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Microsoft、MRをコンピュータの歴史から説明したアニメーションを公開(日本語字幕付き)


Microsoftは、MR(Mixed Reality)を解説するアニメーションをYouTubeで公開した。



デジタル世界がリアル世界に追いついたMR


同社は、同社が開発しているHoloLensによって可能となるとされるMixed Reality(MR)体験を解説するアニメーションをYouTubeで公開した。


同動画は、MRをコンピュータの開発史における最先端に位置付けている。なお、同動画の音声は英語であるが、日本語字幕を設定することができる



表でわかるコンピュータ開発史


同動画が解説するコンピュータ開発史を、表にまとめると以下のようになる。













































開発次期入力デバイス出力デバイス代表的デバイス
1967パンチカードプリントされた紙メインフレーム
1977キーボードディスプレイAppleⅡ
1987マウス&キーボードディスプレイWindows 2.0
1997タッチペンディスプレイWindows Pocket PC
2007タッチスクリーンタッチスクリーンiOS、Android、Windows Mobile
2017ジェスチャーMRレンズHoloLens

以上の表は、理解を容易にする目的から、同動画では直接言及されていないデバイスも記載している。そのようなデバイスとして、1977年にリリースされたApple Ⅱがある。同動画では1977年に登場したデバイス名を明かしていないが、その形状とコマンド入力による制御(つまりはCharacter User Interface:CUI)を採用していることからApple Ⅱと解釈して間違いないだろう。


「より自然に」なってきたインターフェース


同動画では、MR体験のことを「人間とコンピューターの関係の次のステップ」と表現している。この表現と上の表の時代区分から、MicrosoftにとってHoloLensとは人間とコンピューターの関係、つまりはコンピューター・インターフェース開発史に新しいページを記すデバイス、と位置付けていることがわかる。


ところで、HoloLensによって実現するMR体験にいたるまでのコンピューター・インターフェース開発史には、何らかの傾向性が認められるのではなかろうか。理解可能なように言い直すと、インターフェース開発史において画期的なデバイスの発明に関わった開発者は、当然ならばそれぞれ異なった人々であろうが、そうした個々の開発者の思いを超えて歴史を通じて流れるインタフェース進化を司る特徴があるのではなかろうか。


そうしたインタフェース進化史の原動力とは、ヒトとコンピュータの関係をより直観的・直接的に、一言でいえばより「自然に」する努力ではなかろうか。こうしたインタフェースの自然化を推し進めた結果、コンピューター・ユーザーであるヒトがいるリアルな世界と、コンピューターによって構築されるデジタル世界の差異が少なくなり、MR体験が実現するにいたって、ついにこのふたつの世界が重なった、とまとめるのがもっとも矛盾のない見方のように思われる。


ちなみに、以上のような「インターフェースの自然化」という歴史観からVR・AR(・MR)を考察した記事を、本メディアでは過去に掲載している。


(参考記事)

「【連載コラム】毎日がVR元年(3)不可避なXRテクノロジーの進化システム〈前編〉」


また、現在開催中のSIGGRAPH 2017で公開された脳波でコンピューターとインタラクションするインターフェースであるBRI(Brain computer Interface)を自然化するインタフェース史に位置づけて紹介した記事も最近掲載した。


(参考記事)

「SIGGRAPH 2017でVIVEを改造した脳波コントローラーでプレイするゲーム「Awakening」が公開される」


XRテクノロジーを俯瞰する基準


ところで、最近ではMRを含めたVR・ARを総称してXRという呼称が使われ始めている。XRにおける「X」とは未知数のXを意味しており、XにはVirtualの「V」が代入されたり、Augmentedの「A」、Mixedの「M」が入る。未知数にしているのは、長期的な予想では、今後さらに様々な体験が発明される可能性が高いからだ。


VR・AR・MRの違いについては、たびたび議論され、本メディアでも2017年7月13日付の記事で論じている。


こうした新規の体験相互の違いを理解することは、非常に重要である。しかしながら、同時にXR体験に共通する言わばXR体験の核といえる特徴とは何か、という観点も同じように重要であろう。


XR体験の共通点に関して、本メディア2017年7月26日付の記事でGoogle VR幹部の発言を紹介した。


Google VR部門を率いるClay Bavor氏は、XR体験の核となるものを「没入的コンピューティング(immersive computing)」と呼んでいる。この概念の説明として、同氏は以下のように述べいている。


VRとARの違いとは、ある同一の範囲における違いなのです。私は、その範囲のことを「没入的コンピューティング(immersive computing)」と呼んでいます。


そもそも、VRとARのレッテル貼りには興味がありません。VRとARの違いはデジタル・イメージがユーザーに感じられる範囲の違いに過ぎないのです。


VRでは、ユーザーが体験する全てがコンピュータによって生成されます。対してARでは、ユーザーがいるリアルな環境にデジタル情報が部分的に付加されるのです。


同氏が言わんとしていることは、VR・AR・MRのそれぞれの区別はユーザー体験におけるデジタル情報が占める程度の差に過ぎない、ということになろう。こうした同氏のいう没入的コンピューティングという基準に従って、各種XR体験を区別すると以下の表のようになる。























体験名使用デバイス没入的コンピューティング適用範囲
VRVRヘッドセット100%
モバイルARスマホスマホ・ディスプレイがユーザーの視野を占める範囲
(ハイエンドAR)・MRHoloLens、Meta 2、AppleGlass?0~100%未満

結局のところ、XR体験相互の違いは、程度の差であって質的な差ではないようだ。このことをメタファーを使って述べると、XR体験相互の違いはリアルな世界にデジタルな世界が溶け込んでいる割合に過ぎない、と言える。


以上のようなXR体験が可能になったのも、MicrosoftのMR解説動画が示しているように「インターフェースの自然化」が推し進められた結果、デジタル世界とリアル世界の区別が希薄になり、デジタル世界をリアル世界に「溶かす」ことができるようになったからのだ。


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