はじめに


お寿司というと、職人さんが握る江戸前寿司を連想する方が多いと思いますが、全国にはその地域に根差してきた「ご当地寿司」があるんです。
今回は全国のおすすめのお寿司をご紹介いたします。

おすすめのご当地寿司①ます寿司


ご当地寿司で外せないのが富山県の郷土料理でもあるます寿司です。

「さくらます」を使用して、発酵せずにお酢で味付けをした押し寿司で、「ますの寿し」などと呼ばれることもあります。
元々は、江戸時代に富山藩3代目藩主の前田利興の家臣である吉村新八によって、8代将軍徳川吉宗に献上され、絶賛されたことがます寿司の起原なんだとか。

駅弁からスタートしたます寿司ですが、今では全国的に有名な郷土料理に。電車の旅のお供に購入するのもおすすめですよ。

おすすめは老舗の「ますのすし本舗 源」。ほどよく脂ののった鱒と富山県神通川流域でとれる県産米を使用したすし飯、緑が濃く香りの良い国産笹を用いたます寿司は絶品です。

◆ますのすし本舗 源
住所:富山県富山市明輪町1番225(JR新幹線 富山駅)
電話番号:076-4312104(JR新幹線 富山駅 中央改札前売店)

ますのすし本舗 源



おすすめのご当地寿司②箱寿司


大阪寿司として発展してきたものが箱寿司です。
家庭料理であった押し寿司を天保12年創業の老舗「船場 淡路町 吉野寿司」が海老や鯛などの高級具材を使用して、木型を用い洗練されたものとしました。
冷えても美味しいように昆布だしを加えてごはんを炊いており、寿司酢には塩と砂糖が使用され、行楽や芝居に持っていくお弁当としても親しまれています。

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船場 淡路町 吉野寿司



おすすめのご当地寿司③ハタハタ寿司


秋田県の郷土料理で民謡「秋田音頭」にも出てくる有名なお寿司がハタハタ寿司です。
ハタハタの塩漬けに麹と砂糖、塩を加えたごはん、ニンジンやカブを桶に詰め、重石をして熟成させる発酵寿司で、「ハタハタ漬け」とも呼ばれています。

江戸時代ハタハタは手に入りやすく、リーズナブルさから民衆の間で人気のお寿司でした。
ハタハタ寿司には1匹丸ごと寿司にした「一ぴきずし」と、頭だけ落として寿司にした「全(まる)ずし」、切り身にして寿司にする「切りずし」という種類があり、お祝いの場などでは「一ぴきずし」が振る舞われていました。
ちなみに、店舗などで販売されているのは「全すし」です。

そのままでも美味しいですが、「全すし」は軽く炙り、「切り寿司」はワサビ醤油を付けて食べても美味しいですよ。

おすすめのご当地寿司④ママカリ寿司


岡山県の郷土料理で、サッパを使用したお寿司です。岡山県ではマカリと呼ばれています。
背の青い10cmほどの小魚で骨ごと食べることができ、戦前までは江戸前寿司でも光物のネタになっていました。

ママカリを塩でしめ、お酢につけて酢飯で握ったこのお寿司は、家(ママ)のご飯が足りなくなって、隣の家から借りてこなければならないほど美味しいという意味で名付けられたそうです。
岡山県の南部では、お祝いごとの時に作られてきたそう。

岡山の郷土料理や寿司を堪能できる「喜怒哀楽」では、ママカリ寿司を持ち帰りはもちろん、全国配送もしてくれるお店。他にも岡山を代表するお寿司をたくさん扱っていますよ。

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喜怒哀楽



おわりに


ご当地寿司、どれも美味しそうでしたね。
ここでご紹介した他にも漬物寿司やサバ棒寿司など、その地で親しまれてきたお寿司がたくさんあります。
旅先ではその地域で発展してきたお寿司をぜひ、味わってみてください。
情報提供元: 旅色プラス