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人は「2つのものに繋がり」を感じると可愛いと思ってしまうと判明!


私たちの「かわいい」という感覚はどこから生じているのでしょうか?

一般的には見た目(形状や装飾)から大きな影響を受けていることは理解できます。

しかし、それ以外にも要因はあるでしょうか?

ATRインタラクション科学研究所に所属する塩見 昌裕氏ら研究チームは、複数のロボットを使用した研究で、1台よりも2台並んでいる画像の方がかわいいと感じられ、対象間のつながりが見えると、よりかわいいと感じられることを明らかにしました。

対象自体に変化がなくとも、配置の仕方だけで「かわいい」という感覚の強さが変化するのは非常に興味深い報告です。

研究の詳細は、2023年10月18日付の科学誌『PLOS ONE』に掲載されました。

目次

  • 見た目以外で「かわいい」と感じてもらう
  • つながりのある2台のロボットが最も「かわいい」

見た目以外で「かわいい」と感じてもらう

かわいい」とは、対象に対する情愛や愛着を表現した言葉です。

現代では、対象の外見だけでなく、性格やイメージへの肯定的な気持ちから、「かわいい」と表現することが少なくありません。

そして多くの人は、生き物だけでなく、モノやロボットに対しても「かわいい」と感じており、その感情には「人と対象を繋ぐ強い力」が備わっています。

かわいい写真や動画は私たちをひきつける
Credit:Canva

例えば、動画共有サイトで、かわいい動物の動画をついつい見てしまうのも、お店やショッピングサイトで、かわいい文具やぬいぐるみを見かけると欲しくなってしまうのも、かわいいという感覚が私たちを対象へ惹きつける効果を持つためです。

だからこそ、サービスや商品を提供する側は、より「かわいい」イメージを作り上げることが大切です。

実際、動画共有サイトやショッピングサイトでは、動画や商品のイメージ画像である「サムネイルが命」だと言われています。

もっと「かわいい」と感じてもらうには!?
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

とはいえ、すべてのケースで、対象の見た目を変化させられるわけではありません。

生物の見た目を変えるのには限界がありますし、モノやロボットでも、デザイン・設計を根本的に変えることは簡単ではありません。

では、対象の見た目を変化させなくても、より「かわいい」と感じさせることは可能なのでしょうか。

塩見氏ら研究チームは、同じ見た目のロボットを複数使った実験で、「かわいい」という感覚をアップさせる新たな要因を発見しました。

つながりのある2台のロボットが最も「かわいい」

 

ただ並んでいるよりも、つながりがある方が「かわいい」と感じる!?
Credit:塩見 昌裕(ATRインタラクション科学研究所)_1人よりも2人のほうが「かわいい」?対象間のつながりが見えると人はよりかわいいと感じる~複数で活動するロボットの振る舞い設計に貢献~(2023)

研究チームは、見た目以外の「かわいい」と感じる要素の探求を続ける中で、数と関係の効果に着目しました。

例えば、1粒のサクランボよりも2粒のサクランボが房でつながっている方が「かわいい」と感じられます。

また動物の赤ちゃんが1匹でいる場合よりも、複数の動物の赤ちゃんが楽しそうにじゃれ合っている様子の方が、「かわいい」と感じるはずです。

そこで彼らは、複数の対象につながりがあると、人はその対象を「かわいい」と感じるのではないか、という仮説を立てました。

この仮説を検証するために、まず人、モノ、ロボットの数が「かわいい」と感じる度合いにどのように影響するか、201名にWEBアンケートを取りました。数と関係のパターンは次の通りです。

  • 数が1の場合
  • 数が2でただ並んでいる場合
  • 数が2でつながりを感じさせるように並んでいる場合
人、モノ、ロボットの画像(写真)を使った調査。「2人(2つ)でつながりがある」ケースが最もかわいい
Credit:塩見 昌裕(ATRインタラクション科学研究所)ら, PLOS ONE(2023)

その結果、対象の種類にかかわらず、「数が2でつながりを感じさせる」場合が最もかわいいと評価されました。

次いでチームは、ロボットが手を振る動画を、最初の実験と同じく3パターン作り、それを202名の参加者に評価してもらいました。

その結果、可愛いと感じる度合いは、「1台」よりも「つながりのない2台」方が有意に高く、「つながりのない2台」よりも「つながりのある2台」の方が有意に高いと分かりました。

2つ目の実験で使用された動画3パターン。
Credit:塩見 昌裕(ATRインタラクション科学研究所)ら, PLOS ONE(2023)

3つ目の実験では、ロボットの台数を1から10台まで変化させた動画を用い、同じパターンで152名にアンケートを取りました。

その結果、数は2台の場合が最も「かわいい」と評価されました。

これらの実験を総合すると、対象を「かわいい」と感じさせる要素には、見た目だけでなく、対象の「数」と「関係」が含まれると分かります。

「単体」よりも「複数(特に2体)」が「かわいい」と感じられ、「対象間のつながり」がよりかわいさを向上させるのです。

実験の大部分はロボットを対象にして行われましたが、この効果は、様々な対象に活用できるかもしれません。

数や関係性を考慮した画像や動画に、人々はより愛着を感じ、引き寄せられる可能性があります。

「かわいい」を今以上に演出したいなら、「1人よりも2人がかわいい」「つながりがあるともっとかわいい」ことを意識してみましょう。

全ての画像を見る

参考文献

1人よりも2人のほうが「かわいい」? 対象間のつながりが見えると人はよりかわいいと感じる ~複数で活動するロボットの振る舞い設計に貢献~ https://www.atr.jp/topics/press_231019.html

元論文

Is two cuter than one? number and relationship effects on the feeling of kawaii toward social robots https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0290433
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