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無限スクロールの課題とは!スクロールが長いサイトのデザイン手法


本稿は、Smashing magazineのブログ記事を許可を得て日本語翻訳し掲載した記事になります。


本記事は、UXデザイナーのNick Babich氏によって投稿されました。


 


縦長で無限にスクロールするWebサイトが最近一般的になってきています。ロングスクロールを使うと、ユーザーはページをスクロールするだけで大量のコンテンツを閲覧することができるようになります。


無限スクロールはFacebook・Twitterなどのフィードで見られる、エンドレスなスクロールの手法です。


ロングスクロールには次のような利点があります。



  • ユーザーをより引き込むことができます。スクロールを利用することで、目的のために必要な操作を最小限に抑えることができます。「次へ」をクリックする必要がないというメリットによって、ユーザーは次のページに移動する変化を気にすることなくコンテンツに没頭することができます。

  • モバイルデバイスにうまく変換されます。ロングスクロール技術の普及の背景には、モバイル画面がよく使われるようになったということが大きく関わっています。画面が小さいほどスクロールの頻度は増えます。モバイルデバイスのジェスチャーコントロールによって、スクロールは直感的で楽しいものになります。


しかし、このやり方には欠点がないわけではありません。デザイナーはコンテンツとナビゲーションにしっかりと注意を払う必要があります。


この記事ではロングスクロールにおいてのいくつかの利点、考慮すべき点、それと簡単なヒントについて解説します。


 


どのようなときにロングスクロールを利用するか


ロングスクロールはすべてのWebサイトに使われるわけではありません。次のような場合にふさわしいでしょう。



  • ストーリーテリング(ストーリーテラーのために線型構造を作り出す)

  • 長い記事や複数のステップによるチュートリアルなど、連続した長いコンテンツ(複数のページに分割するよりもユーザーエクスペリエンスが向上する)




  • コンテンツを別々のパーツに分割できず、全体として提示する必要がある場合(インフォグラフィックなど)

  • 製品の機能・品質・特質を物語形式で見せたいとき



 


どのようにロングスクロールを実装するか


次の10のルールが、ロングスクロールによいユーザーエクスペリエンスをもたらすのに役立ちます。


1. ユーザーにスクロールを促す


ページが表示されるとすぐにユーザーはスクロールを開始しますが、サイト上部のコンテンツは依然として重要です。


訪問者の最初の印象と品質に関する予想は、ページ上部の内容で決まります。ユーザーがページをスクロールするのは、サイトの上部に表示されているのが期待できるものである場合だけです。なので、最も魅力的なコンテンツを置きましょう。



  • 良い導入部・前書きを提示しましょう。(コンテンツの状況をはっきりさせて、ユーザーに「このページがどういうものであるか」ということを分かってもらうことができます)

  • 魅力的な画像を使いましょう。(そのサイトに関連する情報を含む画像は、ユーザーの注意を引きつけます)


 


2. ナビゲーションオプションを常に保持する


ロングスクロールのWebサイトを作成する場合、ユーザーは現在の位置とナビゲーションを把握したいと思っていることを忘れないでください。ロングスクロールではナビゲーションに関する問題が起こることがあります。


ページをスクロールしたときにナビゲーションバーが表示されなくなった場合、下の方までスクロールしていたのに一番上まで戻らなければいけなくなったりします。


こういう問題に対しての解決策として、常に一貫した場所に表示され続けるメニューがあります。



モバイルデバイスの場合:モバイル画面は他のデバイスよりも小さいため、ナビゲーションバーが画面の大部分を占めることがあります。ユーザーがコンテンツを見るためにスクロールしているときはナビゲーションバーを隠して、トップに戻るために画面を引き下げたときに表示させるとよいでしょう。



ヒント:追加のナビゲーションを使用して、ページ内の各セクションの間をジャンプさせることもできます。


以下のアニメーションの場合、ユーザーは自分の進行状況を確認することができると同時に特定のセクションへのショートカットとしてこれを利用することができます。



 


3.「戻る」ボタンが適切に動作することを確認する


ロングスクロールのサイトでは、ユーザーが自分のページ上の位置を見失うことがよくあります。ロングスクロールのリストからクリックして該当のページに行ったあと「戻る」ボタンを押したとき、元いた場所でなくページの一番上に戻ってしまうというような形です。


そうすると、一度見たコンテンツをまたスクロールしなければいけなくなります。適切な場所に戻れないことで、当然ユーザーは不満を感じるでしょう。


フィード内の要素をアクティブにしたあと、元いたところにきちんと戻れるようにしておく必要があります。Flickrの「戻る」ボタンはこのような機能についての良い例です。スクロール位置が記憶されており、「戻る」ボタンを押すと元の場所に戻ることができます。



 


4. スクロール位置に基づいてURLを変更する


ロングスクロールの一般的な問題のひとつとして、ページ上の特定の場所へのURLによる共有ができないという点があります。スクロール位置はURLに反映されず、そのページの先頭に繋がります。


URLが現在の位置を捉えないので、ユーザーは画面を簡単に切り替えることができなくなり苛立つことになります。


HTML5からは、history.pushState()関数を使うことで、ページをリロードすることなくブラウザに表示されるURLを変更することが可能になっています。


 


5. ページ内ジャンプ機能を使用する


ロングスクロールのもうひとつの共通の問題は、方向感覚がなくなることです。ユーザーは前に見たものを探すときに苦労します。長いチュートリアルなど、コンテンツが複数の重要なセクションに分かれている場合に特に深刻な問題になります。


「セクションへジャンプ」オプションをつけることでこの現象を解決することができます。


例えばTumblrでは、ページ内で迷子になったときのためにページの下や上にジャンプすることができるようになっています。ページ上のコンテンツはいくつかのはっきりしたブロックに分けられており、大きなインジケーターのドットが画面の左に固定されています。



ヒント:「セクションへジャンプ」機能では、インジケーターのドットを使いやすくする必要があります。


ドットがクリックやタップがしにくい状態だとユーザーを苛立たせることになります。そのため、ドットの大きさが適切であるかどうか確認してください。


 


6. コンテンツを読み込むときに、視覚的なフィードバックを表示する


ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10原則のひとつによると、システム状態の視認性はUIデザインにおいて重要な原理です。ユーザーはシステム上の現在の状態をいつでも知りたいと思っており、Webサイトは閲覧者を不安にさせてはいけません。


適切な視覚的フィードバックを通して、ユーザーに今何が起きているのかを伝える必要があります。Webサイトがコンテンツを動的に読み込む場合は、ローディングが行われていることをはっきりと示さなければいけません。


進行状況を示すインジケーターを使用して、新しいコンテンツが読み込まれていることを表現しましょう。


読み込み時間は2秒~10秒の短い時間であるはずですので、システムが動作していることをループアニメーションで表すことができます。



 


7. スクロールハイジャックを行わない


スクロールハイジャックのWebサイトでは、スクロールが制御され基本的なWebブラウザの機能を無効にされてしまいます。ユーザーがページをコントロールできない上に動作の予測ができなくなってしまうため、スクロールハイジャックは好ましくありません。


この問題はAppleのMac Proのページで見ることができます。ユーザーがどれだけ早くスクロールしても、レイアウトはあらかじめ決められた速度で移動します。


このページの全てのコンテンツはスクロールに関連付けられているため、訪問者はページを遅い速度でブラウズすることを強いられてしまいます。



 


8. ページの読み込み時間を最適化する


ロングスクロールのページでは、読み込みの長さの問題も発生します。これはWebサイトにおいて致命的な問題です。


実際に、ユーザーの47%が2秒以内のWebページの読み込みを求めています。ページが3秒以内に読み込まれない場合、57%のユーザーが去ってしまいます。


ロングスクロールの読み込み時間の問題は解決することができます。レイジーローディングなどの読み込み技術を利用し、ページの読み込み時間を最適化することで基本的なコンテンツにすぐにアクセスできるようにします。


 


9. リソース消費を考慮する


ロングスクロールを使用する場合は、ページが消費するリソース(CPUとメモリ)を常に考慮に入れてください。


ページをリロードせずに複数のページの写真・アニメーションGIF・動画をスクロールすると、システムリソースが大幅に浪費される可能性があります。リソースが限られているデバイス(iPhoneなど)では大量のアセットの読み込みによる遅延が起きる可能性があります。


そのため、さまざまなデバイスでWebサイトをテストし、該当の場所を通り過ぎたときにはアニメーションや動画を一時停止するなどの手法を利用します。


 


10. ユーザーの行動を考える


ロングスクロールがどう効果的であるかを判断するために、ユーザーがどのように操作しているかを調査してください。アナリティクスデータが有効です。


例えば、Googleアナリティクスではページ解析によって何人のユーザーが折りたたまれた部分の下をクリックしているか確認することができます。そのデータに応じてデザインを調整することが可能です。


 


ECサイトでのロングスクロール


ECサイトではロングスクロールは頻繁に使用されます。ユーザーは製品のリストや検索結果を、中断することなくスクロールして閲覧し続けることができます。


ただしユーザー満足度を向上させるためには、いくつかの一般的な問題に対処する必要があります。


ナビゲーションとフィルタをスティッキーに


フィルタリングが適切に行われていると、ユーザーは何千ものWebサイト内の選択肢をニーズに合った数少ない項目に絞り込むことができます。ナビゲーションメニューとフィルタオプションを持続的に表示することで、ユーザーがコンテンツをうまく管理することができます。



 


それぞれのアイテムをブックマークできるようにする


後々参照できるように気になったアイテムを簡単にブックマークしておける機能は、ユーザーにとって強力なツールです。



 


条件に一致したアイテムの数を表示する


利用できるアイテムの数を表示することで、ユーザーはフィルタリングによる結果内容のスクロールにかかる時間を判断することができます。



 


フッターにアクセスできるようにする


ユーザーはフッターの概念を理解しており、そこにWebサイトの大事な情報があると思っています。


しかし、ロングスクロールではフッターの閲覧が困難なことがあります。ページの下に行くと新しいアイテムが継続的に読み込まれ、フッターは見えないところに押し込まれます。この問題は深刻なもののように思われますが、「もっと見る」ボタンを利用することで解決できます。


この手法では、コンテンツはオンデマンドで読み込まれることになります。新しいコンテンツは、ユーザーが「もっと見る」ボタンをクリックするまでは自動でロードされません。これによってフッターに簡単にアクセスできるようになります。



 


ロングスクロールと視差効果


インタラクションデザインはロングスクロールを使ったWebサイトの基礎であり、アニメーションはその中でも欠かせない部分です。


Web上でのユーザーの注目のスパンが約8秒であることを考えると、楽しいスクロールは注意を引きつける時間を引き伸ばすことができると言えます。閲覧者を喜ばせるアニメーションのひとつに視差効果があります。


視差スクロールでは背景画像は手前のコンテンツよりもゆっくりと動き、深みと没頭の錯覚を作り出します。この効果によって画面の立体感が増します。


 


パララックススクロールをどんなときに使うか


視差は大きな印象を与え、訪問者がもっとスクロールしたくなるなる面白い視覚効果です。ユーザーをあっと言わせたいときに便利な手法になります。



パララックススクロールは、ガイド付きの物語形式で効果を発揮します。


ストーリーをスムーズに直線的に伝えたい場合、視差効果とロングスクロールを組み合わせることによってユーザーは閲覧を実体験のように夢中になって楽しむことができます。


The Boatでは、画面がスクロールされると次のコンテンツのパスを作成しながらアニメーションによって閲覧者を次の場面に導きます。スクロールの動作はより楽しいものになり、ユーザーは「次はどうなるんだろう?」とワクワクするでしょう。



 


パララックススクロールを使うべきではないケース


多くのユーザーがはっきりしたタスク(製品の購入など)を目的としている場合は、パララックススクロールは使用しないでください。もし製品を購入するたびに視差効果を見せられるAmazonがあったら、どれだけフラストレーションがたまるか想像してみましょう。


 


パララックスとページパフォーマンス


視差効果を使用するWebサイトの多くは、スクロールのパフォーマンスに苦しんでいます。iPhoneのような高画素のデバイスでは特に害のあることです。


すべてのパフォーマンスの問題を完全に解決することはできませんが、簡単な手法でスクロールのパフォーマンスを向上させることができます。



  • ブラウザのアニメーションにはtranslate3d・scale・rotation・opacityといった手軽なプロパティのみを使用してください。

  • 大量の画像をアニメートしたり、劇的にサイズを変更させたりしてはいけません。ブラウザに画像(特に巨大なもの)をリサイズさせると、コストがかかる可能性があります。

  • 一度にたくさんのものをアニメートしないようにしましょう。


 


パララックスとアクセシビリティ


前庭機能障害を持つユーザーが、そのWebサイトを使用したとき視覚的にどのようになるかを考慮しましょう。アニメーションによって目まいが起きる可能性があります。


Val Headはより安全なアニメーションをデザインする方法として、もしWebサイトに大量の動きがある場合はモーションをオフにするオプションをつけることを推奨しています。


ボタンあるいはトグルスイッチを使用して、Webサイト上のアニメーションを減らしたり消したりできるようにします。このアイデアの研究のために、Nat TarnoffはどのWebサイトでも使用できるトグルスイッチのプロトタイプを開発しました。


 


最後に


ロングスクロールによって、没入感のあるブラウジングを生み出すことができます。


ユーザーが直感的なUIが好きであれば、スクロールの長さは気にならないでしょう。閲覧者の目的が達成され、かつ便利だと感じさせるものにしてください。


 


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