菰田潔さんが選んだ「2020年の推しカー」は、ホンダe、BMW アルピナ B3、プジョー208の3台。208は高剛性ボディとしなやかなサスペンションのコンビネーションが絶妙なハンドリングを生み出している。




TEXT●菰田潔(KOMODA Kiyoshi)

現行のラインナップの中で、一番ホンダらしいクルマといえるのがホンダe。航続距離を割り切る代わりに、デザインと走りの個性で勝負する。

第3位はホンダe。これはコンパクトな電気自動車(EV)であるが、昔のホンダに戻ったかのように細かいところまで工夫され、個性溢れる造りになっている。




まずモーターは後ろにある。このサイズで後輪駆動というのはエンジン車では他にない。同じパワーで走っても前輪駆動より後輪駆動の方がゼロ発進の加速力に優れるから愉しい。加速中は後輪タイヤに荷重がかかりグリップが増すからだ。




フロントにエンジンはなく、ドライブシャフトがない前輪は大きくハンドルが切れ最小回転半径は4.3mと驚異的に小さい。4本のタイヤは四隅に広げられ、前後車軸間に有効なスペースを確保している。前後の荷重配分は理想的な50:50にするなど、走りの原点に立ち返っているところに魅力を感じる。ドアミラーはカメラになり、実際にも使いやすいモニター位置になっている。




残念ながら日本では販売台数が少ないが、これを買っておくと損はしない!気がする。

2020-2021の日本カー・オブ・ザ・イヤーで「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞したBMW アルピナ B3。1229万円と決して価格は安くないが、一度アルピナの世界を体験すれば、それがバーゲンプライスと思わせられるほどの説得力がある。

第2位はBMWアルピナB3。3L 直列6気筒に2基のターボチャージャー付きガソリンエンジンながら、340kW(462ps)/5000-7000rpmと700Nm/3000-4250rpmという最高出力と最大トルクを発揮し、0-100km/hは3.8秒、巡航最高速度303km/hというパフォーマンスを発揮する。




決してピーキーな動きではなく、ドライバーがリラックスして扱える点も素晴らしい。これだけの性能を持ちながら乗り心地が抜群に良いのでプレミアムカーとしても使える。室内のどこを見ても上質な仕上がりは長く乗れるクルマだ。

プジョー208は2020-2021の日本カー・オブ・ザ・イヤーで「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。選考委員は乗り心地とハンドリングを高次元で両立していることに好評価を与えていた。

第1位はプジョー208。剛性の高いボディとしなやかに動くサスペンションによって、当たりがソフトでフラットな乗り心地を味わえる。これはサスペンションの良さにもつながり、市街地でもワインディングロードでも正確なハンドリング性能を発揮する。遊びが少なく遅れのないハンドル応答性でライントレースもやりやすい。




1.2L3気筒ターボエンジンだけでなくピュアEVも選べる。こちらはコンパクトカーとは思えないしっとりとした乗り味は魅力的だ。EVなので室内の静けさもキープされている。電気モーターらしく立ち上がりからトルクフルな加速によってキビキビ走れ愉しいクルマだ。

2019年7月生産から新しくなった320i用ガソリンエンジンと7代目3シリーズのデビュー早々ソフトに変更になったサスペンションにより、熟成された2020年モデルを買った。50mのリバースアシストや渋滞モードでの手足フリーのACCも便利に使っている。

『2020年の推しカー』は毎日更新です!




いよいよ2020年もラストスパート! ということで、今年(2019年12月〜2020年11月)に発表・発売されたクルマ(マイナーチェンジ・一部改良・追加モデルなどすべて含みます)の中から、「他人はどうか分からないが、個人的に大好きだ!」という"推しカー”を3台、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに!
情報提供元: MotorFan
記事名:「 【2020年の推しカー|プジョー208】フラットな乗り心地と正確なハンドリングを見事に両立(菰田潔)