犬の聴覚について

犬耳

Creamy and white lurcher on a beach

犬の聴覚は臭覚の次に鋭く発達しています。人間よりも広い周波数を認知して、犬は、遠くでしている音を聞き取れる能力があります。

この鋭い聴覚を利用して、聴導犬として活躍している犬もいてるくらい優れています。

そんな優れた聴力を司る耳はどうなっているのでしょうか?

犬の耳の構造

犬耳の構造

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犬の耳は、聴覚を司る器官以外に犬同士のコミュニケーションとしても重要な役割をしています。

犬の耳はピン立っている「直立耳」、ドーベルマンなどに見られる垂れた耳の「垂れ耳」、半分だけ垂れているような「半直立耳」に分けられます。

これらの中で一番耳が良いのは、立ち耳です。

ちなみに立ち耳の犬種は、秋田県や甲斐犬やシェパードなどです。

ただ、耳の構造はどの耳も同じで、外耳と中耳、内耳に分かれています。

耳の入り口の耳介と呼ばれていて、頭の外側に張り出した部分です。ここで音を集めます。

音は、まず外耳で捉えられて外耳孔と呼ばれるところを通って鼓膜に伝わります。

そして鼓膜の振動が、中耳の平衡器官を刺激して、音を認識します。

ただこれだけは、音は聞き取るれないのです。

そのために、鼓膜に小さな骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)をくっつけることで振動を増やして、音の振動を増やしています。

さらに音の振動を増やすために、カタツムリのような形をした「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれる器官があります。

これは、管に水を入れたときに、反響して音が大きく聞こえるときのような働きで、音を増幅させているのです。

犬の耳は生まれてすぐには発達していなくて、生まれてから3週間ほどしてから音が聞こえてくるようになります。

生まれたての赤ちゃん犬は目も見えないために、臭覚をたよってよちよち歩き始めるのです。

犬と人間で聴覚を比較してみよう!

Small brown dog, poppy chihuahua plus pug. Chug. Puppy in the home with one ear standing up second lying

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それは私たち人間と犬との聴覚の比較をしてみましょう。

犬を飼ったことのある人は知っているかもしれませんが、犬は私たちが聞き取れない音を聞けたり、飼い主さんと他の人の足音を聞き分けられると言われています。

また飼い主さんの車のエンジンの音と他の人の車のエンジンの音を聞きわけることもできるようです。

我が家の前に住んでいる人と我が家の車の車種は全く同じなのですが、何が違うのかそれも聞き分けるのです。

そんな犬の聴力は人間の4倍だと言われていて、私たち人間が聞き取れない周波数を聞き取れるのです。

人間が聞き取れる周波数は、16〜20,000ヘルツを聞き取れます。

犬の場合は、65ヘルツ〜50,000ヘルツの周波数を聞き取れます。

ちなみに犬とよく比較される猫の場合は、30〜65000ヘルツです。

この数値は、いろいろな説があって一概には言えないので、正確な数値は未だはっきりとはしていないようです。

犬の耳は高周波をよく広うことがわかりますね。

また低い周波数は人間の方がよく聞き取れます。

例えば、野生動物が出す小さく高い鳴き声を聞き取り、いち早く獲物の居場所を発見できるのです。

また、遠くで降っている雨の音を察知して、濡れない場所に避難することもあります。

犬の耳が一番よく反応する音は、30,000ヘルツで、犬笛と同じ周波数です。

犬笛は私たちが聞いても聞こえないのですが、犬はよく反応するため、猟犬との狩猟に使われてて、山をひとつ越えても笛を鳴らすと猟犬はしっかりと聞き取れるのです。

そして物が落ちる音もとてもよく聞き取れて、人間の400倍の距離を聞き取れるようです。

これは犬の耳の筋肉は17つもあり、耳が前後左右に動かせるからだとか。

また、人間が音の分解能力が16方向なのに対して、犬は23方向もの分解能力があります。

そんな高性能な耳なら、犬もうるさくて仕方ないかも?と思ったのですが、そこはうまくできているもので、騒音のするうるさい場所で音が混じっているようなところでも、必要な音だけを聞き分わけるのです。

ただ同じ音を聞いたときは、人よりも犬の方が大きい音として聞こえています。

なので、あまり大きな音や不意な音には驚いてしまいます。

例えば、雷の音は唐突にやってきますよね。ゴロゴロという音ならまだしもいきなりドン!という雷には驚きと怖さで震えてしまう犬もいますね。

これは自然災害の前触れのため、犬だけではなく動物に共通する本能です。

そして雷は光も伴うので、何か怖いことが起こるということは理解できるのです。

雷ににている花火などの破裂音も犬は苦手です。

犬にとってはいきなり音がするという感覚なのです。

そして自然界にない音も犬は苦手です。

掃除機の音やドライヤーの音、インターホンの音などは、自然界にはない音です。

これらの音の対処方法は、慣れるしかないので、飼い主さんがあまり神経質にならないことが大切です。

話は戻りますが、人の声は200〜4000ヘルツの周波数で、犬は高音が聞き取りやすいので、女性の声の方を好むのですね。

ただ声の高低の好き嫌いはなく、低い声で怒られる経験を何度もすることで、低い声は嫌な声ということになってしまいます。

そして音の出る場所にも好き嫌いがあります。

犬は、上からの音が苦手な傾向があるので、大きな男の人の低い声が犬の頭上から聞こえると、怖くて帯びてることもあります。

ただ小さな頃からの生活環境で音の適応力がついてくるので、家族に男の人がいると男の人の声にも慣れてきます。

また、苦手だからといってそのままにしていると、いつまでも克服できないので、少し音がうるさいような人混みなどにも連れて行ってあげましょう。

ではどうしてこんなに犬の耳は優れているのでしょうか?

犬の祖先は狼というのは、皆さんもご存知だと思います。

狼は群れをなして生活する動物で、遠吠えをしている仲間の声を聞き取り、遠吠えしている声が何を伝えようとしているのかを理解する必要があったのです。

また小さな小動物の鳴き声が高周波だったため、小動物を餌としていた犬は、高周波の鳴き声を聞こえるようになったとされています。

どちらも野生で生活するために必要な能力ですね。

犬にしか聞こえない音とはどんな音?

犬の聴覚の凄さはわかりました。では犬にしか聞こえない音とはどんな音なんでしょうか?といっても犬にしか聴けないので、私たち人間にはどうしようもありません。

ただ、色々調べると犬にしか聞こえない音を使った商品やアプリなど様々な物があるので、それらの商品やアプリを紹介していきたいと思います。

犬にしか聞こえないアイテムその1:犬笛(ホイッスル)

犬の訓練士やドッグトレーナーなど、犬と一緒に作業をしたり訓練をしたりしている人が使っていますが、それ以外ではあまり見かけることが少ないですね。

犬笛とは、わたしたち人間が聞き取りにくい高音域の音が出るホイッスルです。

海外では、犬の訓練をする時に犬笛を使ったり、また犬と一緒に狩猟するときなど、犬と人が遠く離れていても、犬にしっかりと指示が出せるための道具です。

この犬笛は、イギリスの学者であるフランシス・ゴルトンが発明したことから、ゴールトン・ホイッスルとも呼ばれています。

犬笛の種類

犬笛には、金属製の犬笛と樹脂製の犬笛の2種類あります。

どちらでも問題なく使えるのですが、樹脂製は踏んだりするとすぐに壊れてしまいます。

屋外で使うことが多いので、落として踏みつけてしまうこともあります。

そして犬笛には、人間の耳でも聞こえるタイプと犬にしか聞こえないサイレントタイプがあります。

犬にはどちらも聞き取れるので、飼い主さんの使いやすさで選ぶと良いかと思います。

価格は、安いものは数百円から販売されています。金属製の高価なものでも数千円で購入できます。

使い方は、まずはじめに、飼い主さんと愛犬だけにわかる音を探すことからはじまります。 これは他の人と同じ周波数の犬笛を吹いてしまうと、犬は混乱してしまい、どうしていいかわからなくなってしまうからです。

探し方の手がかりは、犬種によって反応の良い周波数があるので、音の高さを調整してみましょう。

最初は、人間でも聞き取れる高さの音からスタートして、徐々に高い音に調整していきます。

人間が聞き取れなくても、犬の反応が良い音が見つかれば、そこで固定します。

注意点は、使っている途中で音の高さを変えないことです。

音の高さを変えてしまうと、犬は自分の指示だとわからなくなります。

そして同じ命令には同じ周波数の音を使います。

そして指示はわかりやすく簡潔に出すように心がけます。

犬笛は音を出したら、犬に理解されるというわけではありません。

犬笛の音と飼い主さんの指示がつながらないと意味がないのです。

ですので、犬笛を使う人間の方が、どの指示を出しているのかを理解して犬笛を使わないと犬は混乱してしまいます。

このように、使い慣れるまでにはちょっとコツがいるので、初めて使う人は、人間にも音が聞こえるタイプの犬笛の方が使いやすです。

では実際に犬笛と飼い主さんの指示「呼び戻し」をつなげる練習方法を説明します。

犬とアイコンタクトをとって、犬に犬笛を見せます。

そして犬笛を吹きます。

次にご褒美(おやつ)を与えます。

これを最初のうちは繰り返します。

犬笛が聞こえたら犬にとって嬉しいことが起こるということをしっかりと覚えさせます。

最初のうちは、家の中で行います。

そして次の段階は、犬と飼い主さんの距離を徐々に広げていきます。

最初は1mくらいから始めます。

距離以外は、先ほどのやり方と一緒です。

笛を吹いて犬が飼い主さんのところに来たら、ご褒美をあげる。

これだけです。

家の中で距離を広げても飼い主さんのところに戻ってくるようになったら、今度は外で練習します。

外は家の中よりもはるかに、犬の興味を引くことが難しいので、できるだけ犬の意識を飼い主さんに向けるように練習しましょう。

犬笛は、呼び戻しの他のしつけにも使えます。

例えば、お座りやお手、待てや伏せにも使えます。

複数の指示を出すのはどうしたら良いの?と思うかもしれませんが、複数の指示も、犬笛で指示を出せます。

音の長さの組み合わせで信号のパターンを決めて、それぞれの指示とつなげます。

注意点は、一度決めた指示は途中で変えないこと。

変えてしまうと犬は混乱してしまいます。

犬は、2kmくらい離れていても犬笛の音を聞き取れるほど、高周波の音を聞き取る力を持っています。

なので、あまりにも近い場所で犬笛を大きく吹いてしまうと、犬の耳の負担になります。

犬にしか聞こえないアイテムその2:犬笛の代用品(犬笛アプリ)

スマホアプリに「犬笛アプリ」というアプリがあります。

興味のある人は一度ダウンロードしてみて試してみるのも面白いですね。

ただ音を聞かせても犬はあまり良い反応をしないかもしれません。

首を傾げて、何の音?という顔を傾けるかもしれません。

音と指示が結びつかないとコミュニケーションツールにはならないので、アプリの音を使って飼い主さんのもとに犬が来るように練習してみても楽しいですよ。

このアプリは、iphoneで人気のアプリで600万以上のユーザーに利用されているとのこと。

犬にしか聞こえないアイテムその3:犬用おもちゃ「ヒアードギー」

アメリカの犬のおもちゃメーカーQuakerPet Group(クエーカーペットグループ)が販売しているヒアードギー(Hear Doggy)は、犬にしか聞こえな音がでるおもちゃで、私たちには聞こえないというおもちゃです。

犬は音がなるおもちゃが大好きで、日本のペットショップへ行ってみても、数多くの音がでるおもちゃが販売されています。

ただ音がなるので、疲れているときにピーピーという音がすると、頭が痛くなったり気になって仕方ないという人もいると思います。

そんな方には、この「ヒアードギー」があると、音のストレスから解放されます。

ヒアードギーは、人間には聞こえない高周波の28KHzの音がでるおもちゃです。

像やキリンや牛などかわいい人形ですが、犬のおもちゃメーカーが作っているということもあり、縫製はしっかりしていて、乱暴に遊んでも耐えられるそうです。

犬にしか聞こえないアイテムその4:犬用おもちゃ サイレント動物TOY

カインズで販売されている犬にしか聞こえないおもちゃ、サイレント動物TOYシリーズは、トリや犬、猿などがあります。

サイレントといっても空気音はするのですが、ピーピーという音はしないようです。

犬にしか聞こえないアイテムその5:世界初犬へのCM

ヨーロッパネスレは、犬にしか聞こえない音を使い、犬向けのドッグフードのCMを配信したことで、話題になりました。

「Beneful」という商品のCMに、高周波を使って製作されました。

ペットと飼い主さんの両方に、訴求できることを目的にしたCMで売り上げも好調だそうです。

このCMは、ドイツで賞を受賞しています。

犬にしか聞こえないアイテムその6:着信音

docomo端末向けのサイト“dwango.jp取放題”では、犬にしか聞こえない着信音を配信しています。

人間には聞き取れず犬には聞き取れる周波数19kHzの音で着信音作りました。

“dwango.jp取放題”の会員であれば無料で楽しめますが、会員でない人は月額315円で利用できます。

犬だけに聞こえる音の周波数がわかった現在では、今あげたように、様々なツールで商品化されたり、利用されているのですね。

犬の行動の素朴な疑問

犬が首を傾ける動作は音の方向を探っているの?

犬を飼ったことがある人は、犬が飼い主さんの言っていることを聞こうとして、頭を傾ける仕草を見たことがあると思います。

この仕草はとても可愛らしいですね。

犬にとってこの行動は、音源を探っているのです。

耳の方向を変えるために頭を傾けるというわけです。

犬は人間よりもはるかに耳が良いというのは知っていましたが、こんなに優れているとは驚きですね。

これも野生の中で生き抜くための能力だということもわかりましたね。

このように犬についてのことを知れば知るほど、犬への愛情が深まります。

愛犬と一緒に暮らしていく中で、犬のことを知ることで、ストレスを軽減できます。

なので、私は、できるだけ大きな音を出さないように気をつけてあげるように心がけたいと思います。

また、犬だけが聞こえる音のおもちゃも気になりますね。早速ペットショップへ行って探してみたいと思います。

アプリは早速ダウンロードをしてみて、愛犬に聞かせてみたのですが、あまり反応がなくちょっとがっかりしました。

みなさんもぜひ今回紹介したアイテムを試してみてください。

情報提供元:mofmo
記事名:「 犬にしか聞こえない音ってどんな音?