海外メディアHollywoodReporterは、実写版リメイク作品「ライオン・キング」にVRが使われていることを報じた。

リアルな映画セットを見ながらアフレコする時代へ

CGを多用する今日のハリウッド大作映画では、出演者がグリーンバック(CG合成用に使う緑色の背景)の前で演技することが珍しくない。上映される映画のなかでは、宇宙船のなかや密林で活躍している出演者は、実際には撮影スタジオで演技していることがしばしばなのだ。

2019年7月19日にアメリカで公開を予定しているディズニー映画「ライオン・キング」の実写版リメイクでは、現在のやや「不自然な」撮影方法を変える試みがなされている。同社がカリフォルニア州アナハイムで開催しているD23エキスポで一部の関係者のみを招待した同映画の試写会において、同映画を監督するJon Favreauは以下のようにコメントした。

映画を制作するにあたり、出演者がまるで本物の映画セットを見ているかのように感じてもらうため、VRツールを使う予定です。

出演者は、まるでカメラマンのようにセットを歩き回ることができるのです。VRヘッドセットを着用した出演者は、ほかの出演者も見ることができます。そして、VRヘッドセットから見えるシーンはリアルなので、本当にそうしたシーンのなかにいるかのように感じられるのです。

ちなみに、同映画の監督Jon Favreauは昨年公開されたディズニー映画「ジャングル・ブック」も監督している。同映画は、主人公の少年以外の動物はすべてCGで制作していながら、違和感のないリアルな描写を実現したことで高い評価を得た。このほどのVRヘッドセットを使った制作方法は、リアルなヒトである出演者とCGの合成を、さらに次の次元に高める試みと言えよう。

ディズニーアニメと実写化

近年、ディズニーはかつてのアニメ映画をを実写化することに積極的だ。今年のゴールデンウィークに合わせて日本で公開された実写映画「美女と野獣」の大ヒットは、その最たる例であろう。同社は、今後も同様のアプローチの実写映画の公開を多数予定している。

アニメ映画が日本で1954年に公開された「ダンボ」は、2019年3月29日にアメリカで公開予定だ。同映画の監督を務めるのは、独特の映像美で有名なティム・バートンだ。

そのほかには、アメリカで1940年に公開されたアニメ映画「ピノキオ」の実写リメイク版の制作が進行している。ピノキオを演じるのは、映画「アイアンマン」シリーズでトニー・スタークを演じたロバート・ダウニー・Jrが決定している。

以上のような実写映画は、そもそも登場人物がヒトではないのでCGを多用することは明らかである。こうした今後のディズニー実写映画で、「ライオン・キング」で採用されたようなVRヘッドセットを活用した撮影方法を実行するかどうかはわからない。しかし、ヒトではないキャラクターの目線でCGで制作されたシーンに没入して演技するのは、出演者が演技に集中する助けになるので、今後のCG映画制作の主流になっても不思議ではない。

ディズニーとVR・AR

ディズニーとVR・ARの関わりに関しては、本メディアでも度々報じてきた。

Disney Acceleratorプログラム

Disney Accelerator

Disney Acceleratorプログラムは2014年に始まり、Sphero、Littlestar、Jaunt、LittleBitsなどの最先端テクノロジーカンパニーが参加してきた支援プログラムで、選ばれたカンパニーはDisneyからの資金援助が受けられる。

さらに、3ヶ月のプログラムでは世界中から集まった参加者がDisneyのクリエティブエキスパート、投資者、エンターテイメントリーダーなどからプロダクトとコンテンツの開発の指導を受けられる。

プログラムの間はロサンゼルスにあるDisneyクリエティブキャンパスの共同ワークスペースを利用できる。そして、プログラムは最後のデモデイで、参加企業がプログラムの成果をそれぞれプレゼンテーションして終わりとなる。

Disney Acceleratorプログラムは2017年で第4回目となり、11の企業が参加する。同プログラムはVRをターゲットにしたものではないが、最近ではEpic Games、THE VOIDなどVRテクノロジーを開発する企業が多数参加している。

Star Sars: Jedi Challenges

7月15日、実写リメイク版「ライオン・キング」が試射されたディズニー主催のファン・イベントD23エキスポにおいて、スターウォーズテーマの新しいデバイス&コンテンツ「Star Sars: Jedi Challenges」が発表された。

このARヘッドセットの開発に当たっては、Lenovoが協力しているという。また、スターウォーズのルーカスフィルムももちろんこのプロジェクトのパートナーだ。

公式サイトで公開されたトレイラー映像を見ても、女性がARヘッドセットを付けてライトセーバーを握る場面が映っているだけで、ARでどういった映像が見えるのかは全く分からない。

以上のように莫大なコンテンツを所有しているディズニーは、VR・ARへの投資・開発に積極的である。今後も同社のキャラクターを活用したVR・ARコンテンツのニュースが度々報じられることだろう。

実写版リメイク作品「ライオン・キング」にVRが使われていることを報じたHollywoodReporterの記事
http://www.hollywoodreporter.com/behind-screen/lion-king-disney-unveils-jaw-dropping-first-footage-jon-favreaus-remake-at-d23-1021535

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情報提供元:VR Inside
記事名:「アフレコもVRの時代に。ディズニー、「ライオン・キング」の実写リメイク版の制作にVRを活用