同乗しているときにクルマが暴走し始めた! そのとき、助手席のあなたに何かできることはないのだろうか。


TEXT:安藤 眞(Ando Makoto)

 池袋と福岡で、相次いで暴走事故が起こったのはご存じのことと思う。どちらも助手席に奥様が乗っておられたようで、いずれも暴走を開始してから衝突して止まるまで、そこそこの時間があったようなので、さぞかし怖い思いをされたのではないか。




 だから、もしあなたがそういう仕様のクルマの助手席に座っていて、ドライバーが明らかに暴走を始めたら、エンジンスタートボタンを連打するか長押しするか(所定の手順に従って操作)をすれば、とりあえずエンジンは停止し、それ以上、加速することは阻止できる(サイドブレーキも引ければなお良い)。ハイブリッド車でも電気自動車でも、システムが「待機状態」になるから、モーターの通電が止まって加速はしなくなる。


プリウスの取扱説明書より

 従来型のキーシリンダー方式だったり、エンジンスタートボタンがハンドルの右側に付いていたりした場合、助手席から手を伸ばすのは難しいかもしれないが、ハンドルより左に付いているクルマにお乗りなら、ぜひ覚えておいていただきたい対策である。




 あるいは、スタートボタンが右にあるクルマでも、「シフトレバーをニュートラル(N)に入れる」という方法があるので、合わせて覚えておき、できればシミュレーション練習していただきたいと思う(直進式レバーなら、Dレンジから前に向かって叩くだけ)。

初代プリウス。画像は左ハンドル(欧州仕様)だが、コラムの作りは同じ。システムのOn-Offはコラム右側のスイッチ。右ハンドル仕様では、助手席側からの操作は難しそう。コラム左側に備わるシフトレバーをNレンジに入れる手段は取れそうだ。まだ機械選択式のレバーであった。

二代目プリウス(英国仕様)。こちらもシステムOn-Offは右側、手が届かない場所だ。シフトレバーはセレクト後に中立位置に戻る機構になった。

三代目プリウス(英国仕様)。システム起動ボタンは左側に備わった。万一の際には連打あるいは長押しが可能な位置だ。

プリウスα(英国仕様)。基本的に三代目と同じだが、備わる位置がセンターコンソールになっている。

四代目プリウス。システム起動ボタンが右側に再び移動している。

 また、池袋の事故のように、ドライバーが「アクセルが戻らなくなった」と冷静に会話できる状態であるなら、これらの対応を知っていたら自分で対処できた可能性もある。





 と、ここまで書いていて気付いたのだが、エンジンスタートボタンは助手席から手の届く範囲に配置するよう統一するのも、暴走対策に加えるべきなのかもしれない。

メルセデス・ベンツEクラス(W124)の右ハンドル仕様は、キーシリンダーが左側(!)に備わっていた。使いにくいことこの上ないが、万一のときに助手席側からイグニッションを切れるようにするため——と聞いた。

情報提供元: MotorFan
記事名:「 暴走対策を考える──安藤眞の『テクノロジーのすべて』第27弾