犬と子どもの基本の触れ合わせ方
Nina Buday/shutterstock.com
子どもが近づいてきたときに、犬が落ち着いていたら子どもに触れ合わせてみることができるでしょう。
途中で、犬が嫌がるようであれば、無理に続けるのは避けましょう。いつでも子どもから離せるようにリードは短めに持っておくこともできるでしょう。
元気のいい犬の場合は、リードを短く持つだけでなく足で踏んでおくこともできます。また、親指を首輪に引っ掛けて、他の4本の指で犬の肩を軽く抑えておくと犬が急に動くのを制御できます。
犬が興奮してしまったらすぐに子どもから離せるようにしておくことがお互いのためになります。どのような順序で犬との触れ合いをしていくことができるのか方法を見ていきましょう。
1.子どもと犬の間に入る
子どもが近づいてきたら飼い主さんが犬との間に入り、まずは子どもに話かけてみましょう。会話で時間をかせぎ、犬に子どもを観察する機会を設けることによって、警戒心を低下させることができるようにしてあげましょう。
2.子どもはしゃがんで手をグーにしてもらう
犬が落ち着いてきたら、子どもに犬とははす向かいにしゃがんでもらって、手をグーにして、その手を犬の鼻先から5センチ程度ゆっくりと出してもらうようにします。
いきなり触ったり、急に手を出すといった予測不能な行動は犬を怖がらせることになり、刺激してしまうことにもなりかねませんので注意しましょう。
3.ゆっくり胸を撫でてもらう
犬が落ち着いて手の匂いを嗅げばOKのサインと見ることができます。
子どもにゆっくり手を開いてもらって、犬の首筋を撫でてもらうことができるでしょう。首筋は犬の口が届きにくいので、まずはそこから撫でてあげましょう。
4.早めに切り上げる
時間がたつと子どものテンションが上がったり、そのことで犬が緊張したりすることもあります。
大きな声や甲高い声、雑な扱いをする人を犬は好みません。まずはあいさつ程度の接触から始めるようにしたいと思いますので、少し触れ合ったら早めに子どもから離れるようにしましょう。
犬にも心の準備が必要
Africa Studio/shutterstock.com
子どもに触らせる前に犬にも心の準備が必要なことを飼い主さんが理解しておくことが大切です。
どんな犬でも、子どもが近づいてきたときに目をそらす、体を強張らせる、しっぽが下がる、子どもを避ける、うなる、口にしわを寄せる、後ろを向く、飼い主さんにくっつくなどの行動が見られるならそれ以上は近づけるのはやめましょう。
特に、後ろが塀になっているような追いつめられた状況では、犬は自分を守るために攻撃的な行動に出ることがあるので注意が必要です。
初めの恐怖の姿勢や表情を見逃すことがないようにして、攻撃的な反応に変化することがないようにしてあげましょう。
それで、触れ合わせる時には、まず子どもに触られることを犬に予測させる時間をかせいであげることがポイントになります。犬は向かい合うと恐怖心を感じやすいのではす向かいになり、指をひらひらすると噛まれやすいので手をグーにして匂いを嗅がせてあげましょう。
犬が匂いを嗅いだり、体をすり寄せるなどのサインを出してくれたらゆっくり触れることができるでしょう。犬の頭を撫でたくなるかもしれませんが、急に頭を撫でると犬は死角からいきなり手が出たように見えて、恐怖心を感じるので避けるようにしましょう。
元気な犬の場合は、犬を興奮させないように子どもにも静かに落ち着いて犬に接することができるようにしてもらうようにしましょう。また、犬を動かすと子どもに飛びかかる恐れがあるので、子どものほうがその場を先に去ってもらうほうがよいでしょう。
犬の気持ちにあった通訳をする
Kletr/shutterstock.com
当然ですが、犬は人間とはあくまで違った生き物同士です。しかも大人のように犬の立場に立った接し方など知らない子どもが相手の場合には、愛犬の気持ちを理解することができる大人の飼い主さんが、双方の通訳になることが大切です。
人間寄りに通訳して「このくらいなら」と無理して子どもを犬に触らせてしまうと、犬の気持ちを無視してしまうことになり、犬が恐怖心から攻撃的な態度に出てしまう恐れも生じます。
犬が怖がっているときにはあいさつ程度で済ませるなど犬の気持ちを優先させることが重要なカギと言えるでしょう。
幼児以下の場合は、子どもに接し方を伝えても分からないことが多いので、子どもを連れている保護者と会話しながら、犬にとってストレスのない触れ合い方をすることもできるでしょう。
どんな子どもと触れ合わせる場合でも、リードはいつでも子どもと引き離せる長さをキープしましょう。犬は飼い主さんと他人の関係性にも注目しています。
飼い主さんがリラックスできている相手だと認識することによって、犬の警戒心や緊張が和らぐことにもつながります。飼い主さんが会話を楽しんでいる間に、犬が相手を確認する余裕を持たせることもできますね。