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思った以上にサバ サバ柄の羊毛フェルトグッズが食べたくなる出来


焼きサバがモチーフの小物入れ(nattu;nさん提供)

 フランス語で「お元気?」や「大丈夫」という意味を示す「サヴァ」という言葉。日本語の「どーも」のように応用例の広い言葉だそうですが、音が似ているサバ(鯖)も応用例が広いみたい。

 多種多様なサバ缶や塩サバ、サバ味噌(煮)など食べ物として以外にも、独特の背模様はデザイン的にも面白いモチーフ。まるでサバの切り身そのもの、という羊毛フェルトグッズを見つけました。

 サバ柄の羊毛フェルトを使ってグッズを作っているのは、羊毛フェルト作家のnattu;n(なっつん)さん。「妖毛thethe(ようもうざざ)」の屋号でアートイベントや展覧会に出展したり、作品を販売したりしています。

 羊毛フェルト歴は15年あまり、現在のようなウェットフェルト(水フェルト)技法で作品を作り始めたのは、12年ほど前からというnattu;nさん。それまでは妖怪をはじめ、様々なモチーフで作品作りをしていたそうですが、魚などの海洋生物をモチーフにし始めたのは、2014年ごろだったといいます。

 「当時お寿司屋さんが経営しているギャラリーで個展を開くのに使ったテーマでしたが、そこからずるずると元から好きだった海の生き物を作るのにハマっていきました」

 ジンベイザメやチョウチンアンコウのがま口や、ウツボのペットボトルケース、リュウグウノツカイのマフラーなど、モチーフを再現しつつ実用的なものにアレンジしているのが大きな特徴ですが、体の形状以外をモチーフにしたのが「サバ柄」シリーズ。サバの仲間に特徴的な、背の模様がモチーフになったグッズです。

 がま口はマサバとゴマサバ、そして焼きサバがモチーフのジッパー式小物入れ。もともとは食べ物モチーフの企画展に出展するため、魚もので考えてたどり着いたのだとか。

 出来上がった作品を見ると、まるでサバの皮をはぎ、そのまま使っているみたいにリアルな模様。模様が背にしかないマサバと、腹側にもゴマを振ったような黒い斑点があるゴマサバ、それぞれの特徴が再現されています。

ゴマサバ(手前)とマサバ(奥)のがま口(nattu;nさん提供)

 焼きサバの小物入れも、ジンワリとついた焼き目が美味しそう。炭火でパリッと焼いたように見えます。

 「思った以上に生々しい仕上がりになって、自分でも笑ってしまいました。その時の周りの反応がほぼ『サバだ……!』だったのが面白かったです」

 形ではなく、模様で人目を引くサバ柄グッズ。作品を購入した方の中には、この季節に大切な塩分補給のタブレットを入れる「塩サバケース」にしている人もいるのだそう。nattu;nさんは「あとは魚屋さんでお買い物して欲しいですね」とも語っています。

 サバは世界中で食べられており、猫の模様で使われる「サバ柄」も、英語で同じ表現があるほどポピュラーな魚。海外で使ってもウケるかもしれませんね。

<記事化協力>
nattu;nさん(@nattuny)

(咲村珠樹)

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