される「担ぎ手募集」のポスターから応募するなど。最近ではウェブ上から応募できるところもあるようなので、興味のある方はぜひチェックを。


 




参考文献


[*1]厚生労働省「健康日本21(身体活動・運動)」https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html(2018年10月1日)


[*2]小橋 康昌, 佐山 絵梨, 河辺 信秀(2012)「個別運動と集団運動が運動時の心理状態に与える影響─フロー理論に基づく心理状態の評価─」,『理学療法学Supplement』Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集),公益社団法人日本理学療法士協会 


[*3]神社本庁「渡御祭について」http://www.jinjahoncho.or.jp/iroha/omatsuriiroha/togyosai(2018年10月1日)


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