スーパーカブのトレッキングモデルとして1964年代に発売されたCT200。この後1986年まで輸出モデルとして存続したハンターカブは、カブマニアにとり特別な存在。長らく中古車市場を賑わせてきた最終モデルCT110に代わり、ついに新型CT125が発表された。




PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)

 発表前から話題をさらったハンターカブの再来、CT125。ついにその実車が第46回東京モーターショー2019の会場でお披露目された。アウトドアスタイルといえばスーパーカブから派生したクロスカブがすでに存在するが、旧車ファンや長くハンターカブを愛好してきた人からすれば、このCT125こそ待ちに待った待望のニューモデルと言えるだろう。

ハンターカブといえばアップアフラー。特徴的なメッキガードも健在だ

 スーパーカブ110をベースにモンキーやグロムでお馴染みの124cc空冷単気筒、横型エンジンを移植したモデルとして、2018年にC125が発売された。C125はOHVエンジン時代の初代C100をオマージュしたモデルだったが、今回発表されたCT125はオマージュどころか元祖CT110の再来と呼べる仕上がりになっている。


 車体構成はC125と似ていて124ccエンジンをスーパーカブ110の車体に載せているわけだが、細部をよく見て欲しい。元祖CT110とよく似た形状のアップマフラー、吸気口を左サイドカバーからダクトを伸ばして大型リヤキャリアに設けるなど、まさにCTとして相応しい構成になっているのだ。

124cc空冷単気筒エンジンから急角度で立ち上がるエキゾーストパイプがCTシリーズ正統後継車らしい。
左サイドカバーにエアクリーナーを収納し、リヤキャリアに吸気口を設けたのはCT110の再来だ。


 前後に17インチのスポークホイールを採用して、ブロックタイヤを履く姿がトレッキングモデルらしい装備。さらに前後にディスクブレーキを採用しているのが目新しい点だ。ベースになったスーパーカブ110、その派生モデルであるクロスカブには前後ドラムブレーキが採用されている。だが、124ccエンジンを搭載することで制動力を大幅にアップさせる必要があったのだろう。これはスポーツモデルとしての運動性能も期待できる。

17インチ・スポークホイールにIRC製GP-1ブロックタイヤを装着。シングルピストン・キャリパーによるディスクブレーキを標準装備。
ホイールやリヤショック、ステップなどをブラックアウトした精悍な足元。リヤにもディスクブレーキを標準装備している。


 幅広なアップハンドルと、そこにぶら下がる大型ウインカー、後ろが広がる独特なスタイルのフレームカバー、大型リヤキャリアなど、どこから見てもCT110の再来と言えるスタイル。そこで気になるのが、ポジションや走行性能だろう。




 走行性能については発売後に改めてお知らせしたいが、ポジションや使い勝手については現段階でも推測することができる。まずポジション。シートはおそらくクロスカブのものに手を加えたと思われる。またフレームはスーパーカブシリーズと共通のはずだが、その下にある燃料タンクが出っ張っている。これもCT110っぽいスタイルだが、足つき性が悪化しているかもしれない。

シート形状はクロスカブとよく似ている。その下に装備する燃料タンクは一見CT110のようなスタイル。

 ハンドルはおそらくCT125専用設計。クロスカブよりアップタイプになっていると思われるので、そのポジションはよりオフロードモデルのように上体が起き上がるそうになるはずだ。

アップハンドルはブレースバー付きでルックスもポジションもオフ車のようだ。

 上体が起き上がるポジションで邪魔になりそうなのが、CT125の特徴であるアップマフラーだろう。この位置で脚に当たらないのか、熱の影響を受けないのか気になるところ。今回の展示方法ではまたがることができなかったので、上からのアングルで撮影してみた。するとこれが意外にも邪魔にならなそうなのだ。

シートとステップの配置に注目。ガードが付くマフラーはフレーム側にあるので、脚が当たることはないだろう。

 灯火類はLEDとされ、エンジンはインジェクションによる燃料噴射。すべてが今の基準で作られているのに、そのスタイルは古いハンターカブそのもの。旧車マニアだけでなく、すべてのバイクファン必見のニューモデルだ。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 思っていた以上にハンターカブっぽかった! ホンダCT125はバカ売れの予感!【東京モーターショー2019】