はじめに


台湾本島の中心に位置する南投県。山あいにある埔里は、豊かな自然と良質な水に恵まれた土地で、製酒や製紙で栄えた街として知られています。台湾のヘソとも言われる埔里に、このほど、バリ島を彷彿とさせるリゾートホテル「The Bal'e Villas牛眠 埔里」がオープン。準備期間に7年もの月日を要した理由とは? こだわりのしつらえを紹介します。

バリのリゾートに魅せられたCEOが、理想の楽園づくりに着手!


時を遡ること20年。それは、CEOの吳維勝氏が初めてバリ島を訪れた時のこと。アーティスティックな雰囲気、心からくつろげる空気感……その島の美しさにすっかり魅せられ、リゾートホテルの虜に。以来、30回以上もバリに渡るうち、台湾にもバリスタイルの楽園リゾートを、無我の境地に至るような秘境を造りたい……という思いに駆られるようになりました。

その実現に向け、構想を練り、デザイナーと図面を引き、建設に着手したのが7年前。CEO自ら現場に立つのはもちろん、現地の各種建材や石材を買い付けるため何度もバリに飛び、運び込んだコンテナーの数は、なんと28個にも及ぶそう。その中には、50点以上の絵画も。「確かに大変でしたが、好きでやったことなので、やりがいがありました」と、彼は笑いながら語ります。

埔里の知られざる魅力、幻想的な景色は必見。



「The Bal'e Villas」の敷地に一歩入ると、そこはもうバリ島そのもの。アヤメ、プルメリア、ハイビスカス、ゴクラクチョウカなどの愛らしい花々が随所で咲き乱れ、ナツメ椰子、マニラ椰子、ビスマルク椰子が生い茂る様は、まるで熱帯雨林のよう。4500坪もの広い敷地に作られた客室は、わずか15室というから驚きです。共有施設には、独立したフラワーガーデン、スカイガーデン、インフィニティプール、プールサイドバーなどがあり、くつろぎ空間に多くのスペースを割いているのが特徴です。

敷地内に好みの場所を見つけたら、ラウンジチェアを置いて、遠くの山から昇る朝日、沈む夕陽を眺めたり、夜には星々の煌めきを見上げたり。ここで見られる景色の特徴は、刻々と変わる色彩美。視界を遮るものは何もなく、大自然からの得難い贈り物を存分に楽しむことができます。

ホテル名の“Bal'e”とは、バリの言葉で、ぼんやりする場所という意味。“牛眠”は、敷地の裏にある牛眠山の名から取ったもの。ここを訪れたゲストは、何も考えることなく、ただぼんやりと、のんびりと過ごしてほしい。そんな思いが込められています。

バリのアートが散りばめられた、フォトジェニックな館内。


内装はバリスタイルそのもの。石材と木材からなるロビーとレストランは、自然光がたっぷり入る大型の掃き出し窓を採用しています。館内で目を引くのが至るところに配されたアートの数々。絵画はもちろん、木や石の彫刻、トーテムポールなど、具象的なものから自由なものまで、ストーリー性あふれる作品が鑑賞できます。
レストランの天井にあるアーティスティックな特大ランプは、CEOのアイデアによるもの。チークの木の根をシェードに使った唯一無二の作品。館内きっての写真映えスポットとなっています。

高低のコントラストを効かせた外観もクール。


長方形の低層建築のアクセントとなっているのが、トリッキーな外階段のデザイン。鳥の巣を彷彿とさせる鉄骨で覆われた階段を3階まで昇ると、前述した大型ランプがお出迎え。特に夜間のライトアップされた様が美しく、こちらもフォトスポットとして人気です。

リゾートホテルの醍醐味は、贅沢な空間づかいにあり。



建物の構成は、1階がヴィラ、2階が客室、3階がくつろぎスペース。各部屋の贅沢な空間使いも目を見張るばかりで、リビング、ベッドルーム、バスルームとバルコニーを擁し、最小タイプでも23坪、VIPルームは86坪。ヴィラは中庭つきの豪華仕様です。

2階の客室の壁に使われている石材は、バリ島の名だたるブランドホテルと同じもの。そこへ南国情緒たっぷりの照明や絵画などを配することで、シックな高級感を演出しています。入浴は、バスルームの作り付けの浴槽だけでなく、バルコニーの特大浴槽でも。水遊び感覚のバスタイムが楽しめます。

また、室内に用意されたお茶類は、マネージャーの王氏のこだわりのセレクト。茶葉は、まろやかな甘さが特徴の日月潭の特級紅玉紅茶。お茶うけには、埔里産のパッションフルーツゼリーと特製手作りクッキーを用意しています。ティーセットのクオリティの高さは、滞在の快適さを左右する重要ポイント。これなら、優雅なひとときとなること請け合いです。

最高の地元食材で作る、忘れがたいローカルフード。


朝食は、埔里で有名な塩揚げパンの地鶏卵焼きサンド、五つ星ホテル御用達の産直野菜、食用花、大坪頂産のバッションフルーツ、マコモダケやトウモロコシなど。目下、ご当地食材を使ったメニューを開発中で、ディナータイムには、フランス料理で特色あるおもてなしができるよう、準備しているそう。

おわりに


CEOの夢を具現化したバリ風リゾート。彼は、このホテルが完成した喜びを旅人たちと分かち合い、スローな休日を過ごす美学を共有したいと考えているそう。台湾の中心でバリを楽しむ。台湾滞在の新しい形、あなたも体験してみませんか。

◆The Bal'e Villas牛眠 埔里
住所:南投縣埔里鎮內埔路18-5號
電話:+886-49-299-0999
情報提供元: 旅色プラス