もはや恒例になりつつある全開(アクセルではなくドア)&計測シリーズ。今回は日本の誇るリアルスポーツ・シビックタイプRの登場だ。超絶パフォーマンスを誇りながら、5ドアボディがもたらすユーティリティにも期待が高まる。




PHOTO:宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

 遠い異国のニュルブルクリンクで、FF最速の座をめぐってルノー・メガーヌと熾烈な争いを繰り広げているホンダ・シビックタイプR。もともとはかわいらしいカブトムシみたいなハッチバックだった気がするのだが、気がつけば世界有数のリアルスポーツに育っていた。




 現行のシビックはタイプRを含めた開発が当初よりスタートしていて、だから基準車もタイプRに準ずるボディ構造を備えているのが特徴だ。タイプRも5ドアハッチバックボディで、そのボディスタイルには好悪を含めてさまざまな意見が飛び交っているのも有名税か。

ホンダ・シビック タイプR。全長4560×全幅1875×全高1435。ホイールベースは2700mm。

 前後ドアの開口寸法から測ってみよう。




 ドアハンドルは前後ともグリップ式。全閉時の最外部は樹脂製のサイドスカートだった。一方で開いたときの最外部は前後ともにドアエッジ。フロントはドアパネルの最下部もギリギリ最外部かな……という印象だったのもあわせてお伝えしておこう。ミラーtoミラーは2m8cmだった。

 続いて前後フードの開口寸法。




  フロントフードの開口レバーは右Aピラー根元。ワイヤー引きでラッチを解除するタイプだ。フードの支えはステー式で、フード側に大開口/通常開口の2カ所の受けがあるのは便利である。写真は通常開口時、168cmの状態だ。開口時の最上部はフード前端中央だった。




 リヤドアの開口最上部の測定は困難を極めた。まさかスポーツカーの全高でこれほどの高さになるとは思いもよらなかったからである。写真でご覧いただけるように、うしろに大きく張り出すリヤウイングが217cmという高さを叩き出すこととなった。案外天井の高さには気を使わないといけないかもしれない。

 オープナーは左右ナンバー灯の間、リヤエンブレムの下あたりで、電動式。電動オープナーの類は備えず、手動で開ける方式だった。グリップは独立式で上からも下からも握れる形状、使い勝手に優れる。

 荷室開口部の形状と寸法について。




 真後ろからだと伝わりにくいが、開口部は前に大きく倒れているので大きくかさむものでも出し入れがしやすいだろう。開口形状も屈曲点が少ない素直なラインを描いている。5ドアハッチバックとしてはクルマが大きいので、寸法自体も大きい。開口部高さは約70cm。

 開口高さが73cmと記しているが、これは後部座席を倒した状態での数値。実は頂上部からの真下方向には後部座席の背面があり、さらにご覧のように荷室奥にキックアップ部があるので、鉛直方向に寸法を取ることができなかった。開口部下面と荷室床面に段差もあり、重いものの出し入れには少々難儀するかもしれない。

(PHOTO:編集部)

 荷室の床形状は四角——といいたいところだがリヤホイールハウスの張り出しが大きく、さらに先述のキックアップ部があるので少々窮屈な印象を与える。後席は4:6分割式で、たたんでもフルフラット!——とはならないのはご覧のとおり。タイプRなら仕方ないかと思えるものの、標準仕様でも同様なので、不満を覚える方もいらっしゃるかもしれない。




 トノカバーは横スライド式のユニークな構造。左右を入れ替えることも可能で、実に使いやすい。上面はこのトノカバーが、手前水平面はリヤドアに備わるカバーが荷室の透過を遮る。

(PHOTO:編集部)

情報提供元: MotorFan
記事名:「 公園で全開シリーズ:10回目 Honda Civic Type R