戦死した兄の遺志を受け継いで・・・
戦死した兵士が引き取った犬
あるクリスマスの日,ピーター・二―リー(Peter Neesley)陸軍曹は海外での任務中に命を落としました。28歳の若さでした。二―リー陸軍曹の妹,キャリー(Carey)さんは,兄の死に打ちひしがれていました。2人は親友のように仲が良い兄妹だったのです。キャリーさんによると,兄である二―リー陸軍曹は,優しい心の持ち主で,動物が大好きなことで知られていたそうです。それゆえ,イラクでの駐屯中,彼が母親の犬とその4匹の子犬と仲良くなり,この家族の世話をしていたという事実を聞かされてもなんら驚くようなことではなかったのです。出典:https://www.littlethings.com/sister-adopts-soldier-dogs-v1/
平和な世の中を目指す一方,依然戦争という惨劇で命を落とす人たちの数はなくなりません。
母国では盛大にクリスマスを祝い,人々が幸せな雰囲気に包まれている中,まだ28歳という若さで命を落とした二―リー陸軍曹。
この大きな損失は,アメリカや彼の家族,彼を知る人たちに暗い影を落としたことでしょう。
中でも大切な家族を失ったキャリーさん。
悔やんでも悔やみきれなかったことと思います。
そんな中飛び込んできたのは,戦前の兄が心を寄せ,世話をしてきた犬の親子がいるというニュースだったようです。
しかし残念なことに,3匹の子犬は戦地で命を落としてしまいました。そのため,二―リー陸軍曹は残された母親の犬と生き残った1匹の子犬が安全に暮らせるよう守っていくことを決断したのです。そんな中,彼自身が戦死してしまい,この犬の親子は飼い主まで失ってしまいました。出典:https://www.littlethings.com/sister-adopts-soldier-dogs-v1/
人間だろうが動物だろうが関係なく命を奪われる戦地。
自分の命の安全も保障されない中,ここで出会った犬の親子を守っていくことを心に決めたようです。
しかし自分がその命を落としてしまいました。
動物が大好きな彼は,天国でこの子犬親子のことが気がかりだったに違いありません。
母国アメリカに帰ってきたキャリーさんはなんとしてでも兄が戦地に残してきた犬の親子を助け出し,引き取りたいと望んでいました。心寄り添ってきた兄の”忘れ形見”を受け継ぐこと・・・これが兄に対する最後のはなむけとなると考えたのです。もちろん,簡単なことではありません。しかし,その後起こったこと・・・これは切なく,美しく,心打たれるものでした。「2匹が車から降りたった瞬間・・・他の誰の姿も目に入りませんでした。」とキャリーさん。出典:https://www.littlethings.com/sister-adopts-soldier-dogs-v1/
戦地で兄の心の支えとなった存在がいる・・・なんとしてでも彼の遺志を受け継ぎたい・・・
そんな兄妹愛に心打たれた人たちの力あってイラクの地で二―リー陸軍曹と家族となった2匹が飼い主さんの母国の地を踏むことになります。
奇跡的に出会いを果たしたキャリーさんと犬の親子。
彼女達に共通するのはたった1つ。二―リー陸軍曹の存在。
インタビューの中でキャリーさんはこの犬を抱きしめた時,「兄の存在を感じた。」と語っています。
見事二―リー陸軍曹の遺志がキャリーさんに伝わったようです。
この美しい光景,天国まで届いていることでしょう・・・
戦地の犬を引き取った兵士