5月に開発元のOverkill SoftwareからVRへの対応予定が発表されたPC用FPSタイトル『Payday 2』。今年中にVRに対応するとされていたこの作品のアップデート(ベータ版)が提供され、VRでのプレイが可能になった。
VRへの対応は無料のアップデートとして提供されており、PC版Payday 2を所有しているユーザならばベータへの参加をオンにすることでHTC ViveまたはOculus Riftを使ってVRデバイスでのプレイが可能だ。
元々の発売は2013年と古い作品だが、要素の追加やバランス調整を含むアップデートによって現在も多くのプレイヤーがいる作品だ。11月20日時点でも、最大5万人がプレイしている。過去にプレイ経験があり、VRデバイスを持っているユーザの出戻りも多そうだ。
VRユーザ同士だけでなく非VRでプレイするPCユーザとのマルチプレイも可能なため、マッチングされずに悩むこともないだろう。
VRで給料日
マスク
Payday 2のビジュアルで特徴となっているのが、プレイヤーの好みで選べるマスクだ。いかにもなピエロのようなデザインから季節に合わせたものや変わり種まで用意されており、外見の変化に乏しいこの作品の中で数少ない個性をアピールできるポイントでもある。
さらに、マスクの有無はシステム的に重要な意味を持つ。マスクをしていなければ一般人扱いだが、マスクを被っていればNPCはすぐにプレイヤーを通報するか、キャラクターによっては発砲してくる。
マスク(プレイヤーにとってはVRヘッドセット)を付ければ仕事の始まりだ。
完成されたゲーム
Payday 2は2013年に発売された作品であり、オリジナルのVRゲームではない。そのためVRならではの操作を活かした謎解きといった要素はないが、ゲーム自体が完成されていることはメリットでもある。バグだらけでまともに遊べない、ということにはならないだろう。
リリース時にはVRでプレイしたときにのみ発生するバグなども存在したようだが、VR機能追加の翌日から早速アップデートで修正が行われ始めている。現時点で修正されていない不具合についても、検証されれば対応が進むだろう。
HTC Vive/Oculus Rift対応
Steamのストアページで対応が明記されているVRデバイスはHTC Viveのみなのだが、Payday 2のVRモードはOculus Riftにも対応している。当初はバグがあったようだが、11月18日のアップデート情報でOculusデバイスのサポートが修正された。
ただ、Payday 2をVRでプレイするにはルームスケールVRのセットアップが必要だ。Oculus Riftの標準的なパッケージにはセンサーが2つしか含まれていないため、別売のセンサーを追加して3つのセンサーを使ったプレイ環境を構築することが推奨されている。
HTC Viveの方が本体の価格が高いが、こちらは基本セットにセンサーが含まれているので追加のセンサーなしでルームスケールVRに対応できる。
Windows MRへの対応も?
以前からデベロッパーはWindows Mixed RealityヘッドセットでSteamVRを利用することが可能だったが、今月に入って一般のユーザにもSteam Preview機能が開放された。もっとも、Windows MRへの対応が公式に認められているVRゲームはまだ少ない。
Payday 2もWindows MRに対応しているとは記載されていないが、どうやら起動することはできるようだ。
動作の確認が行われれば、Oculus RiftやWindows MRヘッドセットも対応デバイス欄に追加されるかもしれない。
VRの入り口になるゲーム
VRゲームには、VR用に開発されるオリジナル作品だけでなくPC用・コンソール用ゲームの移植作品も存在する。多くの消費者がVRデバイスを購入するきっかけとなるのはおそらく後者だろう。面白いかどうか全く分からない完全新作に比べれば、過去に遊んだ名作をVRで試してみたいと感じるプレイヤーが多いはずだ。
VRバージョンの開発
VRバージョンが新たに開発されている作品としては、『Skyrim VR』や『Serious Sam』シリーズのVRタイトルが挙げられる。いずれも過去に非VRのPCゲームとして人気だった作品のVRバージョンだ。
別のゲームとして開発されているので購入し直さなければならないが、それでもVRバージョンが売れるだけの人気作である。
アップデートでの追加
Payday 2も非VRで人気の作品だが、新たにVRバージョンが開発された作品とはやや事情が異なる。Payday 2のVRモードは、PC版のPayday 2を所有するユーザに無料で提供されるからだ。
VRデバイスを持っていないと利用できないのは同じだが、コンテンツを購入する必要がないので所有するPayday 2がVRに対応したからデバイスを買ってみるというVRユーザが生まれる可能性がある。
VRだからこそできる仕掛けがあるのはVR専用の作品だが、新規開発のオリジナルタイトルが好みに合うかはプレイしてみるまで分からない。その点、Payday 2ならば安心だ。非VRで楽しめたならば、おそらくVRでも同じように遊ぶことができる。
既にPayday 2を所有しているなら、この機会にVRデビューというのも悪くないのではないだろうか。SteamライブラリからPayday 2のベータに参加する設定を行えば、Payday 2 VRをダウンロード可能だ。
参照元サイト:Road To VR
参照元サイト:Steam
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