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肌の表面を守る「皮脂膜」の役割








皮脂膜は菌の増殖を防ぐ重要な肌のバリア機能




皮脂膜が持つ一番重要な役割は、肌を弱酸性に保つという事。

弱酸性の状態というのは細菌が繁殖しにくいため、肌が弱酸性に保たれている事で、肌表面で菌(カビ)などが繁殖してしまう事を防いでいます。



「お肌は弱酸性」という事は聞いたことがあると思いますが、これは肌の細胞自体が弱酸性なのではなく、皮脂膜が弱酸性の性質であるため、肌が常に弱酸性に保たれているという事なのです。



さらに言えば、皮脂膜が弱酸性になっているのは皮脂そのものの性質だけではなく、肌にもともといる常在菌の働きによるもの。

毛穴から分泌された皮脂を常在菌が食べ、酸性の物質(脂肪酸)に変えていく事で、皮脂膜は弱酸性になります。

つまり、肌を殺菌しすぎると弱酸性の状態が作れなくなるため、肌の雑菌などに対する抵抗力が低下してしまうのです。




皮脂膜は肌から水分が蒸発するのを防ぐ最後の砦




また、皮脂膜には肌の水分を閉じ込めて潤いを保つという効果もあります。

分かりやすい例でいえばラーメンなどが表面に浮いた油のおかげで水分が蒸発せず、熱も冷めないように出来ていますが、皮脂膜(油)によって肌の表面を覆う事で、肌内部からの水分蒸発を防いでいます。

水分の蒸発を防ぐという事は肌の潤いを保つ事だけではなく、体の温度を保つという働きにも繋がっています。




唇や足の裏には皮脂膜が無い




そんな肌を保護する重要な役割の皮脂膜ですが、唇や手のひら、足の裏には皮脂を分泌する皮脂腺が無いため、当然皮脂膜も存在しません。

そのため乾燥しやすい季節では特にダメージを受けやすい部位でもあり、健康的に保つためには油分による保湿ケアが重要なポイントとなります。




皮脂膜が無い部分はすぐふやける




お風呂に入った時、手のひらはふやけるのにその他の部分はすぐふやけないのを不思議に思った事はありませんか?

これは手のひらには皮脂膜が無いため、外からの水分がすぐに肌の角質へ浸透していってしまう事が理由です。

同じような理由で、唇の皮や足の裏も肌の他の部位よりも剥けやすいといえます。



皮膚は外部からの刺激に対して重要なバリア機能となっているので、ふやけて剥がれてしまうという事は実は肌の大きなダメージ。

肌を健康的に保つためには水やお湯につける時間を極力短くしたり、皮脂膜の代わりになるようにクリームなどで保護したりする事で、肌がふやけて剥がれるのを防止するようにしましょう。




皮脂は多すぎると肌荒れの原因に




肌の保護機能として働いている皮脂膜ですが、皮脂の分泌が多すぎると今度は皮脂が肌の刺激となって、肌荒れの原因になります。

これは特に皮脂に含まれているオレイン酸などの不飽和脂肪酸という成分が影響していて、肌に付着する不飽和脂肪酸の量が増えると肌荒れが引き起こされ、肌理が粗くなる事が分かっています。

不飽和脂肪酸は皮脂だけではなく、オリーブオイルなどスキンケアで利用されるようなオイルにも含まれているため、皮脂が多いのにオイルも更につけてしまうなど過剰なケアをする事はNGとなります。




皮脂がもたらす肌のトラブル




過剰な皮脂がもたらす肌のトラブルとしては、肌が荒れやすくなる以外にも毛穴の詰まりから引き起こされる「にきび」や、場合によっては脂漏性皮膚炎などが発生する事もあります。

脂漏性皮膚炎は「マラセチア」という真菌(カビ)が繁殖して肌を炎症状態にする事で引き起こされるトラブルですが、マラセチア菌は実は肌を弱酸性に保っている常在菌の一つ。

通常は肌にとって害となる事もなく存在しているのですが、皮脂が増えてしまうと皮脂を栄養としているマラセチア菌も増殖するため、肌が弱酸性からより強い酸性となって刺激を受け、炎症を起こしてしまうのです。

こうした肌トラブルを防ぐために、皮脂が過剰分泌されないようにする事が大切です。




皮脂膜が無くなってから元に戻るまで




ちなみに皮脂膜は油の膜ですので、脂を落とす界面活性剤(石鹸など)を利用して体を洗うと、皮脂膜は流されて無くなります。

もちろん皮脂膜は洗い流されたら元に戻らないというわけではなく、再び皮脂腺から皮脂が分泌され、大体30分から2時間程度をかけて徐々に弱酸性の状態に戻っていきます。

この肌の性質を弱酸性に戻していく作用を、アルカリ中和能といいます。



ただし、このアルカリ中和能は誰でも同じように働くものではなく、肌にいる常在菌のバランスが悪かったり、皮脂腺の働きが弱かったりすると十分に肌が弱酸性の状態を手に入れる事が出来ず、中性やアルカリ性の状態となってしまい、バリア機能が弱まってしまうという事もあります。




皮脂は食生活によって増える




皮脂の分泌を増やす原因の一つが、食事です。

皮脂は血液中の脂肪分を皮脂腺が受け取って貯め込み、一定以上の量になると肌に分泌されるというものですので、揚げ物など脂っこい食事をとって血液中の脂肪分が増加すれば皮脂の分泌も増える事になります。




皮脂はホルモンバランスの乱れで増える




ストレスがたまると口周りにニキビが出来やすくなるのは、ホルモンの影響によるもの。

ホルモンというと女性ホルモンや男性ホルモンという言葉を聞いたことがあると思いますが、人はストレスがかかると「外敵から身を守らねば!」と体が反応し、男性ホルモンの分泌を増やして強い体を作ろうとします。

男性ホルモンには口周りの皮脂腺などを刺激して皮脂の分泌量を増やす作用などがあるため、皮脂が増えてニキビができやすくなるのです。

このように、ホルモンバランスが乱れる事によっても皮脂の分泌量は増減します。




皮脂は除去しすぎると増える




よく洗顔はしすぎないようにした方が良いという話がありますが、これは洗顔という行為が肌の負担になるという理由以外に、皮脂を除去しすぎると体が皮脂をより多く分泌するようになるという点も関係しています。

前述の通り、皮脂は体にとってとても重要なバリア機能ですので、皮脂が無くなってしまうと肌は急いで皮脂を作り出そうとします。

これが頻繁に繰り返されると、少しでも多く皮脂を分泌して肌に皮脂を残そうと体が反応するようになってしまうため、皮脂の分泌量は徐々に増加する事に。

皮脂の分泌量が多すぎる事も肌トラブルの原因の一つですので、皮脂を除去しすぎないようにするケアが大切です。




逆に皮脂が減って「皮脂欠乏症」になる事も




皮脂の分泌は多すぎるだけではなく、少なすぎる事も問題。

皮脂の分泌量が少なすぎて十分なバリア機能が保てない状態を「皮脂欠乏症」または「乾皮症」といいます。

皮脂欠乏症となる原因としては、加齢などによって皮脂の分泌が減る他、アトピー性皮膚炎などの症状によるものなどがあります。



皮脂が少なく肌のバリア機能が保てない場合は、皮脂の代わりとなるケア用品を利用して肌の保湿を行う事が必要です。




皮脂の分泌をコントロール(抑える)方法




皮脂が過剰に分泌されてしまう体質をコントロールし、肌の状態を改善するためには洗顔の見直しや生活習慣の改善などが重要ですが、医薬品やコスメによっても皮脂をコントロールする方法があります。




イソトレチノイン治療




イソトレチノイン治療とはビタミンA誘導体の一種を服用する事で、肌の皮脂分泌を強制的にストップさせていく治療法の事。

欧米圏では重度のニキビ治療によく用いられる手法で、日本国内ではまだ未承認となっていますが、取り扱っている医院も存在しています。



イソトレチノイン治療について



ライスパワー®No.6




化粧品成分であるライスパワー®No.6は2017年に「皮脂の抑制」で医薬部外品の認定を受けたもので、肌に塗る事で過剰な皮脂の分泌を抑える働きが認められています。

試験によると7日間で60%の皮脂を抑制する結果が得られたという事で、今後皮脂をケアするコスメが多く販売されてくる事が予想されます。



ライスパワー®No.6について

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