VRを用いた企業向け研修導入支援・制作を行う株式会社エドガは、慶應義塾大学病院精神・神経科の佐渡充洋医師チームと連携し、不安障害の治療にマインドフルネスの要素を取り入れた暴露療法用VRコンテンツの共同開発プロジェクトを開始したことを発表しました。


パニック障害・不安障害とは?

「不安障害」というのは、精神疾患の中で、不安を主症状とする疾患群をまとめた名称で、パニック障害や、閉所や広場などの特定の状況などを恐怖に感じる恐怖症なども不安障害に分類されます。

国内で何らかの不安障害を持っている人の割合は、平成14-18年度に厚生労働省が行った疫学調査によると、生涯有病率で約9.2%でした。

また、米国では不安障害を抱える人は、増加傾向にあるという調査データも報告されています。

「不安障害」の発生要因は心因性のものだけでなく、社会的な背景を要因とするものや脳機能異常などがあるといわれていますが、まだ十分な解明はなされていません。

参考:厚生労働省WEBページ「みんなのメンタルヘルス」 パニック障害・不安障害

日常生活に支障となる不安障害

この不安障害を抱える人々のなかには、広場恐怖と呼ばれる症状が認められるケースがあります。

これは、パニック発作が起きたときにそこから逃れられない、あるいは助けが得られないような状況や場所に恐怖を感じ、避ける症状のことを指します。

しかし、その症状のため電車や人混み・行列など、日常生活を送るうえで避けられないような場所に近づくことが困難となってしまい、著しく行動を制限されてしまうケースもあります。





VRによる「0回目の本番」で不安を克服


エドガ社は、VRを医療分野で活用し、その効果実証に向けて慶應義塾大学病院精神・神経科佐渡医師との共同開発を行います。

パニック障害や広場恐怖を対象にした共同開発プロジェクト

今回の取り組みでは、不安障害のなかでも、「パニック障害」や「広場恐怖」を主な対象としています。

慶應義塾大学病院の佐渡医師との連携のもと、これらの症状の治療として効果的と言われる「曝露療法」の手法にVRの要素を取り入れたプログラムの開発が行われます。

本コンテンツ開発により、パニック障害や広場恐怖などの症状のある人が苦手とする場面(電車や閉じられた空間など)における対処能力の改善が、場所を選ばずより容易にできる可能性があるため、時間的コストなどの削減も期待されています。

「マインドフルネス」を取り入れたコンテンツを開発

今回のプロジェクトの特徴は、VRコンテンツの中に「マインドフルネス」の要素を取り入れるという点です。

佐渡医師によれば、「マインドフルネス」とは瞑想から連想されるものだけでなく、「今、この瞬間の体験に気づいて、それをありのままに受け入れる態度および方法(大谷彰氏の定義より引用) 」であり、今回のVRコンテンツでは、この考え方を前提に「不快な経験・感覚があっても大丈夫」という自己肯定感を生み、植え付けるためのトレーニングツールとしての共同開発が行われます。

また、エドガ社は、誰もが生きやすい社会をつくるため、「0回目の本番」で何度でもチャレンジを経験し、新しい一歩への不安や恐怖を克服することができるよう、VR活用の幅を拡げていくとしています。

佐渡 充洋医師 プロフィール

岡山大学医学部卒、1999年より慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室に入局。

2005年、ロンドン大学大学院留学を経て、現在、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室専任講師。

マサチューセッツ大学医学部認定マインドフルネスストレス低減法qualified teacher、オックスフォード大学マインドフルネス認知療法認定コースステップ1終了。

まとめ

今回のプロジェクトで進められている「曝露療法」は広場恐怖に最も効果のある治療法とされています。

「段階的曝露療法」として、容易な段階から挑戦して、出来たらその上を目指すというやり方で行動練習が行われます。

一人で電車に乗れない場合は、はじめは家族同伴で乗ってみる、次は家族とは別の車両に乗ってみる、できたら一駅だけ一人で乗ってみるなど少しずつ成功体験を積み上げていく方法ですが、訓練には適した場所や多くの時間が必要です。

これをVRで再現することで、トレーニングできれば、時間が短縮でき、まさに「0回目の本番」として、何度でもチャレンジすることができますね。

ソース:不安障害治療のためのVRコンテンツ開発に関するプレスリリース[PR TIMES]








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情報提供元:VR Inside
記事名:「VRで不安障害の治療に!エドガ×慶大病院が暴露療法用VRコンテンツの開発スタート