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アメリカの現代の猫事情。室内猫に多い「パンドラ症候群」とは



猫に癒される人は世界中で増えています。日本に限らず、アメリカでもペットとして飼われている猫の数は1億匹近いとか。(2018年1月現在)



世界中でイエネコが「人気のペット」になっていない稀有な国は、おそらくインドとアフリカの1部の地域ぐらい(その地域ではまだ大型のネコ科の動物が今でも人間を捕食しようとするそうです。)かも。



なぜそんなにネコが人気なのか?改めて考えると様々な疑問を感じますが、猫は自ら人に家畜化されることを望んだ珍しい生き物。まあ、猫にしてみれば「人間を手懐けることに成功した唯一の天才」だと思っているかも知れませんが。



しかし猫は人間と暮らすことを「選択」したことで、飼い主の1日の生活のリズムに合わせて夜行性の生き方を手放し、野性時代の1万分の1程度の縄張りの中で暮らし、交尾の楽しさや狩りの面白さまで諦めざるを得ませんでした。



自由を手放し、人間と室内で暮らす猫。アメリカでも6割の猫は完全室内飼いだそうですが、最近そんな室内飼いの猫に多い「パンドラ症候群」が話題になっています。



「パンドラ症候群」とは一体どんな症状をいうのでしょうか。今回はアメリカの現代の猫事情、室内猫に多い「パンドラ症候群」について調べてみました。



 

■アメリカの猫の死因のトップが「パンドラ症候群」




アメリカのオハイオ州立大学の獣医師、トニー・バフィントンによると、現代のアメリカの猫にとってもっとも深刻な病気は「ネコ突発性膀胱炎」だと言います。そしてこの病気は「パンドラ症候群」とも呼ばれているとか。



「この病気そのものは致命的ではありませんが、ネコ突発性膀胱炎は胃腸、皮膚、神経機能と一連の問題に繋がる事が多く、「パンドラの箱」を開けたように次々に新しい病気が見つかりやすいのです。」



この「パンドラ症候群」(ネコ突発性膀胱炎)の症状は血尿や排尿時の痛みが特徴で、この病気の猫はしばしばトイレの粗相をしてしまう事が多いそうです。治療費も高額で、ペット保険請求額の上位にランキングされるとか。



この「パンドラ症候群」がアメリカの猫の死因のトップに挙げられる理由は、無数の飼い主たちがおしっこまみれのカーペットにうんざりし、治らない病気に絶望して愛猫を安楽死させてしまうから。トニー・バフィントンは、「この病気の原因は猫のストレスではないか」と推測しています。



 

■「パンドラ症候群」の治療方法






トニー・バフィントンは、飼い主から安楽死させたくないと託された病気の猫を引き取り、研究用のコロニーに落ち着かせると、1匹ずつ幅1メートルの別々のケージに入れ、毎日同じ人が同じ時間に基本的な食事を与え、おもちゃを沢山用意した共同スペースを順番に利用させました。



安定した生活環境を与え、そこから病気の解決策を考えだそうとしたバフィントンは、そこで驚くべき結果が出たと話します。



「このコロニーで過ごさせた猫は、特別な治療をしなくても、全ての猫が快方に向かいました。」



驚くことに、重い症状で苦しんでいた猫たちは、このコロニーで半年暮らすと、ネコ突発性膀胱炎ばかりか呼吸器官などの病気まですっかり完治してしまったそうです。



「パンドラ症候群の治療方法は環境を改善することです。」



バフィントンは、猫の病気の原因は「室内環境」であると語っていました。



 

■最後に




猫は人間と暮らすことで、どの家庭にもある冷蔵庫やコンピューター、その他様々な機械の出す不愉快な低周波(人には聞こえない)に耐え、突然の訪問客やいつもと違う匂いといったストレスと戦うことを余儀なくされています。



猫にとって必要な環境とは、「不変性と予測可能性」だと言います。猫がストレスを感じないためには、



「丸々1部屋を「猫の部屋」として確保し、食べ物、水、柔らかくてくつろげる場所をたっぷりと用意して、飼い主もその部屋には入らないことが望ましい。」



そうです。バフィントンは、この猫専用の部屋を大型ネコ科の動物用語を借用して「保護区」と呼んでいました。



愛猫のために自分の家の中にこの「保護区」を用意した飼い主は、すっかり病気が治ってご機嫌の愛猫が「週に2,3日は保護区で泊まることを許してくれる」と喜んでいるそうです。



いかがですか。部屋でのんびりと過ごしているように見える猫ですが、意外にストレスを感じているようです。日本の飼い主さんも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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