大気汚染を「世界最大の単一環境健康リスク」と捉えるWHO(世界保健機構)の報告を受け、極めて重要な問題であると捉えた。つまりは毎年、交通事故で亡くなる人の2倍以上に当たる300万人が大気汚染によって命を落としているということだ。
それらのことから、車の室内への空気導入フィルターの高性能化を図った。病院やクリーンルーム、そして宇宙産業などで空気ろ過システムが採用されていることから発想し、HEPA (High Efficiency Particulate Air Filter ) フィルトレーション・システムの開発にあたったという。
このHEPAは花粉、バクテリア、汚染物を外気から取り除くことを目的として、乗用車の数百倍(2016年当時)の効果のあるシステム。
テスラの開発チームはこのエアフィルトレーション・システムを、カリフォルニアのラッシュアワーの高速道路や中央盆地の牛の牧場、悪臭を放つ低湿地、ゴミの埋立地、そして中国の大都市などでテストを実施した。その狙いは、微粒子とガス汚染物、バクテリア、ウイルス、花粉、カビ胞子などをも確実に捉えるためだ。