アメリカを代表するオフローダーブランドのジープだが、もちろんヨーロッパ各地にも多数の“ジーパーズ”がいる。7月14、15日、イタリア・ドロミテ地方のスキーリゾートサンマルティーノ・ディ・カストロッツァ開催された「キャンプジープ2019」には、約700台1500人以上のジープおよびファンが集結し、オフロード走行などで交流を深めた。




REPORT◉塩見 智(Satoshi Shiomi) 


PHOTO◉FIAT CHRYSLER AUTOMOBILES




※本記事は『GENROQ』2019年9月号の記事を再編集・再構成したものです。

 ジープオーナーであれば車種を問わず入ることができる欧州最大のオーナーズクラブであるJOG(ジープ・オーナーズ・グループ)が主催する「キャンプジープ」。今年で6回目とまだ若いイベントながら毎回盛況だそうで、イタリアン・アルプスのスキー場で開かれた今年も多くのオーナーが集結した。




 今年、当地でイベントが開かれたのには理由がある。昨年、この地方を大規模な嵐が襲い、山林が多大なダメージを受けた。それを受け、JOGとFCAはステージの設営などに可能な限り発生した倒木を使うことで復興を支援したのだ。




 イベントでは、クライスラー・グループのカスタムパーツ部門であるMOPARがラングラーのカスタマイズパーツを手がけ、欧州限定のコンプリートカーに仕上げたラングラー1941(初代ジープが誕生した年を意味する)がお披露目された後、ジープが実に久しぶりに手がけることになるピックアップトラックのグラディエーターが欧州初披露された。

欧州各地はもちろん、遠くはアフリカ大陸からの参加者もいた。

入場ゲートにも倒木が使われた。嵐で倒れた木々は計250tに達したという。

今回久々にショートボディのラングラーに乗った。当然ながら軽く短いため、軽快感はアンリミテッドよりも上。クーペ的にパーソナルな用途であればショートもありだなと思わされた。

 グラディエーターは、ラングラーをストレッチしたアンリミテッドをさらにストレッチしてリヤにベッド(荷台)を設置したオフローダートラック。元々スクエアなスタイリングのラングラーだけにトラック化しても違和感がないどころか、一番カッコよく見える。しかし全長4870㎜のアンリミテッドよりもさらに780㎜長く、全長5650㎜のクルマになってしまう。




 日本導入は未定だが、限定販売などで導入される可能性は十分にあるだろう。ただし1ナンバー登録になってしまうため、購入にはそれなりの覚悟が必要。




 我々日本からの取材チームはショートボディのラングラー・ルビコンとチェロキー・トレイルホークを借り出し、ところどころ嵐の爪痕が残る山林のオフロードを走破した。相変わらずラングラーの悪路走破性は異次元。チェロキーが迂回するよう指示された、ぬかるんだ急な下り斜面でも、ローレンジ+ヒルディセントコントロールを使うことで鼻歌交じりで走破できた。




 会場には多種多様にカスタマイズ(ジープオーナーの9割が何らかのカスタマイズをするという!)された参加者の新旧ジープが並んでいて、それらを眺めているだけで飽きない。つくづくジープというのは愛されブランドなのだなと感心した。

MOPARが開発したパーツをてんこ盛りにした欧州専用特別限定車「1941」。生産台数は1941台!

倒木を活用してつくられたモーグルコースに果敢にアタックするグラディエーター。残念ながら今回我々がドライブすることはかなわなかった。FCAジャパンもなんらかのかたちでの導入を検討しているという。

サンマルティーノ・ディ・カストロッツァの山林を走破するラングラー。昨年のモデルチェンジによって従来型より悪路での乗り心地も改善された。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 欧州のジープ乗りはやはりひと味違う!?