もはや恒例になりつつある全開(アクセルではなくドア)&計測シリーズ。今回のテーマ車両は、世界のBセグ車のお手本とも言えるフォルクスワーゲン・ポロ。




REPORT●萬澤龍太(MANZAWA Ryuta)


PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)

 大きくなったなあ。あらためてポロを前にして抱いた感想である。初代ゴルフと大きさがほぼ同じとなった先代ポロからサイズアップ、マッシブな印象はオレンジの塗色でより際立つ。乗ってみても触ってみても、各部のカチッとした印象は深まるばかり。なんというか、たとえばヴィッツが大福(ふわっとした舌触り)だとするとポロはラスク、ならばルーテシアはさしずめマカロンか(外はパリッと、中はふわっと)。

ポロTSIハイライン。全長4060×全幅1750×全高1450mm。ホイールベースは2550mm。

 自分でも何を言っているのかがよくわからなくなってきたので各部の採寸結果を。まずは前後ドアの開口寸法である。




 ドアハンドルは前後ともにグリップタイプ。ご覧のようにプレスラインが複雑に入るようになったので、ドアを開けるときにはエッジをぶつけないようにご留意されたい。全閉時の最外部はグリップ部である。前ドア開放時はグリップと同じ高さに走るエッジ部が最外だった。ノッチ数は2。




 後ドアも2ノッチ構造なのが珍しい。いまのところ、記憶にあるのはCセグ車であるメルセデス・ベンツAクラスくらいだ。6ライトなところも先々代から続くポロの特徴で、Bセグメントで調べてみるとシトロエンC3が該当するくらい(SUVは比較的多い印象)。当然、後席の開放感に大きく寄与する構造だ。はめ殺しの部分がないガラス構造ながら、残念なことに窓は全開ならず。なお、ドアを開けたときの最外部は後端のエッジ部である。




 ミラーtoミラーは1m97cm。

 続いて前後フードの開口寸法。




 フロントフード開放時の最上部は前端。ラッチ解除はAピラー根元の機械式レバーでワイヤー引き。エンジンルーム側のラッチ解除レバーは中央に備わり、左右2カ所のラッチを引っ張る構造。そう、ポロはBセグ車なのに2ラッチ/ストライカーなのだ。フードステーは車両側ラジエーターサポート付近から真横に備わり、引き上げてフードに差し込む方式。ということでダンパーステーは備えていない。




 リヤハッチを開けるときには、エンブレムがレバーになる。この「リヤハッチを開ける」という操作について、結構な確率で「このクルマはどうやって開けンだコレ」とあちこち眺め回すことが多いのだが、フォルクスワーゲン各車はなんの疑いもなく「ココだろ」とすぐにわかるのはなぜだろう。なお、後退時にはバックカメラが備わっていることから「ヒョコ」という音とともにチルトするのも個人的には好みだ。開放時にいちばん高いのは後端(ハッチ下端)だった。

 リヤハッチの開口部寸法。案外、下半分の絞り込みが大きい形状である。その下半分の側部は鉛直に立ち上がっているので、上半分を大きく広げたと好意的に見ることもできそうだが、テールランプクラスタまわりにパネルが残っているところを見ると───先代ではギリギリまで追い込んでいたのを思い出すとなおのこと、もう少し広げられなかったのかなとも思う。MQBで全面新設計ができたはずなのだが。




 内部のトノボードキャッチやその下に備わる小物入れも、正直なところ張り出しが大きい印象。ここをもう少し詰めてくれるともっと広くなりそう。

 荷室内の寸法は以下のとおり。リヤシートは6:4分割式で、シートバック肩部のレバーで倒す仕組み。フルフラットとはならないものの、荷室との段差は抑えられている。




 少々残念なのが左右ホイールハウスの張り出し。ご覧のように、実際のホイールハウス以上に内側までせり出していて、開口部左右よりも狭いことから視覚的に「狭そう」と思ってしまう。寸法自体は小さくないだけにもったいない。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 公園で全開シリーズ:16回目 Volkswagen Polo