犬同士の喧嘩 仲裁の方法を解説!
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犬を飼っている人にとって、犬のお散歩はもはや生活の一部となっていることでしょう。
お散歩しないと何だかそわそわする・・なんて話もよく聞きます。
そしてそうしてお散歩が生活の一部に組み込まれていると、なんとなく決まった時間にお散歩するのではないでしょうか?
そして決まった時間にお散歩すると、同じ犬や飼い主さんに会うものです。
お散歩友達ができると嬉しいですが、犬にも相性があるようで、犬同士が仲良くできないこともよくあります。
出会ったときにうまく犬どうしが挨拶することができず、唸ったり吠えたりして威嚇するときは喧嘩のもとです。
無理にそれ以上ひきあわせるのは止めましょう。
何度も会っているうちに、今まで仲良くできなかった犬どうしでも平気になり、やがて楽しそうに遊ぶことができるようになることもあります。
一方で、これまでは平穏だった犬どうしでもトラブルになってしまうこともあります。
犬友さんの連れているその犬と喧嘩になってしまったりしたらどうしますか?
びっくりして止めることができない!どうしたらいいの?!とパニックになってしまうかもしれません。
今回は、お散歩中や多頭飼いの場合などに生じがちな、犬同士の喧嘩についてご説明したいと思います。
犬同士が喧嘩したらそうすれば良いのか?仲裁したほうが良いのか?仲裁するとしたらどうすれば良いのか?
詳しく見てみましょう。
犬の喧嘩、原因とは?
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犬のコミュニケーションとしての喧嘩もある
人間にとっては、犬の喧嘩はとてもびっくりすることかもしれません。
ですが犬にとっては、喧嘩はコミュニケーションのひとつでもあるのです。
なぜ喧嘩がコミュニケーションのひとつとなるのでしょうか?
犬同士はひとつのグループとして生活して、その中で順位を決める習性があります。
そのグループの中で順位をつけるためには、喧嘩をして順位を決める必要があります。
喧嘩をしてグループの先頭に立てる存在が決まったほうが、犬同士の関係もスムーズにいくのです。
そのため、犬同士にとって喧嘩は円滑に生活していくために必要なものだと言えます。
コミュニケーションとしての喧嘩のとき、犬は自分の力を誇示することができればよいだけなので、もつれあって争っていても本気で相手を傷つけ流血するほど強く噛んだりはしません。
勝負がつけば、お互いにそれ以上の攻撃をすることもありません。
子犬のときに兄弟姉妹でそうしたコミュニケーションとしての喧嘩を学んでおくと、成犬になったときにも他の犬と良い関係を築くことができます。
コミュニケーションとしての喧嘩を知らないと、他の犬とコミュニケーションをとることができず、喧嘩が本気になってしまい、ケガさせてしまうこともあり得るからです。
人間にとっては区別がつかないとしても、犬の喧嘩がコミュニケーションとしてのものである可能性もあれば、攻撃として喧嘩している場合もあるのです。
多頭飼いでの喧嘩の原因はさまざま
また、家の中で多頭飼いしている場合の喧嘩には他の原因がある場合もあります。
例えば、なわばり争いが生じている可能性もあるでしょう。
また、食べ物をとりあって喧嘩している可能性もあります。
同じ量を与えていても、他の犬の餌を欲して喧嘩をしているケースは十分にあり得ます。
その場合は餌を食べている様子を観察し、他の犬の餌を欲しているのを発見したらすぐに叱るようにしましょう。
それぞれの犬がお互いを見ることができる範囲で、しかしちょっと距離を置いて食事をするようポジションを工夫するのも良いでしょう。
それを繰り返しているならば、他の犬の餌を欲することが悪いことであるのを理解するでしょう。
それでも、犬の喧嘩の原因に食べ物がかかわることは多いものです。
家の中では飼い主が平等に接しながらしつけをしていれば、他の犬の食べ物を横取りすることはなくなります。
しかし、一匹だけで飼われている犬の中には、他の犬の食べ物を何気なく奪ったり、奪われたことで本気で怒ってしまう犬もいるのです。
いくら家の中でのしつけができているからと言っても、散歩に出た先で他の犬も見ている前で愛犬におやつを与えることには注意が必要です。
きちんとした運営がなさてれいるドッグランでは『おやつ・食べ物の持ち込み禁止』を明示しているほどです。
犬の喧嘩は止め方よりも防止法がより大切なのです。
多頭飼いでは先住犬がガマンしていることを認めてあげて
家の中で多頭飼いする場合、また新しい犬を飼い始めた場合にも喧嘩が起こりがちです。
この場合は、先ほど述べたようにリーダーを決める喧嘩である場合と、先にいた犬のストレスが溜まっている場合があります。
先にいた犬のストレスが溜まっているようであれば、飼い主さんは先にいた犬を優先させてあげるようにしましょう。
かわいがるとき、お散歩に行く時など、常に先にいた犬から優先に行うならば、大切に思っていることを表すことができ、ストレスを軽減させることができます。
犬同士の喧嘩、仲裁の方法とは?
喧嘩の意味を見極めて仲裁を
犬同士の喧嘩がコミュニケーションであり、上下関係を決めるためのものである場合、無理にとめなくても大丈夫です。
そのような喧嘩は長続きすることがなく、どちらかが降参することですぐに終了する場合が多いからです。
このような喧嘩で仲裁しようとして飼い主が関わると、犬は飼い主を守ろうという気持ちになって喧嘩が本気になってしまうことがあります。
そして飼い主も巻き込まれ負傷してしまうおそれもあります。
激しい声を出していても、歯をむき出しにしていても、噛みつきをしていないときは落ち着いて見守っていましょう。
どちらかがお腹を見せたり、どちらかが上に乗るなどして喧嘩が終了することでしょう。
危険な犬の喧嘩の止め方
そうではなく、攻撃的な犬に喧嘩をしかけられたらどうすれば良いでしょうか?
あなたの飼い犬が怯えて逃げようとしたり、相手にしなければさっさとその場を立ち去ればよいのですが、逃げられない状況だったり、飼い犬が相手の挑発に乗ってしまったときは危険です。
特に犬どうしに体格差があったり、相手の犬に飼い主が付き添っていないときや明らかに野良犬だと判断できる場合は、手加減のない攻撃で流血したり、場合によってはどちらかの犬が死亡してしまうこともあります。
一番良い方法は水をかけることです。
散歩のときに持っているペットボトルの水ではちょっと威力がないでしょう。
近所の家の人にお願いしてバケツを貸してもらい、高い位置からバシャっと勢いよく水を撒くのが最善ですが、無理な場合はペットボトルに道端の小石を入れて、大きな音がするように投げつけるのも1つの方法です。
水をかけて犬がひるんでいるうちにさっと逃げ出しましょう。
そして、このような喧嘩に巻き込まれたときは、無事に逃げ切った後でも愛犬の体に傷がないかをよく調べてあげましょう。
犬の歯は尖っているため傷口が小さくても奥に深いのが特徴です。
後から傷が化膿して、初めて気が付くこともありますし、万一狂犬病に感染したら人間も犬も死亡は免れることができません。
また、愛犬は狂犬病の予防接種をしているかもしれませんが、人間はしていません。
もし飼い主のわからない犬に噛まれたときは犬も人間も必ず病院で診察を受け、人間は血清を注射してもらった方がよいでしょう。
狂犬病の発症を防ぐ血清は必ず各市町村の医療機関の最低1箇所には用意されていますので、診察を受けた病院に置いてなければ紹介してもらえます。
予め保健所に問い合わせて血清のある医療機関を知っておくこともできます。攻撃的な犬がいる場所や、野良犬がいそうな場所は通らないのが最善ですね。
犬の喧嘩の原因、仲裁の仕方を正しく知って、愛犬にとって安全な暮らしを心がけましょう。