水平対向6気筒・EZ36。われらがスバルの誇る最大排気量ボクサーエンジンである。このフォーマットといえばポルシェ。比べてみるとどんなエンジンがライバルとなるのか。

 フラットシックスといえばポルシェ——と言いたいところ、われらがスバルにも6気筒は存在する。EZ36型。しかし同エンジンはレガシィのフルモデルチェンジにともない、ひょっとすると生産中止になるかもしれない。ボクサーディーゼルEE20型はそのEZ36とボアピッチを同一にして生産効率を追求していたが、ついにその生涯を閉じようとしている。EZ36のディスコンもその流れから決定事項だったのかもしれない。




 日本から消えようとしている水平対向6気筒エンジン。じゃあそのパフォーマンスはポルシェと比べてどうなのか、調べてみた。

スバル・EZ36型エンジン。

エンジン形式:水平対向6気筒DOHC


エンジン型式:EZ36


排気量:3629cc


ボア×ストローク:92.0×91.0mm


圧縮比:10.5


最高出力:191kW/6000rpm


最大トルク:335Nm/4000rpm


給気方式:NA


カム配置:DOHC


吸気弁/排気弁:2/2


バルブ駆動方式:直接駆動


燃料供給:PFI(ポート噴射)


可変バルブタイミング機構:In/Ex

 3.6ℓ/191kWという最高出力で比較すると、ズバリそのものという機種が見つかった。M64/03型@MY92の911カレラRSである。自然吸気フラッグシップと同じ性能を発揮していると思うと、なんだか感慨深い。




 ではサフィックスナンバー01と02はどうかといえば184kWという数値。これらはMY89〜94のカレラ/カレラ4に搭載されているエンジンだった。

M64型エンジン。サフィックスナンバー03が191kWと、EZ36と同じ最高出力を発揮している。

エンジン形式:水平対向6気筒DOHC(空冷)


エンジン型式:M64/03


排気量:3598cc


ボア×ストローク:100.0×76.4mm


圧縮比:11.3


最高出力:191kW/6100rpm


最大トルク:325Nm/4800rpm


給気方式:NA


カム配置:SOHC


吸気弁/排気弁:2/2


バルブ駆動方式:ロッカーアーム


燃料供給:PFI(ポート噴射)


可変バルブタイミング機構:×
MY92の911カレラRS。

 さらに調べてみると、typ993の初年/2年目にあたる1994〜1995年の911カレラ/カレラ4に搭載されたM64/05〜08型が200kWと、性能として近い数値を出しているようだ。もちろん01から08まで、空冷のフラットシックスである。

エンジン形式:水平対向6気筒DOHC(空冷)


エンジン型式:M64/05〜M64/08


排気量:3598cc


ボア×ストローク:100.0×76.4mm


圧縮比:11.3


最高出力:203kW/6100rpm


最大トルク:329Nm/5000rpm


給気方式:NA


カム配置:SOHC


吸気弁/排気弁:2/2


バルブ駆動方式:ロッカーアーム


燃料供給:PFI(ポート噴射)


可変バルブタイミング機構:×
MY94の911カレラ。

MY95の911カレラ4。

 では、排気量を問わずに191kWという最高出力のみで比べるとどうか。調べると、MY78〜80の911ターボが195kWという数値を掲げていた。3.3ℓのターボ過給・M930型エンジンである。サフィックスナンバーは61から65。




 ちなみにM930型エンジンはサフィックスナンバー60番台がターボ過給仕様のようで、195〜221kWを発揮している。

M930型ターボ過給エンジン。サフィックスナンバー61〜65が195kWを発揮している。

エンジン形式:水平対向6気筒DOHC(空冷)


エンジン型式:M930/61〜M930/65


排気量:3299cc


ボア×ストローク:97.0×74.4mm


圧縮比:7.0


最高出力:195kW/5500rpm


最大トルク:395Nm/4000rpm


給気方式:ターボチャージャー


カム配置:SOHC


吸気弁/排気弁:2/2


バルブ駆動方式:ロッカーアーム


燃料供給:PFI(ポート噴射)


可変バルブタイミング機構:×
MY80の911ターボ。


間もなく登場の新型レガシィで、ついに消えるスバルの水平対向6気筒。EZ36型が終焉を迎える

情報提供元: MotorFan
記事名:「 さようならEZ36! スバルのボクサー6はポルシェのどのエンジンと同等性能か