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ロボットをVRで遠隔操作して爆弾を処理する「テレロボティクス」という試み


海外メディアVRScoutは、ロボットをVRで遠隔操作して爆弾を処理する試みを紹介した。



ロボット工学とVRが交差する「テレロボティクス」


SRI International社の挑戦


産業用ロボットを研究開発しているSRI International社は、近年今までのロボット工学研究とVRテクノロジーを融合する研究を進めている。


同社が開発した代表的なロボット「Taurus」は、今まではディスプレイとコントローラーを使って遠隔操作していた。そうしたなか、VRヘッドセットが実用化されたことにより、ディスプレイではなくVRヘッドセットを使ってロボットを操作しようとする研究に着手したのだ。


現在、まだ実用段階には達していないが、Oculus Rift&touchを使ってTaurusを遠隔操作することには成功している。


taurusをOculus Rfit&Tochで操作する様子


TaurusをOculus Touchを使って操作する時、Taurusの手の部分にかかる圧力がわかるように、ハプティック・フィードバック機能も追加実装している、とのこと。


以上のようなロボットを遠隔で操作することのメリットは、危険な作業を安全に行うところにある。実際、このシステムは爆弾処理をはじめとした危険物の除去作業に活用することを想定している。


テレロボティクス実現への課題


SRI International社では、ロボットとVRを融合させる研究を「テレロボティクス」と呼んでいるのだが、同研究部門を率いるThomas Low氏は、克服すべき研究課題として以下のようなことを述べている。


(Oculus RiftやVIVEのような)第1世代のコンシューマー用VRヘッドセットのもつ画像の解像度では、Taurusが映し出す動画をキャプチャーするには十分でないのです。


しかし、操作性や低コストの実現というメリットが解像度に関する欠点を補って余りあるほどです。


とはいうものも、同氏は現在のOculus Rfit&Touchを使ったテレロボティクス・システムに満足しているわけではなく、まずVIVEでも同様のシステムを実現し、さらに将来より解像度の高いVRヘッドセットがリリースされた時は、最高のVRヘッドセットを使うことを予定している。


VRとロボットが融合するシステムの事例


ロボットとVRが交差する領域の研究は、テレロボティクスのほかにも多数の事例が報告されている。


ロボットアームによる遠隔手術



ロンドンを拠点に活動するデザイン、テクノロジー企業であるRoom Oneは、先日ドイツのアーヘンにて開催したEricsson’s Innovtion Dayにてデモ展示を行なった。


ヘッドセットを装着した人間の手の動きに合わせて、遠隔地にいるロボットアームが動く、というものだ。ロボットに取り付けたカメラ映像がヘッドセットに伝送されるため、まるで自分がその場にいて、自分の手を動かしているかのような感覚で操作できる。


Room Oneは、この技術を医療現場で活用することを考えており、遠隔地からの手術や医療機関での教育で使用できる。


テレイグジスタンス


本記事で紹介した「テレロボティクス」とよく似た事例として、「テレイグジスタンス」が知られている。


「テレイグジスタンス」とは、遠隔地に存在するロボットから知覚情報をヒトに送信して、遠隔地にいるバーチャル体験を実現しようとするアイデアである。このアイデアにおいて、ロボットが収集する知覚情報をヒトがリアルに体験する際の言わば「橋渡し」となるのが、VRテクノロジーなのだ。


テレイグジステタンスを30年以上にわたって研究している舘 暲(たち すすむ)東京大学名誉教授の研究室は、YouTubeに研究成果を解説する動画をアップしている。その動画を見ると、近年のVRとロボット工学の進歩によって、テレイグジスタンスの実用化が絵空事ではなくなっていることが実感できる(以下の動画を参照)。



NVIDIA Isaac



大手GPU販売企業であるNVIDIAは、AIを実装したロボットにリアルな世界における何らかの行為を学習させ、ヒトと同じように実行させることを目指すプロジェクト「NVIDIA Isaac」を進めている。


同プロジェクトについては、ゲーム開発者の世界的カンファレンスGDC 2017においてプレゼンされ、そのプレゼンでは実際にミニホッケーでゴールを決めたり、ゴルフのティーパットを学習するロボットのデモ動画が公開された(上の動画参照)。


今年開催されたSIGGRAPH 2017において、同プロジェクトをさらに発展させたアイデアを披露するデモが公開された。



そのデモとは、リアルな世界とバーチャルな世界の両方でロボットとドミノ並べをする、というものだった。同デモのねらいは、以下にように説明されている。


一度Isaacをバーチャルなラボで訓練すれば、Isaacが獲得したスキルはリアルとバーチャルというふたつの領域の垣根を越えて、この両方の世界で活用できるようになります。


…リアルなVR空間で働くことができ、さらにはヒトと共同作業ができるロボットを開発すれば、ロボット研究者はより安全により早く、そしてより安くロボットを訓練して、リアルな世界に働かせることができるようになるのです。


以上のように、VRとロボット工学は実は相性のよい研究領域なのだ。本メディアでは、これからも「VR x ロボティクス」の研究・プロダクト事例を紹介していきたい。


ロボットをVRで遠隔操作して爆弾を処理する試みを紹介したVRScoutの記事

https://vrscout.com/news/taurus-bomb-robot-virtual-reality/


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