総務省が発表した「世代別インターネット利用の目的・用途」によると、インターネットの利用目的として最も多いのが「電子メールの送受信」。
次いで、「商品・サービスの購入・取引」も20代~50代の利用者では5割を超えている。
インターネットを使ったショッピング=EC(Eコマース)は、今や日常生活において欠かせないサービスになったと言えるだろう。
VR技術はそんなECにも変化をもたらそうとしている。
この記事では、VR技術が見せるECの新たな姿についてご紹介したい。
売れるワケないと言われた状況から物流に影響を及ぼすほどに拡大したEC
インターネットが普及し始めた当初は「インターネットでものが売れるわけがない」「ECが成功するわけがない」といった声もささやかれたが、そんな中でも、Amazonや楽天市場は着実にシェアを拡大。
その後も「ネットで売れるのは本やゲームなど限定的なもの」という声が上がったが、服や靴といった試着が必要なモノから生鮮品まで、もはや現在、ネットで買えないものはないという状況になった。
むしろ利用者が増えたために、運送会社が追い込まれるというネガティブな現象も発生。
現在のECは販売のみならず、自動運転ドローンを活用するなど物流まで含めてどうやってより高い生産性を実現するか模索している。
現在のECの手が届かない部分を補うVR技術
現時点でVRへの取り組みが表に出てきているEC事業者は、ショッピングサイト「タオバオワン(淘宝網)」を運営する中国の「アリババ(阿里巴巴)」、地球規模のインターネットオークションサービス「eBay」を運営するアメリカのeBay Inc.だ。
また、EC事業者側からではなくVR事業者側からECへアプローチしようとしているのが、VRゴーグル「ハコスコ」を発売している「株式会社ハコスコ」。
いずれも、現在のECでは手が届いていない部分をVRでフォローすることにより、インターネットショッピングの体験を変えようとしている。
では、具体的にどう変えようとしているのか!?
それぞれの事例を見て行こう。
リアルなショッピングを再現するアリババ「BUY+」
中国の「アリババ(阿里巴巴)」が提供する「BUY+(バイプラス)」は、現実のショッピング体験を忠実にVRで再現しよう、という試み。
VR空間内に存在する店内を実際に動いて商品を手に取り、購入することができる。
あれこれと売り場を見て回り、商品を手に取って悩むという一連の行為が生む「ショッピングのだいご味」を再現している点が特徴的だ。
「とにかく欲しい商品が即座に買えればよい」と考える人は従来のオンラインショッピングを。
「ショッピングに楽しさが欲しい」と考える人は「BUY+」を…という形で住み分けができるという点も興味深い。
ECの良さとリアルの良さを融合eBay「VR百貨店」
「eBay」がオーストラリア大手小売業者のマイヤー社と提携して立ち上げたのが「VR百貨店」。
ゲームのメニュー画面のように未来的なインターフェースを持っており、現実のショッピングを再現しようとしていた「BUY+」とは対照的。
3Dで描かれた商品を手に取って閲覧可能になっているため、ユーザーは通常のECサイトでは確認できないような詳細な商品情報を確認できる。
つまり、「VR百貨店」はVRを使用して従来のECサイトの仕組みのアップグレードさせようとしているのだろう。
商品を選択したり、購入したりといった部分はメニュー的なインターフェースを使用してお手軽に。
でも商品購入に必要な情報についてはVRを使ってより詳しく…といったコンセプトがイメージできる。
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「世界初のVR百貨店開店 !eBay、近未来のバーチャル・ショッピングを提供」
プロモーションまで視野に入れたECパッケージハコスコ「VR for EC」
株式会社ハコスコが株式会社シー・エヌ・エスとマーケティング・パートナーシップを結んで提供するのが「VR for EC」。
まだリリースされていないが、リリース予定として上がっているのは日本のファッションブランド「Room no.8」の「VR for EC」。
内容は、「Room no.8」を愛用する人達を紹介する記事『Room no.8な人達. . .』と連動し、記事の撮影の様子が覗ける360度ムービーを公開、ムービー内で登場した商品が購入可能…というもの。
つまり「VR for EC」は、従来の「コンテンツマーケティング」の手法にVRを利用することで、より感情移入を促進させようという試みのようだ。
「VR for EC」はEC事業者をクライアントとしたコンサルティングサービスの一環として提供されるようなので、このコンセプトは頷ける。
VRは未来のショッピングを変えるのか?
リアルのショッピングをVRで置き換えようとしている「BUY+(バイプラス)」、オンラインショッピングをVRで置き換えようとしている「VR百貨店」、コンテンツマーケティングをVRで置き換えようとしている「VR for EC」。
三者三様で狙いどころが異なっている点がおもしろい。
ところで「インターネットでモノが売れるワケがない」と言われた時代から、Amazonがここまで発展できた陰には、「アフィリエイト広告」という発明も強く影響しているように思われる。
アフィリエイト広告は、広告をWEBサイトに掲載すると、誰かがその広告をクリックして商品を購入した際に、広告掲載者に広告報酬が支払われるという仕組み。
このアフィリエイト広告(=「Amazonアソシエイト」)の仕組みを発明したことで、インターネット上のそこここにAmazonへのリンクが張られ、Amazonは強力な集客力を手に入れた。
今後「BUY+(バイプラス)」や「VR百貨店」、「VR for EC」といったVRECが発展する上でも、集客の導線をどう確保するか?は課題だ。
もし、どこかのVR-ECがアフィリエイト広告のようにクレバーな解決策を見出したら、一気にVR-ECの普及が進むのではないだろうか?
そう考えると、VR-ECを狙っていくのであれば、新たな集客の導線を発明する…という方向性も悪くなさそうだ。
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